泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

おにゆり/鬼百合

2010-07-26 | 草花
  おにゆり/鬼百合   ユリ科
球根を食用にするため、古くから栽培されていたものが野生となって咲いています。
原産地は韓国南部から対馬と言われています。
別名、天蓋百合とも呼ばれ、果実は稔らず、葉の脇に付く、むかごで主に繁殖をします。

この花を眺めていると、夏休みにいつも行っていた田舎の祖母のことが思い出され、
橙色の大きな天蓋の下に、夏の幻影が通り過ぎてゆきます。

おとぎりそう/弟切草

2010-07-19 | 草花
  おとぎりそう/弟切草   オトギリソウ科
秘薬「鷹の傷薬」をめぐって、兄弟で争いとなった平安時代の逸話が残っている植物です。
レモン色の小さな花は一日花で、草むらの星のように光っては消え、次の日、
またひとつふたつと花を咲かせます。

夏の午後、真黄色い小花に、心、はっとしました。

もっこく

2010-07-11 | 樹木
  もっこく/木斛  (ツバキ科)
目立たない花ですが、いい香りがあります。
椿の花と同じように、ぽろぽろとその形のまま落ちていきます。
沖縄では重要な建築材で、首里城正殿にも使われたそうです。


蜘蛛の巣に捕われた、モッコクの花。

アガパンサス

2010-07-05 | 草花
  アガパンサス(アフリカン・リリー)    ユリ科
南アフリカからやって来た、ユリ科の植物が、こんなにも日本の風土に馴染むとは、
だれも思わなかったでしょう。
暑さにはもちろん、梅雨の雨にも強く、低温にも耐えるようです。
泉山で見られる薄紫色の花は、今の時期、うす曇りの日には、
くっきりと眼に印象的に残りますね。

原産地では、標高2400メートルぐらいまで見られるそうですので、寒さには強いわけです。
-10~-15℃までの耐寒性があるようです。
もちろん、南半球ですので、原産地では12月から2月にかけて花は咲きます。

異国の地で咲く子孫たちは、故郷の夢を見ているでしょうか…