昨年5月に刊行した「ルポ 正社員になりたい」を読んでくれた読者が、出版元の影書房に手紙を送ってくれ、その手紙が私の手元に届いた。
メールやブログでみんなが好きにいろいろ語るなかで、手紙をもらうというのはとても貴重なことだ。しかも、その手紙は山口県から届いた。
やっぱり、すごい苦労しながらも本に残せてよかった。出版されてだいぶ経つが、それでも本というものは読まれるのだ。手紙の最後には「何の足しにもなりませんが、地方から陰ながら応援しています」とくくられていた。その応援こそが、私の最大の力になる。ありがとうございます!
フリーのジャーナリストは、ややもすると、誰も守ってはくれないと言われることがあるが、そんなことはない。読者が守ってくれる。記事や本を読んでくれたいろんな地域の人や、いろんな組織の人が意外と守ってくれるのだ。
以前、あるフリーの大先輩が言った。
「怖いものはない。自分には1万人の読者がついている。だから、企業も役人も自分には手が出せない」
その言葉を聞いたのはまだ社会人2年生の頃。
今は、その人の言葉の意味がよく分かる。逆にいえば、そこまで強くなければフリーでなんてやらないのだ。別にケンカを売っているわけではないが、ジャーナリストの役割は古今東西変わらないもので、ペンは剣よりも強し、とは、名言だと思う。
このブログは、味方も見ていれば敵も見ている。
どうとられても構わないが、重要な立場にある人には、正々堂々としていられるような行いをして欲しい。それだけなのだ。