泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

彼岸花~ひがんばな

2017-09-19 | 草花
  彼岸花~ひがんばな 

明日二十日は彼岸の入りです。
ちゃんとお彼岸に咲きだしました!

植物の体内時計には、感動します。
成長と休眠を繰り返す球根植物はたくさんありますが、
彼岸花は、秋、いきなりつぼみが伸長し、
花を咲かせた後、ゆっくりと葉を伸ばします。

冬の田の畔の枯草の中に、青々とした葉の塊のパッチワークが印象的ですね。

南アフリカに「ハエマンサス」というヒガンバナ科の植物があります。
北半球で栽培すると、彼岸花と同様に、
秋、まず花を咲かせ、後に葉を伸ばし、
冬に最大になるものがあります。

彼岸花と生活環(1年間の成長と休眠)の共通しているところが、
南アフリカと極東を繋いでいて、
興味深いですね。

さて、お墓に参りましょうか!



葛~くず 

2017-09-09 | 草花
  葛~くず  マメ科

「萩の花 尾花葛花 瞿麦の花 女郎花 また 藤袴 朝貌の花」
(はぎ)(すすき,くず)(なでしこ)(おみなえし)(ふじばかま)(あさがお)

万葉集にある、山上憶良の歌です。
秋の野草を七つほど選定しています。

その中にクズの花が選ばれたのは、
なるほどと、この花が咲くといつも思うのです。

クズ自体は猛烈に伸びる蔓草で、
林縁を覆ってしまうほど繁茂する植物です。

でも、仲秋のころ、香りある赤紫の花をつけると、
その様相を一変させるのです。

やや秋めいた葉の陰に、着物の柄のような優雅な花を見つけると、
真夏の、緑一色だったやぶに、秋の精が舞い降りたように感じるのです。

万葉の時代、いやもっとその前から日本人の感性は、変わっていないとも感ずるのです。







すだじいの実

2017-09-01 | 樹木
  すだじいの実

8月下旬、すだじいの実がこのぐらい成長しました。

まだ殻斗と呼ばれるさやに包まれている状態です。

じつは、椎の実は2年かけて大きくなるのです。

これは昨年受粉したものなのです。

下の写真は今年受粉した雌花です。


時間をかけて、しだいに熟していく様は、

悠然とした感を受けます。

実野菜や多くの果実の成熟を思うと、

2年は長い時間と思えるのかもしれませんね。

年を越して成塾するという戦略の意味は、

どこにあるのでしょう。