泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

こしあぶら

2011-12-02 | 樹木
  こしあぶら/漉し油(別名/ゴンゼツノキ)  ウコギ科
日本固有の優雅な樹木です。
山のたくさんの樹木のなかにあっても、
その独特のゆったりとした姿はよく目立ち、
それとすぐに見分けることができます。

黄葉はこのようにレモンイエローで、
陽が当たると、はっとするほどの美しさです。

「漉し油」とは、変わった名ですが、
樹脂を漉して、ウルシのような塗料としたからだそうです。
ゴンゼツノキは、「金漆(ごんぜつ)」と呼ばれる、
鉄の錆止め用の塗料を作ったからです。

昔の人は、里山の植物を様々に利用して来ました。
薪にするもの、柿渋や漆のように塗料としたもの、
稲のはぜ掛け用に田の周りに植えて、さらには、
その果実を染色の材料とした樹木や、
飢饉に備えての食料として、葉を乾かし、
貯蔵していたものなど、
長く培われてきた経験によって、
たくさんの価値を植物たちのなかに見つけ、
生活を豊かなものにしてきました。

石油製品や模造品、化学物質の海に生きている私達にとって、
かつての人々の生き方は、季節の匂いと色彩のなかで、
時候の波を肌で感じて自然体のように見えて、
少しまばゆいのです。


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