リクエストにお応えして、すっかり、うっかり忘れていた「鯛焼き」の話。
これまた、だいぶ前なのだが、私の好きな長瀬君が出ていた株のドラマで、「鯛焼き」という言葉が。その意味は「頭と尾っぽはくれてやれ」だそうな。何年も前のドラマで記憶が間違っているかもしれないが、株取引の極意で、欲張らずに株価の上値と下値を追いすぎないで、その部分は人にあげるような余裕を持たないと、かえって失敗するということだったかと思う。
それを急に思い出したのが、ちょっと前に私が怒っていた、流行で雇用を語る人間が増えてきたということ。
主流になるとやりたがる人は確かに多い。商業主義そのものだし、納得はいかない。そんなこと、前から問題だよ!と、言いたくもなる。
しかし、読んだり見たりして、本当に、その業界を知る者が関心できる、勉強になるものは、ほーんのわずか。いろいろ、特集されたり出版されたり放映されたりするが、その質をみているうちに、どうでも良くなったのだ。
みんなの記憶に長く残るものとは、心に響いたかどうかで別れる。
だから、私は淡々と、労働現場を歩き、自分の目で見て耳で聞いて感じたことを、今まで通りに書いていき、この時代を正確に記録していけば良いと思ったのだ。
えてして、商業とは、企画ありきで、その企画に向けてなにがなんでも取材したり、筆者を探したりするものだ。そんなやっつけ仕事をいちいち気にすることが、バカバカしく思えたのだ。
そんな時に思い出したのが、「鯛焼き」の話だった。
流行でどかーんとやりたいなら、頭と尾っぽはくれてやる、と、いうふうに考えたほうが、精神衛生上、いいかもしれない。
それより何より、私は次々と自分のやるべきテーマを追いかけ、忙しいことに気づいたら、人のことはどうでも良くなってきて、すっかり「鯛焼き」のブログを書くのを忘れていたのでした