泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

やまふじ

2013-04-27 | 樹木
  やまふじ/山藤  マメ科
今の時期、野山のあちらこちらに、樹冠を覆って咲く、ヤマフジを見かけます。
こんなにもたくさん自生していることを、花を見て知ることができます。

藤棚に多く見られるのは、ノダフジ(野田藤)で、
花房がヤマフジよりも長い特徴があります。
ヤマフジの丸っこい花房は、ボリュームがあって、
手のひらで包んでみたくなりますね。

面白いのは、ノダフジは右巻きにつるが伸び、
ヤマフジは左巻きです(上から見て反時計回り)。

このあたりでは、ヤマフジの方が圧倒的に個体数は多いのですが、
でも、ノダフジも所々で見かけます。
並んで自生しているところを見たことがあります。

いずれも香り高い、上品な花ですね。




みつばつつじ

2013-04-19 | 樹木
  みつばつつじ/三つ葉躑躅  ツツジ科
今、泉山はミツバツツジの花で、より明るく見えます。
やさしいうす桃色の花は、蜜がたっぷりとあって、
熊蜂が大きな羽音をさせて、懸命に花のなかにもぐりこもうと、
奮闘しています。

このあたりのミツバツツジは、細かい分類では、
「アラゲミツバツツジ」と言います。
葉や枝に白くて荒い直毛が生えています。

ミツバツツジは、各地に変種が見られ、
その地域差を見分けるのは、むずかしくもあり、
楽しくもあるものです。

近くの標高500メートルの峠には、
ダイセンミツバツツジが自生しています。
中国山地の西端にあたる場所になります。

花色はアラゲミツバツツジよりも濃く、
葉裏や葉柄には伏した褐色の毛が、びっしりと生えています。
また、花期が遅い特徴があります。

日本にはツツジ科の植物が多く自生していて、
野山を彩る愛すべき花木たちですね。

ちなみに、一緒に咲いている薄黄色の花は、クロモジです。

下の写真は、新葉が伸び始めたところです。
3枚の葉が特徴です。




はぼたん

2013-04-12 | 草花
  はぼたん/葉牡丹  アブラナ科
お正月に門松や花壇で、葉を楽しんだハボタンも、
薹(とう)が立ってきました。

その薹が、まことに美しい!

普通、野菜であれば、薹が立つと使い物になりませんが、
ハボタンは野菜ではなくて、観葉植物ですので、
薹が立ってもかまわないのです。

その薹が、ほんとうに美しいのです!

これは白い斑の入ったハボタンですが、
白と緑と、黄色い花のコントラストは、
目を惹きますね。

ちなみに、薹が立った白菜の花は、
とても美味です!

薹が立っても役立つ道は、必ずあると思います。

人もそうでありたいと…

はなかいどう

2013-04-05 | 樹木
  はなかいどう/花海棠  バラ科
泉山では、ハナカイドウがたくさん植栽されています。
可憐なつぼみが、花冷えの風の冷たさを忘れさせてくれます。

花が開くと、周辺までも明るくして、
弥生の暦を知らせます。

「清明」の時候は、ほんとうに日本人でよかったと思う季節でもあります。
桜や桃や、ツツジの花に彩られた里や野山は、
新しい門出にふさわしい時と感じますね。