さてさて、いつものとおり、くだらない「つぶやき」です。
ブログは多くの人にとってストレス発散なのではないかと思い、私もそういう位置づけです。(大事なことは原稿にするので)
ダイエットをする時に重要なのは・・・食事を残す勇気。
原稿を書く時に重要なのは・・・原稿を削る勇気なのだ。
原稿を書く時、記者や編集者の多くは、きちんと八方向を見ていると思う。雇用問題でいうなら、正社員はどうか、非正社員はどうか、海外はどうなのか・・・など。けれど、それを全て一つの原稿に詰め込むと、悪い原稿になってしまう。いったい何を言いたいのか分からない両立併記の原稿は、書くほうは攻撃されずに楽だし、調べたことを披露してしまう感じになり、読者が混乱する。だから、いろいろ調べたうえで、方向を定めるのが編集の基本だ。
だが、書き手のほうは、ついつい、取材したことを全て書きたくなってしまうのが性。そこを思い切って削れるか削れないかで、削れない原稿はボツの可能性が高くなるものだ。
そして、対策的なところは、編集側の意向や特集のバランスもあるので、そうした部分は研究者に任せることになるのだが、ここで、フィールドワーク的なことをしつつ政策提言できる研究者でないと、これまた現場との乖離があったり、また難しい問題がある。または、良い研究者がいても、マスコミ的に目立つ人が取り上げられてしまい、発見されずに日の目を浴びないこともある。いいコメンテイターを発掘するのも編集者の仕事だとは思うのだが。。。
某大物ジャーナリストがネットで「政策提言しろ」と2ちゃんねる的な批判的書き込みをされたと話していて、「ジャーナリストはあくまで現実に起きている問題を告発するのが仕事だ」と、語り合った。この話を某編集者にすると、これは、その分野の識者がきちんと提言していないことの現われだ(つまり、学者がちゃんと言わないからジャーナリストに全ての期待がかかり、読者や視聴者が物足りなく感じてしまう)と。
だから、私は、現場を歩いて記事にすることとセットで、政策や行政の監視役になって不正や税金の無駄遣いがないかをチェックしていくのが自分の役目かなー、と、整理している。政治と行政のチェックって、恐ろしいほど時間と労力が必要なのだが、やるしかない。
ただ、それをいちいち原稿に書けないのが残念。行間を読むことは難しいし、読み飛ばしている場合、読者は書いてあることだけで判断するので、これも、ちょっとミスリードの原因になって難しい面がある。
海外の事例も、参考になる制度はあるが、なかなか日本には当てはまらなかったり、少し前に北欧北欧と言われていたことも、数年前の数字を見ればいいけど、この数年で環境は様変わり。安い労働力に押されてワークライフバランスも崩れだしていたり・・・。
フランスはもともと恋愛国家(?)だから、「いい女はとられる」と男性が常に気を遣って女性に対して愛情表現するし、就業率&出生率アップなどの効果が高い。あ、これ、いいなと思っても、地域性や国民性でかなり左右してくるから、すっごい悩む。同一賃金も、EU指令でやっているのは強いなぁと思いながら、失業率の高さも抜きには語れず、本当ーーーーに、難しい。
だから、なかなか「参考」になっても「運用」できる制度かどうか難しい。研究者が国費で視察にいっていれば、それに対して悪い意見はいえないという裏があるから鵜呑みにできないし・・・。ふー。
今度また、海外に足を運んでくるか!やっぱり自分で現場を見聞きしないと納得できないから、なんとも言えないなと思うのが正直なところ。
と、思いながら、国会中継を見ていると、おおー、馬渕さん、高速無料化の質問をしているではないか。新人記者くらいの頃に、道路公団改革をテーマにしていたこともあり、その後、高速無料化については、もともと高速道路を作る時の前提の約束だったことが反故されているという点で問題視したことを思い出した。
政治家は個別には約束を守ることは多いが、国民全体を見た大きな案件となると、話が変わってくるから、しっかり第3者が見ていかなければいけない。
で、いろんな情報を削る勇気がまだまだ必要で、もっと必要なのは、残す勇気のほうでした