故郷≪新潟≫の日々

満65歳で中国・黒龍江大学を定年退職した後、生まれ故郷の新潟に戻り、日々の生活を写真とともに日記風に綴っていくもの。

No.542 「松籟閣」のお話。

2015年06月26日 | 日記

朝日酒造の次に訪れた場所は「松籟閣」。朝日酒造の土地に隣接した場所にある「松籟閣」の“松籟”を電子辞書で調べると『 松の梢に吹く風。また、その音。』と説明されている。お酒の名前としては全国版の“久保田”。その創業者である平澤與之助が住んでいた住居がこの「松籟閣」である。

 

創業者は松の梢に吹く風の音を聴きながら、多くの人に愛される酒造りに専念していたのだろうか。昭和の初期に建てられた立派な邸宅は、現在、国の登録有形文化財となっており、表門・母屋・寝室・応接室の4棟から構成されている。表門を入ると庭の手入れをされているご婦人から「こんにちは」と声をかけられた。

 

昭和初期の最先端技術が施された建物の内部は、欅(けやき)一枚板を使った廊下や、凝った細工の障子戸など、重厚な趣向を凝らした邸宅となっている。特に和風の建物のほか洋館もある。そこには日本家屋には見られないシャンデリアやどっしりとしたソファなどが設置され、和洋折衷の空間が広がっていた。

 

「松籟閣」の管理人のご婦人も来客者一人ひとりに対し、入口まで出向き、丁寧に応対していた姿が印象的であった。