泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

しろもっこう

2011-04-30 | 樹木
  しろもっこう/白木香  バラ科
黄色八重の木香薔薇と並んで植栽されています。
黄色のものより香りが強いですね。
両方とも棘のないつるバラで、10メートルも伸び、
100年以上も長生きする薔薇です。

中国産と言われていますが、
日本人のプラントハンターの話では、
中国で黄色八重のモッコウバラは見たことがないそうです。
白の一重はよく見るそうですが。

もともと原種のモッコウバラには、棘があり、
それがヨーロッパに持ち込まれ、ある薔薇と交雑して、
現在の八重のモッコウバラが出来上がったようです。
その時に棘をなくしたのでしょう。

滝のように流れる木香薔薇は、ほんとうに美しいですね。

そてつ

2011-04-24 | 樹木
  そてつ/蘇鉄  ソテツ科
これはソテツの雌花です。
美しい花ですが、とても原始的な花のつくりをしています。
すでに開花から半年経っていて、種子が大きくなっていますね。

蘇鉄の名は、衰弱した時に鉄くずを与えたり、
鉄くぎを刺すと蘇ると言われているところからそう呼ばれています。

奄美では、茎や実の澱粉を利用してきましたが、
その昔、薩摩藩の年貢の取り立てが厳しかったこともあって、
飢饉の時はソテツのほかに主食として食べるものも無く、
その有毒成分のために、しばしば中毒を起こしていたという歴史がありました。

ぎんりょうそう

2011-04-18 | 草花
  ぎんりょうそう/銀竜草  イチヤクソウ科
4月下旬、泉山の薄暗い森のなかに、ひっそりと咲いていました。
白く見えるのは、葉緑素がまったくないからです。
ギンリョウソウは、腐生植物(菌従属栄養植物)と言って、
ベニタケ属の菌根菌に栄養依存している種子植物です。
実がなり、種子がちゃんとできますが、菌と共生している変わった植物ですね。

その昔、裏山からイチヤクソウを採取してきて栽培しましたが、
まったくうまくいきませんでした。
それは、この仲間には菌根菌が必要だったからです。
植物をよくよく知らないと、無駄な殺生をしてしまうものです。



ベニバナイチヤクソウ/Wikipediaより


ながばたちつぼすみれ

2011-04-10 | 草花
  ながばたちつぼすみれ/長葉立坪菫  スミレ科
やさしいうす紫色の春の妖精。
西日本に多いスミレです
里山に多く、春の暖かい陽を受けて、
微笑んでいるように見えます。

幼少時代を過ごした、山陽の里山には、このスミレが至る所に咲き、
5月になると長い葉をぐんと伸ばして、
ほら、いつもこんなに元気だよ、と、迎えてくれるのです。

くろもじ

2011-04-03 | 樹木
  くろもじ/黒文字  クスノキ科
桜のつぼみもほころぶ頃、うす黄緑色の花を咲かせている、クロモジの木。
材は香り良く、和菓子をいただく時に使う楊枝を、この木で作ります。
香りはさわやかで、葉っぱをちぎっても、良い香りがします。

クスノキ科の樹木は、それぞれに香りがあって、
またその香りが少しずつ違うので、それを覚えていると、分類の指標になります。