小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

手紙

2008-02-29 23:36:41 | Weblog

 昨年5月に刊行した「ルポ 正社員になりたい」を読んでくれた読者が、出版元の影書房に手紙を送ってくれ、その手紙が私の手元に届いた。

 メールやブログでみんなが好きにいろいろ語るなかで、手紙をもらうというのはとても貴重なことだ。しかも、その手紙は山口県から届いた。

 やっぱり、すごい苦労しながらも本に残せてよかった。出版されてだいぶ経つが、それでも本というものは読まれるのだ。手紙の最後には「何の足しにもなりませんが、地方から陰ながら応援しています」とくくられていた。その応援こそが、私の最大の力になる。ありがとうございます!

 フリーのジャーナリストは、ややもすると、誰も守ってはくれないと言われることがあるが、そんなことはない。読者が守ってくれる。記事や本を読んでくれたいろんな地域の人や、いろんな組織の人が意外と守ってくれるのだ。

 以前、あるフリーの大先輩が言った。
「怖いものはない。自分には1万人の読者がついている。だから、企業も役人も自分には手が出せない」

 その言葉を聞いたのはまだ社会人2年生の頃。
 今は、その人の言葉の意味がよく分かる。逆にいえば、そこまで強くなければフリーでなんてやらないのだ。別にケンカを売っているわけではないが、ジャーナリストの役割は古今東西変わらないもので、ペンは剣よりも強し、とは、名言だと思う。

 このブログは、味方も見ていれば敵も見ている。
 どうとられても構わないが、重要な立場にある人には、正々堂々としていられるような行いをして欲しい。それだけなのだ。

桜のエネルギー

2008-02-29 11:22:07 | Weblog

 なんとなく、年明けくらいから桜の木が気になっている。
 すでに、春の開花に向けてエネルギーをたくわえているような気がするのだ。

 ところで、愛される人って、けっこういて、それは、NPOの職員だったり、県職員だったり、いろんなところにいたりする。共通しているのは、本当に仕事に熱くて真面目だというところな気がする。そして、人に優しい。

 が、反対に金儲けばかり目指して、いい人のふりをして、やれ環境だ農業だと、ビジネスや予算獲得できそうなところに飛びつく人もいる。あー、やれやれ、と思うのだが、ビジネスチャンスとハイエナ根性を履き違えている人はみっともない。

 私はやはり、最初の仕事が経済記者でよかったと思う。そのビジネスとハイエナの区別がよくつくようになったからだ。

 春に綺麗な花を咲かせる木々が冬にじっと耐えるように、真面目にコツコツとやっていくことが、一番の近道なんだよな、と思った。
 早く、桜が咲かないかなぁ。

鼻血が・・・

2008-02-28 23:50:38 | Weblog
 帰宅したら、また恒例の(?)大量の鼻血が出て、1時間止まらず。ちょっと貧血な感じになった。

 心配してくれる人もいて、嬉しいなぁと思う今日この頃。少しリラックスして仕事しよう。人間の体はやはり、どこかで危険信号を出してストップをかけるものだ。

 ところで、こんなことを書くと、また、各方面から警戒されそうだが、ここへきて、私は、ニート支援ってこんなに手厚くなくていいような気がしている。でも一方で、不登校児、引きこもり、精神障害、知的障害などの支援はもっと手厚くしたほうがいいような気がしている。
 理由はいろいろあるのだが、ちょっと、ニートと引きこもり・不登校がごっちゃになっていて、本当に必要な支援なのか、微妙な気がしてならないでいる。

 この5年間で、本当にたくさんの若者の雇用の現場の取材を重ねてきた結果、今、そんな気分になっている。

 世論が動けば、それが流行であっても行政は右へならえと予算をつける。
 そして、安全パイと思われる事業を展開していく。
 結果の出やすいところに予算をつけるような感じがしてならないのだ。

 もっともっと支援が困難で、本当にお金を必要としているところがあるのに。
 儲けようなんて思っていない誠実な人たちには予算がおりないことが多い。しかも、これでもかというほど、行政から虐げられることがある。けれど、フリーター支援とかニート支援とかなら、ビジネス化さえ可能で、ちょっと手をさしのべれば、アルバイト程度の就職にはすぐに結びつく。ジョブカフェもそうだ。フリーターを常用雇用にとかいって、正社員の比率は高くなかったではないか。
 
 ほうっておいても儲かる業界、成長する産業はある。そこへ公の機関が支援しなくても、自律的に伸びるのだ。行政は政治は、そうでないとことに手をつけなければならない。

 そんなことを考えさせられる取材をしてきた一日だった。


 

 

花粉症

2008-02-27 13:10:12 | Weblog
 帰国してから花粉症になったみたいだ。
 けっこう、辛い。

 こないだまでニュースといえば毒ギョーザだったが、今は、そんなことがなかったみたいにロス疑惑とイージス艦ばかり。何もみんなが同じ方向に向かなくても・・・と思ったりする。

 でも、旬を追うのもマスコミ。一方で、流行に振り回されないでじっくり問題を追うのもマスコミ。私は後者のほうでいたいと思うからこそ、フリーになった。誰にでもできる取材をやっても自分にとってはあまり意味がない。

 しつこく問題を追っていくことの大切さを、尊敬できる先輩ジャーナリストたちが教えてくれる。
 以前、ある編集者が言ってくれた。
「小林さんには、じっくりと問題を追いかけて欲しい。世間には重みのない記事を頻繁に書かくライターが多いけど、じっくり取材して、しっかりとした記事をどんと出して欲しい」

 これは、私にとって、ものすごく嬉しい言葉だった。
 そう。やっぱり、これは、職人記者であって欲しいということなのだ。

 こだわり、丹念に作品を作り上げていくには時間もかかるし、多くは作れない。数が少ないから希少価値がうまれる。職人技には高い付加価値がつく。

 いろんな人が、いろんなところから応援してくれたり、私を戒めてくれる。だから、性格は少し軟派なところがあっても、仕事は硬派でいられるのだ。


 
 
 

限界への挑戦

2008-02-25 16:04:36 | Weblog
 なんだか最近、毎日が限界への挑戦のようだ。

 土曜、上海から戻ると、日本は春一番が吹いて、電車のダイヤが乱れていた。それで、自宅まで4時間くらいかかってしまい、ふらっとしてしまう。上海では、ほぼ、1日12時間くらい取材していたので、結構ハイテンションだった。

 で、戻った翌日、いろいろ原稿の締め切りだったので、1日で1万5000字も原稿を書いた・・・。ふだんなら、数日かかる。プラス、ゲラを50ページくらい見る締め切りも抱えていたため、1日の仕事量としては、過去最高だったかもしれない。

 でも、人間やればできるものだ。
 なんとか徹夜せずに終わった。

 ゲラを見ていても、その原稿もやはり超特急で仕上げていたため、改めて読むと、「あれ、私、こんなに書いたっけ」と思ってしまった。あんまり集中していたから、逆に覚えていないのだ。

 ふー。
 少し気分が落ち着いた。
 そして、やっと次の原稿に集中できると思って、その前にブログを更新してみる私。

上海 part2

2008-02-23 02:27:36 | Weblog

 今日も上海で取材。だんだんと、いろんな話がつながってきて、人とのつながりもできてきて、楽しくなってきた。さっきまでずっと、話をしていて、とても面白かった。いやー、これだけで本2冊くらい書けそうな気がしてきた。

 けっこうハードスケジュールだったが、体力ある体に生まれてきて、感謝だ。

 やっぱり、現場だよなぁと、いつもながら、思うのだ。

 今回は、たくさん中国人の同世代の働く話も聞けて良かった。
 明日も、貴重な時間を過ごせそうだ。


花火 in 上海

2008-02-22 00:34:34 | Weblog

 今日は、ずっと、市内のあちこちで花火が上がっている。
 旧正月だからだそうだ。
 本当に街中で、あちこちで花火が上がっていて、マンションの目の前とか、すぐそこで花火が打ち上げられているのだ。すごいなーと思い、花火好きの私は、とてもゴキゲンだ。
 昨日も、夜中に花火がなっていたような気がして、それは、日付が変わって、旧正月の合図に花火があげられていたという。

 取材のあと、中国人の20代の女性二人と話していて、つくづく、日本の労働環境や、働き方っておかしいと思ってしまった。仕事は人生の一部、でも、日本人は、仕事が人生になってしまっている。家族ってなんだろうとか、いろいろ話をしていたら、本当に日本の働き方がバカみたいに思えてきた。

 家族と一緒にいる時間なんてほとんどない生活。それを自ら選んでいるならまだしも、(いや、自ら選んでいるのも人間性としてどうなんだ、という話もしていて)、
ちょっと、自分の人生についても、反省しなきゃなぁと思った。

 中国は、労働者を法律で守っているが、日本は労働者をより立場を悪くする法律に変えていている。なんてことだ、と再認識。家族も大事にできないような働き方を強いる会社、それを黙認する社会、そんな日本ってどれだけの価値があるか疑った。

 日本の企業の場合、「言い出しづらい」とかそういう横並び精神がまだまだある。効率よく仕事をして早く帰ることがダメな雰囲気が蔓延している。あー、そんなのバカらしいと、すごく思ってしまった。しかも、上司はムダなサービス残業を強いる。サービス残業の多い職場は管理職に能力がない証だ。

 んーーー。なんとかならないのか。

 日本に見切りをつけて、海外に飛び出す人が増えても、なんら、おかしい話ではないと、今回、明確に再認識した。
 日本は、戦わずして負けるな、と思ってやまないのだ。

 取材が終わりホテルに戻ってついついパソコンを見てしまうが、運良く?メールは受信できても送信できない。
 中国まできて、ホテルに戻って仕事しなくてもいーや、と、珍しく思った。
 この感覚を忘れないうちに、ブログ更新だけしーとこ。


in 上海

2008-02-21 01:00:00 | Weblog

 昨日は興奮していたのか成田でほとんど眠れず、上海へ!
 
 昼に着いて、いろいろ取材をして回って、夜、ホテルについた。
 ちょっと寝不足だったからか、微妙に疲れが顔に出てしまったような感じがするのだが、取材に協力してくれた人に気遣ってもらってしまって、感謝です。

 中国語ができたらもっといいんだろうなぁと思いつつ、次回の課題だなー(泣)

い~や~

2008-02-20 00:03:44 | Weblog
 い~や~、ホントに綱渡り状態で参った!
 明日から中国で、飛行機が朝早いため成田泊。この予約も今日の昼間したくらい・・・。すごいギリギリな生活だ。

 いよいよ時間がなくて、電車のなかではノートを読み返して原稿すぐ書けるように頭のなかをスタンバイし、連絡事項は携帯のメールで。みたいな感じ。それか、頭を使いすぎて脳がしびれているから、電車のなかでぼんやりしてみる時も。ちょっと前のプレジデント、見とけばよかった!(年収2000万円の時間の使い方、みたいな特集)

 向こうで取材する人は初めての人も多いから、最近の記事をいくつかコピーして、さっき、ホテルについてからやっと折り込んだ。寝る前に原稿書こうかと思ったけど、明日からのハードスケジュールに控えて、やめとこう。。。

 あー、しかし、取材、楽しみ。
 半年ぶりくらいに会う人もいるので、とても楽しみ。

 人との出会いがあるから、忙しくてもやっていけるような気がする。

 しかし、帰国してから原稿書ききれるか、かなり心配・・・・。

 でも、ほんとに、3日間くらい何も考えないで、どっかで現実逃避したいなぁ。

 けど、桜のシーズンまで我慢、かも。。。。


綱渡り

2008-02-16 22:24:57 | Weblog

 いーやー、どーしよーーー。
 かーなり、綱渡り状態な感じになってきた。
 書いても書いても追いつかないぞーーー。
 

 話は変わるが、最近、女性部からお声をかけてもらうことが多く、行った私もパワーをもらって帰ってくる。以前は、「女性の~」というのが苦手だったのだが、最近、かなり、好きになっている自分がいる。
 それはきっと、女性の集会に出ると、なんだか、人の優しさに触れることが多いからかもしれない。
 ずっと、戦ってきている彼女たちには、厳しさと優しさの両方があって、人として、きっと、すごく成熟しているんだと思った。

 あー、私も、見習って頑張るぞー。

 櫻井よしこさんの受け売りだが、「雄々しく美しく戦う」それに加えて、論理的にファクトをもって戦えば、怖いものなんて何もない。
 事実が全てを物語るのだ。

 よし、気合入れていこー!