泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

もっこく

2015-07-25 | 雑感
  もっこく/木斛  ツバキ科
真夏の赤いオブジェは、
モッコクの落ち葉です。

常緑樹は、冬でも葉が青々としています。
でも、一枚の葉の寿命はそれぞれにあるのです。

常緑樹の中にも、春のある時期、
葉が一斉に、新旧入れ替わる物もあります。

ユズリハのように劇的に入れ替わるものや、
ホルトノキのように、役目の終わった赤い葉が、
飾りになっている木や、
クスノキのように、新葉が出ると、
古い葉が、ばらばらと落ちていくものがあります。

モッコクの落葉もまた、常緑樹の風情あるひとこまですね。







ふいりびゃくしん

2015-07-21 | 樹木
  ふいりびゃくしん/斑入り柏槇  ヒノキ科
白い斑入りの美しいビャクシンです。
夏にお似合いの樹木ですね。

山口県岩国市に、斑入り植物のコレクターの方がおられて、
以前、伺ったことがあります。

草本でも、木本でも、
あらゆる植物の斑入りを集め、
本を出版され、研究されていました。

かつて、江戸時代にも、
風蘭や万年青(オモト)など、
斑入り植物を愛でる園芸文化がありました。

現在、古典園芸植物として、大切にされています。
日本人の細やかさが作り出す、
また、選び出す、技だと、感動します。


 

そてつ〜蘇鉄

2015-07-18 | 樹木
  そてつ〜蘇鉄  ソテツ科
ソテツの新緑は最高です。
若草色の伸び上がる葉は、
「成長力」の象徴のように、
上昇力を感じます。

蘇鉄の名は、
釘などの鉄分を与えると、
蘇生すると言われているところから、
名付けられたそうです。

鹿児島から沖縄にかけて、
自生するソテツは、
赤い実に毒の成分がありますが、
奄美などでは、飢饉の時に、
晒してそのデンプンを食用にしていたそうです。

しかし、晒しが足りなくて、
中毒を起こす時もあったとか。

また、蘇鉄味噌にも利用しています。

現在は、本土各地に植栽され、
身近な植物になっていますね。






天蓋百合

2015-07-14 | アルバム
  天蓋百合〜鬼百合
オニユリの名が一般的ですが、
天蓋百合の名もいいですね。

夏の思い出に登場する、オニユリは、
田舎の、山道で、
片側は田んぼ、もう片側は土手になっていて、
イネ科の長い葉群から、
一本のオニユリが伸び出て、
じっと、下を向いている…

蝉の声は、遠く、近くに、時雨れ、
熱風を、白き雲が冷ましてくれる…

はるかの山は、青く霞んで、
目の前の風景は、どこまでも続くように思う…

夏の思い出は、
一輪のオニユリの中にあります…

ねじばな

2015-07-11 | アルバム
  ねじばな/捩花  ラン科
双子のネジバナが、
ヒメイワダレソウの絨毯の中から、
咲き出していました。

ねじり方が、逆なので、
男の子と女の子の双子かな?

ネジバナには地下に球根のような塊根があって、
丈夫な蘭の仲間です。

一つひとつは小さな花ですが、
その行儀よく並んだ姿は、
よく目立って、可愛いものです。


百合の芽

2015-07-07 | 草花
  百合の芽〜タカサゴユリ
シバザクラの中に、
百合の芽が、ひとつ。

整った放射状の葉は、
タカサゴユリです。

まだ若き株は、
はつらつとして、
可能性を感じます。

その見えない根は、
地中で役目を果たし、
未来を育んでいます。

美しい芽は、
その表現のように、
見えますね。





ねむのき  

2015-07-01 | 樹木
  ねむのき/合歓木  マメ科
今年は、泉山のネムノキが、
たくさんの花を咲かせました。

風に乗って、いい香りが届きます。

薄桃色の霞のように見えるのは、
雄しべです。

なんとも優雅で、幻想的で、
心打つ花でしょうか。

いたるところで見かける花木ですが、
それぞれの場所に、似つかわしく、
それぞれの場所の風情を、
高めているようです。