本日庭に季節忘れて咲いたバラ
@江戸っ子は「見栄と器量と心意気」を理屈ではなく守り通した。 現代で言うならばお客に満足のいく仕事を多少難題があろうとも初心を通し心がけたとなるのか。江戸における大商屋、紀伊國屋文左衛門、奈良屋茂左衛門など莫大な財産を築いたのは、その時の先見性もあるがやはりこの「江戸っ子気質」だったのか。 今一度振り返りながら学び直したい。 Wikipediaによると「江戸っ子気質」とは「見栄坊」「向こう見ずの強がり」「喧嘩っ早い」「生き方が浅薄で軽々しい」「独りよがり」だと言う。
『晋平の矢立』山本一力
建て替え普請のため、家屋を壊すのが生業の「伊豆晋」の頭・晋平は古道具の目利き。大火に見舞われた江戸で、焼け崩れた十八もの蔵を短期間で取り壊すよう頼まれた。次々と起きる厄介事にもひるまず、古道具好きの依頼主の助けを借りて難局を切り開いてゆく。男たちの職人仕事は緻密にして清々しく、古道具を通して浮かび上がる人の情と縁はしっとりと心をほぐしてくれる。
- 「船箪笥」ある蔵を壊す時に不思議な穴を見つけ探ると、その中に小さな船箪笥が隠されていたことが判明、それは昔遭難した主が船箪笥(30cmx45cm)を抱えてある娘に助けられたことを物語ることを知る。寺で辿るとその娘さんは既に亡くなっておりその子がたまたまその墓にお参りに来ていたことで蔵の主人と再び繋がった。越後で作られた船箪笥は水に浮く程軽く仲間で染み渡らない構造で浮き輪の役割も兼ねたほどだった。
- 「うずくまる」明暦の大火(1657年1月18日午後2時頃本郷丸山本妙寺から出火、2昼夜に渡り江戸城の天守閣、本丸、二の丸、三ノ丸までの焼失した。焼失されなかったのが商家の蔵、それも尾張の三州瓦を用いた蔵だった。 ある商家で残ったのは焼き物の皿、壺などだったが、その壺の一つが実は相当な価値のあるものであると分かり家主は勢いを盛り返した。
- 「すんころく」天野屋利兵衛は赤穂との関係で支援した商家で、大石に刀を贈ったと言う人、火事が多い江戸では蔵の土壌に黄金等を隠したとの噂で同心たちが自分たちの賭博の借金を返すために掘り返し見つかった箱を持ち帰ったが、一つだけ忘れており、その一つから見つかった一つの書き置きには利兵衛と読めたものが見つかった。
- 「なで肩」同心たちが持ち帰ったその箱には寛永通宝など一文銭がびっしり入っていたが、時代物で実際は金二両ほどの価値しかなく、同心、それに協力した賭博元も借金の返済で揉め始めた。 だが、土に埋もれていた壺には価値がありそうだと分かり、鑑定してもらうと300両、で双方がめでたく収まった。
- 江戸っ子は「見栄と器量と心意気」を理屈ではなく守り通した。 道具の価値などと言うものは値段ではなく、そのものに対する描いての思い出ある。