泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

こばのがまずみ

2011-10-21 | 雑感
  こばのがまずみ  スイカズラ科(レンプクソウ科)
赤い実を見て、美味しそうと感ずるのは、自然なことなのでしょうか。
実際には、この実は酸っぱいのですが、鳥にとってはそれほどでもないようです。

人と鳥と、もちろん味覚は違うのでしょうけれど、
植物は繁殖のために、皆さんにおいしく食べてもらいたいはずですが、
例えば、同じガマズミの仲間のカンボクの実は、苦くて、
鳥もよほど空腹でないと、食べないとか。

液果(種子のまわりに柔らかい果肉があるもの)は、誰かに食べてもらうために、
進化してきたのだと思いますが、さまざまな色や味があるのは、
特定の誰かをターゲットにしているか、あるいは食べてもらう時期をずらすために、
わざとおいしくしていないのか…

少し頭をひねってみました…
が、確かなところはわかりません。

にがくて、どうしようもない果実は山ほどあるからです。
むしろ、人が食べておいしい果実は少ないのです。

誰も彼もに食べてもらいたくないのでしょうか。
食べたら死ぬという、猛毒を持った果実すら存在します。
ただこれは、種子に猛毒があり、果肉にはないと言われているのですが、
(現地の人が食べているのを不思議がって聞いてみると、種子はぜったい噛まないそうです。
 吐き出しもせずに、そのまま呑み込んでいたそうです。)
ということは、丸呑みにする鳥たちにはこの毒は関係ないのでしょう。
特定の動物のための果実と言うことになりますね。

今から1億5千万年前、被子植物(簡単に言えば、綺麗な花を咲かせる植物)が爆発的に増えた時代、
巨大な草食恐竜たちに根こそぎ食べられないようにするために、植物自身、身体に毒を製造し、
たくわえて、自らを護ったという説もあります。
その名残りなのでしょうか。

植物はたくさんのアルカロイド(ニコチン、モルヒネ、カフェインなど数千種類)を生成していて、
人にとって、毒にも薬にもなります。
きっと、植物自身の防御と、繁殖との進化に由来するのでしょう。

赤い実に 思うこと多し 晩秋かな