泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

ひがんばな

2012-09-27 | 草花
  ひがんばな/彼岸花(曼珠沙華)
今年もヒガンバナが、お彼岸に前後して咲き始めました。
先祖の事を忘れるなよと、いっせいに咲いて、教えてくれます。

運動会の日、ヒガンバナをいっぱい手折って、校庭に並べた経験は、
鮮明な記憶となっています。

人々に身近な花は、それぞれに役割と、印象と、象徴を持っていて、
この彼岸花も、多くの地域名を持つところからして、
日本人の情緒に住む植物のひとつと言えます。

季節、時候を象徴する花々は、多くの日本人の心を打ち、
太古の昔より、変わらぬ詩情を芽生えさせ続けています。




しおん

2012-09-23 | 雑感
  しおん/紫苑  キク科
秋の陽に揺れるシオンは、幼児期の庭を思い出させます。
たくさんの花の中で、ひときわ高く咲き出でて、
堂々とした立ち姿は、子供の眼に強く印象を残しました。

「しおん」と言うと、すぐに「四恩」が思い浮かべられます。

「四恩」には色々な恩を当てはめて言いますが、
・神佛への恩(自然や神佛に対して)
・社会への恩(国や地域や他の人に対して)
・物の恩(食べ物や器具や機械やあらゆる物品に対して)
・先祖の恩(親や先祖に対して) を、
忘れないようにしたいものです。

恩を知り、恩を感じ、恩に感謝し、恩に報いる。

自己中心的な考え方ではなくて、
人として、当たり前の事を行なう。
それが社会をより良くする第一歩だと、
この紫苑の花を見て、思うのです。



やまぼうし

2012-09-16 | 樹木
  やまぼうし/山法師  ミズキ科
5月に花を紹介した、ヤマボウシの果実です。
ひとつの果実ではなくて、たくさんの果実がくっついた、集合果です。

甘くておいしいといううわさですが、まだ食べたことはありません。

花が咲き、果実が稔り、葉が紅葉し、
時候の移り変わりを感じることのできる、こころを持っていることが、
嬉しいと思うことが、ときどきあります。

日本人の情緒を自分の中に感ずることができることの、
喜びなのでしょうか…



さるすべり

2012-09-07 | 樹木
  さるすべり/百日紅  ミソハギ科
桃色のサルスベリが、アカマツに寄り添うように咲いていました。

赤や白い花も美しいのですが、桃色のサルスベリは、
なんだか乙女を思わせて、やさしく華やいだ姿が好きです。



「サルスベリ」の語源は、猿も登れないほどに、
木肌がすべすべである所からきています。

サルスベリは中国南部原産ですが、この仲間が日本にも自生しています。
沖縄に自生するシマサルスベリと、その変種で屋久島に自生するヤクシマサルスベリです。
ともに花は白色で小さいのですが、野性味のある美しい高木です。