クラシックな音楽的生活

日々、家の中にヴァイオリンとピアノの音が流れています。

村上春樹に再挑戦

2021-06-17 | 日記

村上春樹は私がずっと長いこと敬遠してきた作

家。

作品を読んだことがないわけではなく、「ノル

ウェーの森」、「羊をめぐる冒険」、「ダンス

ダンスダンス」は大学生の頃に読んでいる。

どれも最後まで読んだはずだけど、たぶんどれ

よく理解できなかったんだと思う。

面白いと感じられなかったんだと思う。

もっと言うと、ちょっと気持ち悪いとも感じて

まったんだと思う。

当時の私が未熟過ぎたのか、村上ワールドが私

には合わなかったのか。

でも、あの長編小説を誰に強制されるわけでも

なく自ら購入して3冊まで読んだのだから、

惹かれていたものはあったんだろうと思う。

結局、そこで村上作品を読むのはやめてしまっ

た。

実家の本棚にその6冊(上下巻なので)は並んで

いたはずなのだが、どこかの時点で弟が持って

行ってしまったらしく、5.6年前に残されていた

のは「ダンスダンスダンス」だけだった。

その2冊はその時に持ち帰り、今も家の本棚にあ

る。

ただ一度もページを開いてはいない。

夏目漱石の「こころ」を読み終わって、次は何

を読もうかと本棚を眺め、スッと手に取ったの

は村上春樹ではあったけれど、「ダンスダンス

ダンス」ではなく、家族の誰も読んでいないの

になぜかそこにあった「色彩を持たない多崎つ

くると、彼の巡礼の年」だった。



ブルーベリーマフィン。













美しさを感じる文体

2021-06-16 | 日記

新たに読み始めた小説の最初の数十ページまで

集中して読んだところで、あれ?これ夏目漱

石だったっけ?と一瞬何故だか錯覚してしまっ

た。

確かに前日まで夏目漱石を読んでいたけれど。

まだ頭の中に「こころ」の世界が残っていたの

もしれないけれど。

時代も文体もまるで違うのにそんなふうに感じ

てしまったのは何故だろう。

個人の内面や心情、さらには闇部分を比喩を

用しながらこれでもかと畳み掛けるように表現

するところがなんとなく似ている気がしたから

かもしれない。

3回目の「こころ」はもう私に衝撃は与えること

はなかったけれど、年を重ねた今の自分なりに

細部にも気を配りつつ深く読み込むとができ

たと思う。

新たな気付きもあっただろうし、疑問に思うこ

とや理解に苦しむこと、受け入れ難いことはむ

ろ増えたと思う。

美しい佇まいを感じさせる文体はやはり素晴ら

しいし、明治の文豪流石…と改めて思った。

次も夏目漱石にしても良かったけれど、思いの

知力を伴うので、一旦離れることにして、村

上春樹を読むことにした。

家の本棚にあって、背表紙に3行に渡る題名が書

かれたその本がやけに読んでくれと主張してく

るので、その本を読むことにした。

色彩を持たない

多崎つくると、

彼の巡礼の年



黒胡麻きなこマフィン。











エシレバター

2021-06-05 | 日記

上の娘が渋谷に出掛けた帰りに、「エシレ・パ

ティスリー オ ブール」でお菓子を買って来てく

れました。

大人気のお店なので普段は長い列ができていて

かなか買えないそうなのですが、この日はた

たま空いていたそうです。

サブレサンド・ブールとフィナンシェを買って

来てくれました😊












どちらもエシレバターをたっぷり使用したこだ

わりのお菓子。

箱を開けると閉じ込められていた発酵バターの

濃厚な香りがふわ〜。

サブレサンドはとても可愛らしいサイズなので

すが、サブレにもクリームにもふんだんにバ

ターが入っているので、一つでも十分満足感が

あります。

フィナンシェは焦げるギリギリまで焼き込まれ

ていて、しっかりとした歯応えがありつつも

はしっとり、バターの美味しさが口の中に広が

ります。

このエシレバター、日本ではびっくりするほど

特別なものとして扱われていますが、フランス

に駐在していた頃は、Monoprixなどの街中に

あるスーパーに普通に売っていて、手軽に手に

入るものでした。

フランスのバターはとても種類が多く、生産地

によって少しずつ味に違いがあるので、エシレ

に拘らず、いろいろなバターを試して楽しんで

いました。

フロマージュの専門店では、お店の手作り発酵

ターを量り売りしていて、そちらの方こそ特

別感がありました。

酪農王国フランスのバターはコクが深く、香り

が芳醇、独特の濃い味わいがあって、残念なが

ら日本のバターとは別物です。





パリの本屋さん

2021-06-04 | 日記

上の娘が急に、「フランスにBOOKOFFあった

よね?」と言い出したので、今もあるかどうか

は不明だけど、「うん、あったね。」と答えま

した。

私たち家族がフランスに駐在し始めた頃は、日

本の書籍を扱う本屋さんといえばパリのオペラ

座近くにあったジュンク堂さんだけでした。

オペラ通り一帯には和食屋さんやラーメン屋さ

ん、日本食材店が点在していたので、週末にな

るとそれらを目当てに日本人駐在員家族が多く

やって来ました。

ジュンク堂はパリで唯一の本屋さんではあった

のの、どうしても日本で買う2倍3倍のお値段

なってしまうため、そうそう簡単に手が出る

ものではなく、日本人のお客さんもそれほど多

くなかったように思います。

子供たちは日本人学校の図書室で本を借りるこ

ができますが、大人たちは簡単には読みたい

が手に入らないというのが当時の状況でし

た。

数年経ってから、オペラの少し奥まった場所に

BOOKOFFができた時は、日本人の間で話題に

なったし、私もとても嬉しかった!

ジュンク堂が高級志向でパリのオシャレ感を

識した内装だったのに対して、BOOKOFFは

民的で店内に入ればまさに日本といった感じで

した。

もちろん値段まで日本と同じというわけにはい

なかったですが、新品の定価くらいのお値段

で買えたんじゃないかなと思います。

当時の娘たちはまだ小学校高学年くらいで、

日本には3年程しか住んだことがなかったので、

BOOKOFFというもの自体認識していなかった

のだと思います。

今日、急に何かが結び付いて、あのパリにあっ

た本屋さんはもしかしてBOOKOFFだったので

はないか…と思い至ったようです。












久しぶりに夏目漱石

2021-06-03 | 日記

夏目漱石は、高校から大学にかけて結構読んだ

と思います。

「坊ちゃん」、「吾輩は猫である」は中学生の

頃かな。

夏休みの課題図書的な感じで読書感想文を書か

されたような覚えがあります。

自分から進んで読み始めたのは高校生になって

からだと思います。

「三四郎」、「それから」、「門」の前期三部

作、「彼岸過迄」、「行人」、「こころ」の後

期三部作は、夢中になって立て続けに読んだよ

うに思います。

明治の知識人の考え方や人間模様、恋愛観、生

活様式等、当時の私には新鮮で興味深いものば

かりでした。

「虞美人草」、「道草」辺りも読み、未完の

「明暗」に至っては、叶わぬことながら先が読

みたくて読みたくてたまらなかったのを覚えて

います。

しかしながら、そんな若い頃に夏目漱石を読ん

だところで一体どれだけのことを理解できたの

だろうかとう疑問はあります。

もちろん、まだ実体験の少ない澄んだ感性で

像力を働かせながら読んでいくのは素晴らしい

ことだし、本質にまで届かなくとも若いなりの

鋭い感覚で受け止め、考えるというのもとても

大切なことと思います。

特に衝撃を受けた「こころ」については、30代

のどこかで再読しましたが、おそらくは理解も

深まっていたはずと思います。

今また、この歳になって、私の内なる声が「こ

ころ」を読むよう言っているのは、いろいろな

経験を積んで来て、様々な角度から広い視野で

物事を見ることが多少はできるようになり、今

読むことで新たな気付きがありますよというこ

となのだと思います。

それにしても、夏目漱石は49歳で亡くなってい

るのですね。

もうとっくに超えてしまった…



チョコチップマフィンを作りました。