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利益追求型の岩崎弥太郎の見る所『岩崎弥太郎三菱の企業論』

2023-12-31 13:39:23 | 歴史から学ぶ
岩崎弥太郎(三菱:専制独占主義)vs渋沢栄一(資本主義)の背景には小栗忠順、坂本龍馬等の資本企業の原型に類似していた、とある。小栗の兵庫商社・横須賀製鉄所、坂本の海援隊である。さらに本書では学歴主義を産んだとある福澤諭吉、丸善、清水建設等の前身(創始者)など日本の企業の歴史を学ぶことができる。特に「資本の論理と倫理」で両者を比較しているが現代は岩崎弥太郎型、利益追求型の企業が多く、政治家でさえ国・国家より自己主義・保守主義優先となっているのが現状だ。となると日本はやがて反転する可能性もあると言うことかもしれない。
岩崎弥太郎の言葉「人間は一生のうち、必ず一度は千載一遇の好機に遭遇するものである。しかし凡人はこれを捕へずして逸してしまう。これを補足するには、透徹明敏の見識と、周密なる注意と、豪邁なる胆力が必要である」
『岩崎弥太郎三菱の企業論』中野明
「概要」ニッポンの株式会社の原点は明治初期に溯(さかのぼ)る。志半ばにして倒れた幕臣・小栗忠順や海援隊・龍馬の企図を引き継いだ「三菱」岩崎弥太郎。後に財閥を成した弥太郎の徹底した利益主義と独占主義は「専制」と呼ばれ、同時期に「分配」を主張してバランスある事業の発展を主張した渋沢栄一と鋭く対立する。今日の「行き過ぎた資本主義」の「論理と倫理」は、「会社」誕生時から生じていた。
ーイギリスの株式ブームは17世紀(イギリス東インド会社は1600年)
    沈没船引き上げや潜水器具会社など
ー日本での最古の株式会社なるものを形成した人物
徳川家康の家臣小栗忠政の子忠順(ただまさ)の外国奉行での日米為替交渉で頭角を表す
    横須賀製鉄所など建造、「日仏組合商法」「兵庫商社」
    鴻池屋、加島屋、越後屋などの商人に100万両出資させ金札を発行
坂本龍馬とその弟子
    河田小龍(土佐藩万次郎の世話役)から勝海舟との出会いで西洋知識と仕組みを勉学
    亀山社中での弟子陸奥宗光(のちの外務大臣)の金銭政策(海援隊)
ー岩崎弥太郎(三菱グループ創始者)
    海援隊の思想を受け継いだ経営理念、だたし海援隊は共和分配主義vs弥太郎先生独占主義
    弥太郎は地下浪人で頑固者、だが学才。東洋・後藤象二郎との出会いから頭角を表す
    公金を100両使い込み職務放棄、村に出戻り。
    土佐藩後藤象二郎の18万両の借金を背負いこみ海援隊と組む、土佐貿易を担当
    ジョン万次郎通訳で土佐商会をベルギー・イギリスとの貿易で収益を得る
    芸妓を上手く使い中央(大久保・大隈等)との接点を得て財閥を築いていく
ー渋沢栄一
    パリへの視察で徳川昭武に同行、渋沢28歳、フランスの近代化を日本位伝承する
    一橋家家臣平岡円四郎との接点から家臣となり米、木綿で収益を上げ一橋家に貢献
    パリでの教訓:パリ万博・下水道・電気・ガス・企業組織(資金を集め収益を分配)
    日本で合本組織(株式)を立ち上げる(ヒントはスエズ運河建設)
    四民平等(軍人と商人とが平等であるフランス社会に驚愕)
    商法会所を設立、静岡藩に70万両を貸付(兌換紙幣:太政官札)
    資本主義社会のルール作り「国立銀行条例」などを発刊、会社を次々と創設
ー新政府は「為替会社」(三井組・小野組・島田組で構成)貿易管理会社
        証券制度・重役制度・株式責任範囲を基礎とする株式会社
ー丸善の前身、丸屋商社(岐阜の医師が開業、明治元年)
ー清水建設の前身、築地ホテル (小栗との共同で外国人向けホテル建設)
ー三菱商会(専制独占主義)
    三菱マークは三階菱(岩崎家家紋)と三柏(土佐藩山内家家紋)
    二本松藩へ汽船購入を仲介、推奨し汽船代から英国との貿易から利益を得る
    九十九商会から三ツ川商会、三菱商会へ息子と変身(土佐藩等の後ろ盾を消していく)
    海運業、製糸業、炭鉱業を営み、吉岡鉱山は大きな収益源となる
ー岩崎弥太郎(専制独占主義)の開花
    台湾遠征(琉球住民の殺害から新政府が兵と武器を運)と西南戦争で莫大な利益
    政府との密約へのおねだりが始まり船舶購入に拍車をかけ、一時期海運独占する
    さらに海運サービスを充実させ荷為替、海上保険、運賃で大儲けする
ー三井物産(東京風帆船会社で対立)
    のちの共同運輸となり海運戦争が勃発、結果政府の肝煎りの日本郵船株式設立
    日本郵船の株式は三菱系が独占し、のちに三菱系企業へと変貌する(資本主義への対抗)「資本主義の弱点・株の買い占め」


世界の賃金上昇率比較 日本は世界33位

2023-12-31 07:45:12 | 世界の常識(平均値など)
『世界の賃金上昇率 国別ランキング・推移』では日本は33位、これも低迷・続落で 日本はG7などに参加できる資格など遠に無い。経済成長も労働賃金でさえ日本は低迷しており2024年に向け政治の裏金問題から経済はどうなるのか疑問だ。 数値は2023年6月21日時点で2022年までのデータ収録分析
韓国 10位
米国 14位