小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

月刊「連合」連載最終回

2012-05-31 13:50:21 | Weblog

月刊「連合」 安心して産みたい の連載が最終回です。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/shuppan/teiki/gekkanrengo/backnumber/new.html




しがらみを断ち切るのは唯一、世論

2012-05-31 13:05:36 | Weblog

 今は労働現場の取材がほとんどだが、20代の頃は、どちらかといえば政財界へキーパーソンへの取材が多かった。
 両者の取材を通して、また、最近多い「業界」への取材を通して思うのは、いかに「しがらみ」が多いか。
 国会議員は特に、正しいことを正しいと言えず、言ったとしても言っただけの支援者向けのポーズで終わる。
 その背景には、「支援」という「しがらみ」があるのだと、強烈に感じている。特に、医療業界はそうなのだ。

 これを強く感じたのは『看護崩壊』(アスキー新書)を書いた時だ。
http://ascii.asciimw.jp/books/books/detail/978-4-04-870087-0.shtml


 今週のエコノミストでも書いている、いわゆる「特定看護師」問題。

看護師に医療行為を認めるべきか 問題山積の新たな「認証制度」 
http://mainichi.jp/feature/news/20120525org00m020004000c2.html

 これについては、日本看護協会は創設についてHPでも厚労省への要請を載せているくらい明確に賛同している。
 一方、日本医師会は反対。

 もし私が日本看護協会から支援を受けて政治家になっていれば賛成といわなければならず、日本医師会から支援を受けていれば反対と言わなければならない。

 また、夜勤の規制緩和でも全く逆の同様のことが言える。

 看護師の労働を改善したいと思う看護協会は夜勤の規制緩和に反対の立場をとる一方で、経営者よりの意見となる日本医師会では規制は緩和すべきとなる。

 もちろん、特定看護師そのものを完全否定はしない。一理あるところもある。が、何を言いたいかといえば、つまり、客観的に総合的に判断して、看護労働の現場を第一に考えれば、特定看護師(看護師特定能力認証制度)の創設には問題があるといわざるをえず、夜勤の規制も緩和してしまえば現場は無法地帯になってしまいかねない。が、もし、どちらかから支援を受けていると、本当に現場に寄り添った大事なことを言えなくなるのだ。

 だから、現場のことだけ考えて物を言えるジャーナリストで良かったと『看護崩壊』を書きながら、つくづく痛感したのだ。
 もちろん、どれをとっても、どこかの団体批判につながりかねず、出入り禁止になるかしら(厚労省は事実上の出入り禁止状態!?)と思っていたが、今のところ、そんなに懐の小さな団体ではないようで、どちらにも取材に行けている。

 ジャーナリストというのは、一般記者と違い、ある程度、事実を指摘しながら、意見を述べることを求められる。
 人によっては、本来は学者などが言うべき解決策までジャーナリストに期待するのだから、時代の要請なのかもしれない。

 が、私は常に多くの取材から得た「事実」で勝負する。
 これは、記者・ジャーナリストの基本だ。

 そして、あらゆる場面において、真の解決に向け、「しがらみ」だらけの政治家頼りにならず、かえって迷惑な存在にもなるのだが、その「しがらみ」を断ち切ることができるのは唯一、世論だと考える。
 社会全体が問題視すれば、「仕方ない」と政治家は踏み切ることができるのだ。

 ひとりひとりの意識、問題を知ること、が大事なのだ。

 雑誌や本を読む、ツイッターで情報を得る、なんでもできる今、できることから始めたい。

 

週刊エコノミスト6月5日号

2012-05-28 02:00:41 | Weblog

 今週のエコノミスト(5月28日発売)6月5日号

 今月は、看護の日があったので、今年も看護問題を書いています。



 看護師に医療行為を認めるべきか 問題山積の新たな「認証制度」  ■小林 美希


 http://mainichi.jp/feature/news/20120525org00m020004000c2.html


 ふーん。今週号の特集はFXかぁ~。

看護師の悲惨な職場を救え ダイヤ

2012-05-28 01:04:21 | Weblog

【新連載】
食事は15分、睡眠は2時間、40人の看護に奔走――。
“平成の姥捨て山”で燃え尽きる看護師の異常な日々


http://diamond.jp/articles/-/19043


まるで高齢者の「姥捨て山」のよう
家族に見捨てられた患者で溢れる病院

「高齢者が次々に入院し、まるで姥捨て山のように置いていかれる」――。

 看護師らがため息をつく。これは地方や過疎地で、医療機関や介護施設などが少ない地域に住む“医療難民”や“介護難民”の話ではない。病院などがひしめく東京で起こっている現実なのだ。

 筆者が取材した看護師によれば、彼女が勤める病院には、高齢者が寝たきりになり、肺炎などを患って繰り返し入院してくるという。しかし入院中、家族は見舞いにも来ない。止むなく退院間際に看護師が家族に電話をかけても、「もうしばらく入院できないか」と、迎えにも来ないケースが目立っている。

 都内のある民間病院では、「退院しても、状態が悪化して再入院すると家族がホッとしているようなフシがある」と明かす。同じく、都内のある自治体病院でも、「退院が決まっても、家で看られない家族から、患者の入院引き伸ばし作戦に遭う」と話す。

 70~80代夫婦による老々介護・看護で止むを得えない場合もあれば、子どもがいても働いているため世話をできないケースもある。転院や施設への入所が必要な場合でも、家族は「あの病院は家から遠い」「あの施設は汚い」など難癖をつけ、なかなか患者を引き取らないというのだ。「この病院にもっと置いてくれないか」という相談が後を絶たず、なかには、連絡がつかなくなった家族もいるという。

 団塊世代が一斉に後期高齢者になり、人口全体の5人に1人が75歳以上となる、いわゆる「2025年問題」が迫っており、高齢世代をどうやって支えるかが火急の課題となっている。戦後1947~49年生まれの団塊世代のボリュームは、約660万人と膨大だ。彼らが後期高齢者となれば、当然、医療を頼りにするケースも増えるだろう。

 しかし、その子ども世代となる団塊ジュニアやそれ以降の層は、就職氷河期のなかで社会人のスタートを切り、自身の生計を立てるだけで精一杯の生活。一方で頼みの病院では、急増する高齢患者に対して人手が不足していることから“医療崩壊”が始まり、病床削減も起こっている。

(続きは、ダイヤモンド・オンラインで!!)

 現在、昨日の記事・・・で閲覧が1位だそうです。
 掲載日、閲覧が独走1位だったそうです。
 多くの人の関心があって良かったです。


ダイヤモンド・オンラインで連載スタート

2012-05-25 01:43:16 | Weblog

 本日から、ダイヤモンド・オンラインで短期連載がスタートします。
 看護師問題に特化して5回連載、毎週金曜に掲載されます。

 看護師の「悲惨な職場」を救え
http://diamond.jp/

 お知らせでした。