小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

7月25日ニコニコ生放送!

2011-07-23 14:45:47 | Weblog

 『看護崩壊』(アスキー新書)をテーマに、7月25日19:50~ ニコニコ生放送で看護労働について番組が放送されます!

(私は諸事情で出演できず残念ですが、現場の看護師の方もいらしてのトークセッションです!)


http://live.nicovideo.jp/gate/lv57469245


年間離職者10万人以上、過労死レベル2万人、
妊婦の4割が夜勤を経験、「職場流産」が相次ぐ過酷労働。

医療制度に翻弄され、ギリギリの人員で長時間の夜勤をこなす看護師たち。
多発する流産やうつ、過労死、心身の疲弊から年間10万人以上が離職し続ける現場は、
まるで「ブラック企業」のよう。

今回のニコ生トークセッションでは、アスキー新書『看護崩壊』を手がかりに、
医師不足の陰で見過ごされてきた看護師問題にせまります。

深刻な看護師不足、過労死へと導く長時間夜勤、
患者のたらい回し、安すぎる生涯賃金……。
崩壊寸前の看護の現場で、今、何が起きているのか?




記憶力

2011-07-23 13:53:51 | Weblog

 一昨日から台風一過の影響で涼しく過ごしやすい日が続いているが、なんだか寝付かれずに昨日は睡眠時間1時間半で朝から、つくばまで行って夜まで取材などが続き、疲労困憊。昨夜はさすがに、すぐに眠って、10時間くらい寝たのだが、まだ、ぼんやりしている。

 が、昨日はとても充実した1日だった。

 つくばの取材では、今まで問題だと思ってきたことが科学的に裏付けられ、遠くまで行った甲斐があった。

 夜の部では、久々に福島みずほさんの市民政治スクールに取材に行った。慶応大の金子勝先生が講演すると前日に知り、慌てて申し込んだのだった。金子節も勉強・刺激になったのだが、金子先生とは、現在の若者の労働問題を広げてくれた一人である。

 私がエコノミストで初めて若者の非正規雇用の問題を特集したのは2004年5月。「お父さんお母さんは知っているか 息子と娘の“悲惨”な雇用」が組まれた。それまで、当時は「労働問題は売れないからやらない」という風潮があり、何度も企画は廃案となっていたが、粘り続けた結果、第2特集ではあったが実現した。当時、内部ではあまりウケが良くなかったのだが、金子先生がその特集を見て朝日新聞の論壇時評で取り上げてくれたのを機に(同時期に日経新聞の経済論壇でも取り上げられた)、編集部でも若者の雇用問題を続ける気運が高まり、その後、11月には特集『子供を産めない職場の現実』を企画し、読者からの反響を受け、12月には伊藤忠商事・丹羽宇一郎会長(当時)インタビュー「中間層の崩壊」についてと次々に問題を提起することになる。

 そして、2004年12月の朝日新聞・夕刊・論壇時評、「2004年私の3点」で慶応大学の金子勝教授に、特集『息子と娘の“悲惨”な雇用』が選ばれ、27日、朝日新聞・夕刊・論壇時評、私が選んだ3点で、東京大学の児玉龍彦教授から、伊藤忠商事・丹羽宇一郎氏へのインタビューが選ばれた。

 その後、2005年2月には特集「結婚できない」男の現実(2月15日号)で、若者が雇用の不安定から結婚できない現実を指摘。
3月になると、それまで第2特集だったものが第1特集になり、「娘、息子の悲惨な職場」(3月22日号)が実現し、これも、29日、朝日新聞・夕刊・論壇時評に取り上げられたのだった。

 この頃、2004~05年は、実態を裏付けるデータがあまりに少なかったが、それでも、慶応大の樋口美雄先生が研究を重ねていたり、丹羽宇一郎氏が問題に敏感であったり、かねてより福島みずほさんが非正規問題をやっていたり。また、新進気鋭の民間研究者である、小林真一郎氏、熊野英生氏、門倉貴史氏などに試算をしてもらったりしながら特集の骨格はできあがっていった。

 金子先生は、下手をすれば埋もれていってしまう第2特集を見て、一般紙上で問題を知らせてくれた、ある意味での恩人であった。その当時、挨拶と取材を兼ねてお会いしたのはエコノミスト記者だった7年前となるが、昨日、改めて名刺交換をした際、フリーになった私の名刺を見た瞬間に私であることを気づいてくれ、個人的に感動してしまったのであった。

 えてして、立派な方は記憶力が良いことを久々に感じた日であった。




産科医療への素朴な疑問

2011-07-13 22:19:08 | Weblog

 

 疑問の1つが、会陰切開。
 これは意見が両極に分かれるのを承知のうえでの疑問だが、必要性がある場合を除いたケースで考えると、「お産を待っている時間がない」「医師や助産師に自信がない」という安易な場合があることは事実だろう。 
 それを、某有名産科の助産師外来の担当者は「体質の問題」で片づけていて、(その病院では初産の6~7割が会陰切開する)本当にそうか?と疑問が・・・。 医療行為のできる産科医院でも、会陰切開率がたった数%という実績のある医院もあることを比べると、腕の問題では・・・という疑問を感じてしまった。

 もうひとつの疑問が助産師外来。
 そもそも、助産師外来が出来た背景や意味には、助産師の腕の見せ所、というものがあったかと思う。それが、だんだん、医師不足の解消のためのような感じになってきて、助産師自身も、ややミニドクター的になって、本来の助産師の役割をはき違えてないかと感じる場面がある。
 数値を見て判断したり、基本的なアドバイスは、高年初産の多くなった今、情報もたくさんあり、素人の妊婦でも、ちょっと勉強すれば分かることばかり。 良い育児のための良い出産、を掲げていても、それが単に、いわゆるカンガルーケアを実施することや母乳育児をすることという形に終わっているような気がする。人間関係が希薄になり、妊娠をおめでとうと言われることが少なくなった(「妊娠解雇」が起きるような)職場環境の今、母になるとは、という気構えを培ってくれるのが妊婦健診ではないかと思うのだが、助産師外来にベテランが配置されることが少なく(ベテランになるまで生き残れない)、教科書的な保健指導にとどまってしまうのでは、本当の良い育児につながる良いお産になるとも思えず。

 えてして、管理職は「うちは大丈夫」と言いますが、現場を知れば知るほどそうでもないので、足元をきちんと見ているのかなと思いつつ、そういうところを深く追ってみようかな、と感じている。

 そうした事例からも、「特定看護師」ができてハッピーになる患者は少ないのではないだろうか。

新刊の予告「ルポ 職場流産」

2011-07-06 00:28:19 | Weblog

 ちょっと早いのですが、情報解禁だということで、予告です。
 8月25日に岩波書店から単行本「ルポ 職場流産~雇用崩壊後の妊娠・出産・育児」が出る予定です。

 内容の詳細など、また近くなったらお知らせします。

 http://www.iwanami.co.jp/topics/index_i.html

今週のエコノミスト

2011-07-04 23:15:52 | Weblog

 今週のエコノミストの書評欄で、「赤十字」について3冊の本をピックアップして書いています。


http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/


 書評を書くのは初めてでした!