その一言を聞いた途端、一瞬で頭がクリアになって、
この日の私の第一声は、「可哀そう!!」という言葉になりました。
金曜日、夜10時までの練習を終え、11時半頃帰宅した上の娘。
疲れ切ってはいましたが、翌日に本番を控え、気持ちは充実しているようでした。
午前1時を過ぎた頃、就寝したと思います。
夜中、実際には午前3時50分頃でしたが、
「ママ・・・、ママ・・・」と、枕元で私を呼ぶ声がしました。
上の娘の声でした。
次の娘の一言が衝撃で、飛び起きました。
「ノロウイルスかもしれない・・・」
えーーーっ?!
うそ!!
今日本番なのに?!
1週間前から練習を開始して、この3日間は長丁場の合同練習を頑張っていたのに?!
ヴァイオリンは1st、2nd合わせてたった8人しかいないのに?!
そんな、そんな・・・
と、ここまで一瞬にして頭に浮かんで、最初に発した言葉が、
「可哀そう!!」だったのでした。
幼稚園から現在に至るまで、大きなものから小さなものまで、学校行事にしても、習い事行事にしても、
大切な日に欠席したことは一度もありませんでした。
音大生になって、多くの本番を抱えるようになりましたが、自分自身でも体調管理に気を付け、
本番に穴をあけるようなことは一切ありませんでした。
だから、本当に初めてのこと。
ついに、こういう日が来たか・・・と。
「ノロウイルスかもしれない・・・」と、私に告げると、娘はすぐに自分のベッドに戻っていました。
「3時半頃、気持ち悪くて起きて・・・しばらくトイレにいたけど・・・吐けない・・・」
「下痢は?」
「ない・・・ お腹がものすごく痛くて・・・吐き気もやばい・・・」
「下痢もしてないし、吐いてもいないの?」
「うん・・・」
喋るのも苦しそうで、とぎれとぎれに、だいぶ間を置きながらなんとか声を絞り出す感じ。
足が氷のように冷たいというので、もこもこの靴下を二枚重ねで履かせ、湯たんぽを用意しました。
痛みに波があるそうで、ものすごい痛みの時は、うめき声をあげながらのたうち回る感じです。
本気で救急車を呼ぼうかと思いました。
本人が首を振るので、おなかや背中をさすりながら、しばらく様子を見ていました。
その間、ネットでいろいろ検索していましたが、
ノロウイルスであれば、初期症状はいろいろでも、また軽症重症はあっても、
少なからず下痢あるいは嘔吐はあるはず。
こんなに痛がって苦しんではいるけれど、嘔吐も下痢も一度もないとなると、別の病気なのでは?
どこが特に痛いのか聞いても、考えるのも面倒なようで要領を得ないのですが、
痛みが少し和らいだ時にようやく、下腹部らしいということがわかりました。
それでまた検索していくと、まあ、いろいろ病名は出て来ますが、素人判断はできません。
しばらく娘の下腹部に手を当てていました。
すると、突如起き上がり、トイレに向かいました。
しばらくして戻って来ると、
「吐けた。気持ち悪いのが少し治まった。」
と言いました。
安定の美味しさ。
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