小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

ジュンク堂イベント

2011-06-30 12:12:19 | Weblog

 ちょっと忙しくてお知らせしてなかったのですが、本日、19:30からジュンク堂池袋本店で、『看護崩壊』に関するトークセッションのイベントがあります。(参加費1000円)
 残り席が僅かのようですが、お知らせでした。

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20110630ikebukuro

暑い夏が始まる?

2011-06-20 23:07:02 | Weblog

 昨年の夏は猛暑だったが、私は忙しすぎて全く暑さを感じなかった。(これ、本当の話)

 今年の夏は、どうなんだろう。
 
 ここ数年、健康のため夏もなるべくエアコンをかけずにいて、今年も同じだから、暑さを感じる夏になるのかいなか、ちょっと楽しみでもあるが。今年は大きな節目を迎える夏になりそうだ。

 若者の非正規雇用問題を始めた頃、とても大変だった。
 なんせ、パラサイトシングルという言葉がはやっていたくらいで、問題を理解されない。
 それでも、しつこく企画を提案し、ないデータは心ある研究員に試算してもらい、ミクロのルポとマクロのデータをそろえていったことで、問題は広がっていった。

 そのころ、ある人から「落穂拾いのように、人が気づかない問題を拾い上げ、書いていきなさい。そして、大手マスコミがとりあげるようになったら、手柄なんてあげてしまえばいい」とアドバイスされた。
 非正規雇用問題は、その他大勢の大手からしたら〝売れる″からやる、というところも出てきたことは残念だったが、それでも、今や国民のだれもがその問題を知るところとなり、しつこく提起し続けた甲斐があったと思う。だから、最近では、大手に任せて、また問題を掘り起こしているのだが、その1つが看護労働であった。

 この看護労働の問題も、40年以上前の「ニッパチ闘争」以来、20~30年前に本が出るなどしたが、放置されてきた問題だった。しかし、この数年、経済誌を中心に、機会をもらえるごとに書き続けたら、だんだんと、新聞やテレビでも取り上げられるようになった気がしていて、ここ1~2年が頑張り時だと思っている。

 根が深い問題が多いはずだが、なかなか表に出てこないことが少なくない。

 そういうことを追い続けるジャーナリストでありたいと、大先輩たちのアドバイスから思うのであった。

社会保障が大事な理由

2011-06-06 10:45:49 | Weblog

 病院問題は、自分や家族が健康そのものだと気づきずらい。
 ましてや、看護労働といっても、ピンとこない人もいるかもしれない。
 しかし、医療や介護、福祉という社会保障を担う部門で働く人を考えないことは、究極の将来不安につながるのではないか。

 経済は自律的に成長もすれば回復もすると私は見ている。「儲かる」ところに、いろんな人や企業が参入しようとする姿を見れば一目瞭然ではないか。何もない、真っ新なところでも、経済は作り上げられていく。いったん崩壊しても、「儲かる」ところ、「必要な」ところは、必ず誰かが何とか工夫して乗り出すものだ。

 ただ、決定的に医療などの社会保障は経済とは違う。制度ありきの社会構造の根幹となるものであるから、そこで勝手が許されると「儲かる」患者だけをみることになるため、社会保障の意味をなさなくなる。「安心」を担保するために税や保険料などの公的資金がベースになる意味がある。そこが崩れていくと、回復・再生の道は遠くなる。構造問題を前にして、個人の力はどうにもならなくなるためだ。

 若者の派遣労働など、非正規雇用問題と医療労働の問題は同様に深刻だ。ただ、業界色の強い医療や介護の世界では、いったん「もうダメだ」とバーンアウトすれば、二度とその世界に戻りたくなくなる傾向があり、社会的損失が大きくなる。時分たちを支えてくれる人が弱りきってしまっては、安心して働けない。
 だからこそ、医療・介護・福祉の労働をもっと真剣に考えなくてはならないのだと思う。