小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

産科医療への素朴な疑問

2011-07-13 22:19:08 | Weblog

 

 疑問の1つが、会陰切開。
 これは意見が両極に分かれるのを承知のうえでの疑問だが、必要性がある場合を除いたケースで考えると、「お産を待っている時間がない」「医師や助産師に自信がない」という安易な場合があることは事実だろう。 
 それを、某有名産科の助産師外来の担当者は「体質の問題」で片づけていて、(その病院では初産の6~7割が会陰切開する)本当にそうか?と疑問が・・・。 医療行為のできる産科医院でも、会陰切開率がたった数%という実績のある医院もあることを比べると、腕の問題では・・・という疑問を感じてしまった。

 もうひとつの疑問が助産師外来。
 そもそも、助産師外来が出来た背景や意味には、助産師の腕の見せ所、というものがあったかと思う。それが、だんだん、医師不足の解消のためのような感じになってきて、助産師自身も、ややミニドクター的になって、本来の助産師の役割をはき違えてないかと感じる場面がある。
 数値を見て判断したり、基本的なアドバイスは、高年初産の多くなった今、情報もたくさんあり、素人の妊婦でも、ちょっと勉強すれば分かることばかり。 良い育児のための良い出産、を掲げていても、それが単に、いわゆるカンガルーケアを実施することや母乳育児をすることという形に終わっているような気がする。人間関係が希薄になり、妊娠をおめでとうと言われることが少なくなった(「妊娠解雇」が起きるような)職場環境の今、母になるとは、という気構えを培ってくれるのが妊婦健診ではないかと思うのだが、助産師外来にベテランが配置されることが少なく(ベテランになるまで生き残れない)、教科書的な保健指導にとどまってしまうのでは、本当の良い育児につながる良いお産になるとも思えず。

 えてして、管理職は「うちは大丈夫」と言いますが、現場を知れば知るほどそうでもないので、足元をきちんと見ているのかなと思いつつ、そういうところを深く追ってみようかな、と感じている。

 そうした事例からも、「特定看護師」ができてハッピーになる患者は少ないのではないだろうか。
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