小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

言魂(ことだま)

2015-12-31 04:07:16 | Weblog

 2015年の締めくくり、大晦日になった。
 慌ただしく過ぎた1年だった。

 言葉のひとつひとつには、魂が宿っている。
 特に、物書き、執筆を生業とし、取材を基盤にして、取材を受けてくれた人の気持ちや状況を代弁する立場の私たちジャーナリズムにいる人間にとって、言葉というものは非常に大切な意味を持つ。

 そして、いろいろな状況でそれぞれの人が仕事をしている。
 取材に協力してくれる人がいて、そして、地を這うようなこつこつとした努力の積み重ねをしてはじめて、私の原稿は成り立っていく。

 言葉のひとつひとつの背景に非常に重みがあるということは、熱心な読者なら読めば気づいてくれる。2000年に社会に出て、取材して書く仕事に就き、そうやってきた15年でもある。

 誰がいつ、どうして、どういうことを話し、どうしたのか。そうした事実の積み上げと、客観的なデータに基づかなければ、社会問題を提起しえない。

 こうした、人から求められ、それを職業にできることを幸せに感じ、言葉に責任を持つという基本姿勢はこれからも崩さず頑張りたいと思う。

 私は幸い、株式新聞社でも毎日新聞のエコノミスト編集部でも、これは本当か?多いって何?何%?、まさか言われたまま書いてないだろうな?など、全て疑ってかからなければ本当のことは書けないことを教わった。それは、編集業務でも同じだった。きた原稿に対し、どんなにえらい先生のものでも、手直しが必要なら手を加えなければならない。すべては読者のためにだ。そう厳しく指導してくれる上司や先輩に恵まれた。人はきちんと組織のなかでもまれ、学ばないといけない。しかも早い段階で。仕事を通して鍛えられることで個人の尊厳がつくられていくのだと思う。

 こうしたプロ意識をもって仕事をできる環境がどのくらいあるか?
 安易に人の言葉を乱用し、コピペ文化に慣れ切ってしまった大人社会で良いのだろうか?マスコミ業界のなかにもそれを許す傾向のある危機を数年前から大きく感じている。

 私は、プロとして働く意味を問いたい。乳幼児や学生の教育も同じだが、社会人になってからの教育もなければ、資源のないこの日本が生き残っていけるはずがないからだ。

 そして、教育こそが、最終的な社会問題の解決策につながるのではないかと感じている。

 私も40歳になり、中堅の年齢になってしまった。その社会的責任を果たしていきたいと思う。

 

みおしへ

2015-12-23 02:48:02 | Weblog

 以前、ふと、おみくじを引いたら、こんなことが書いてあった。


 木馬嘶く(いななく)べからず。
 石牛奔る(はしる)べからず。
 吉田松陰


 その意味といえば、、、

 木の馬や石の牛は、すがたは馬や牛でも、鳴くことも走ることもできない。
 人間でも、自覚もなければ、意思もなく、努力もないものは、かたちは人間でも、木偶の坊(でくのぼう)だ。
 人間なら、心があり、魂があり、血もあり、涙もある。理解もあれば、思いやりもある。美しいものを美しいと感じ、正しいものを正しいと思い、手を取り合って共に喜び、共に悲しむ。大事なことには、私を忘れて献身する。
 いかに発達したロボットでも、そのようなものは存在しない。


 それを読んで、大きく、うなづいた。

 これが、生きることそのものや仕事の神髄だ。
 

 

明日、NHK出演予定です

2015-12-18 11:01:25 | Weblog

 明日(12月19日)の朝、8:45~
 NHK 週刊ニュース深読み(生放送)に出演する予定です。
 テーマは保育士不足です。

http://www.nhk.or.jp/fukayomi/

週刊新潮 12月24日号

2015-12-17 00:48:21 | Weblog

 本日発売の週刊新潮(12月24日号)の中年フリーター問題で、コメントが掲載されています。

http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/

 この問題の先駆者としてもう12年近く頑張ってきましたが、当時の若者フリーターは中年になってしまいました。

 一刻も早い解決策が必要です。

「ルポ保育崩壊」(岩波新書)4刷目に入ります

2015-12-12 03:45:35 | Weblog

 今年4月に刊行された「ルポ保育崩壊」(岩波新書)を多くのひとに読んでいただき、4刷目に入ります。

 4月入園の締め切り間近で、考えるところは深いと思います。。。

 保育の質と労働について少しづつ社会の目が向き始めたような気がします。

 もうひと頑張りしないといけません。

 資源に乏しいこの国で、乳幼児期を含めて人に教育投資せずに、国際競争に勝てるわけがないとは思わないか、保育崩壊の現場を見ると、深刻な気持ちになります。

https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1504/sin_k825.html

東京新聞 夕刊

2015-12-05 20:19:44 | Weblog

 本日の東京新聞の夕刊1面にコメントが囲み記事で載っています。


すくすく保育 守りたい 職員不足、現場に危機感
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120502000258.html