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ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

怪盗ルパンの乗り切る知恵『水晶の柱』

2021-08-25 08:08:09 | ミステリー小説から見えるもの
アニメの「怪盗ルパン」のイメージが強い分、小説のルパンは数度の窮地をどのように乗り越えるのか興味津々、一気に読み終えたくなる。それは変装し現場に赴くと相手は既にルパンの正体を知って逆手に取りルパンを窮地に追い込む。最後の最後まで騙す、騙されるを繰り返すが危機一髪で事件を解決に導く
現代、世の中の金を使い権力を持っている輩がいる。が、金で得たものはやはり金でしか解決しない。人は常に「情」を持って人は従うのを忘れている。
『水晶の柱』モーリス・ルブラン
「概要」政界の黒幕ドーブレック代議士の別荘へ侵入したルパン一味。ところが計画が狂い、ルパンが可愛がっていた青年ジルベールを含む二人の部下が逮捕されてしまう。怪盗の部下逮捕の報に世間は沸きたち、迅速な死刑が決定した。部下救出に策を凝らすルパンは、そもそもの発端であるドーブレックがその力の源とする、ある品物に狙いを定めるが……迫りくるタイムリミット、強大な敵との対決。ルパン最大の苦闘が、今始まった!
この小説の背景にはリアルな疑獄事件があった。1869年のパナマ運河に関わる国会議員の過半数、全ての官僚、新聞界の半数以上など大掛かりな賄賂と買収があり、実際1903年に起訴されたのは元建設大臣一人だったのである
貪欲な政治家ドーブレックに振り回されたルパンは正体を暴かれ3度窮地に立たされる。ルパンの知恵が何処まで勝るか、乗り越えれるか。ローブレックの先手先手で周りを買収し、情報を集め、次の手を打つ。誰が何処までの人物を買収しているのか疑問が残る中、ルパンはあるきっかけでそれを見破り危機一髪を乗り切る。
ードーブレックは国を司る主要人物たちに対して強い立場に立っている理由は、運河贈与に関わった27人の隠されたリストを持っていたことで、世間にバレると破綻するほどの威力を持っていた。それが「水晶の栓」にあるとのことで、ルパンはついにその「水晶の栓」を手に入れるが隠されていた場所が謎だった。

女ごころが読めない男、読める男『女ごころ』

2021-08-20 07:46:32 | ミステリー小説から見えるもの
男には女ごころが読めない。それは女が求める結婚相手に迷い迷うことがあるからだ。名誉・地位か、経験豊かで金持ち、だが女たらしで少々荒い性格か、それとも貧相だが若い将来の夢を持った人か、の選択を迫った時だ。この小説はその選択肢を絶妙に捉えた「女ごころ」をミステリーとして書き上げている。「乗るか反るかはやってみること」と括る
「良かれと思ったことが裏目に出る」、人生長く生きていれば1度や2度そんな場面に誰もが遭遇する。だが、哀れみ(情け)を掛けられることは誰もが心地良いとは思わないことも知っておく必要がある。生まれながらの人の人生に「お節介」は無用の場合がある
『女ごころ』W・サマーセット・モーム
「概要」若く美しい、不幸な未亡人メアリーに新たに昔から見守ってくれた男、申し分のない英国紳士エドガーがいる。ある日、ふと知り合った、亡命者の青年にメアリーは情けをかけるが、本物の「恋」と思った青年はピストル自殺を遂げてしまう。彼女がその時頼ったのは「ならず者」と呼ばれる男であった。
愛した夫が事故で亡くなり、もう人を愛せないと悟るがその若さの美貌が周りを許さない。3人の男性がメアリーに近づく。昔からの父の友人、将来知事的地位を約束された年配男からプロポーズされる。ある日、パーティーで知り合った女たらしの男性と、もう一人国を追われた若い貧相な演奏者とも顔見知りになる。
ー女たらしの男性とは気軽さもあり打ち解けるが断固結婚相手になる人物ではないと悟る。
ー家に帰る途中、演奏をした若い貧相な男に哀れみを覚え親切に家に招待する。食事を用意し、ダンスをしたことで貧相の男が「男性」に変貌、夢にまで見た幸せを逃したくないとメアリーに迫った。だがここで事件が起こる。プロポーズされた男から渡されたピストルで貧相な男が自殺、後処理に女たらしの男に貧相な男の遺体処理を相談してしまう。
ーメアリーはプロポーズされた男に事件の全貌を話すと「汚れた過去」は将来重大な過失となるからとメアリーを捨て去った。そこに女たらしの男が再び現れ結婚しようと声を掛けると、メアリーは「あたしと結婚をお望みなら・・。でもあたしたちの場合、乗るか反るかの冒険ですわ」と言うと、男は「ねえ、メアリーさん、それでこそ人生ですよ。 乗るか反るかやってみるのが」と。



人の心理を知ることができる実験とは『グラン・ギニョール』

2021-08-18 07:47:08 | ミステリー小説から見えるもの
@ミステリー小説は、証拠品、人間関係、殺害目的など基本的な捜査から容疑者を探り出す。ところがこの小説の見どころは、容疑者全員を一部屋に入れた心理的実験(椅子にくくりつけ、サルぐつわ、目隠し、灯を消し音と話し言葉で再現していく方法)を行うところだ。間の恐怖心を煽る仕法、恐怖を持ったものは再現されることを恐れ自ずと自白へと導いていく、を取ったことだ。 現代でも目隠しされ完全に闇になると誘導(周りが気になり)される可能性は高いかもしれない。心理的に暗闇に一人で周りが騒々しくなるとそれも逆に恐ろしく感じるかもしれない。
『グラン・ギニョール』ジョン・ディクソン・カー
ディクスン・カー、幻の傑作と言われる「グラン・ギニョール」
美しい女性との結婚を間近に控えたサリニー公爵に届けられた一通の殺人予告。そして婚礼の夜、華やかなカジノの一室で、無惨にも首を切断された公爵の死体が発見される。しかも、公爵以外部屋に出入りした人物はなく、現場は完全な密室状態にあった。あたかも魔物の仕業のごとき怪事件に挑むパリ警察の名探偵バンコランの活躍。
ー密室殺害事件のミステリー小説、トリックとなる要因
    公爵は既に殺害されており、整形手術した別人がこの密室で殺害されていた
    公爵が旅先で殺害されトランクに詰められ送り返されていた
    証拠隠滅する為のトランクは2つありカジノへ誤送されていた
    共謀者がいた、それはごく身近な人物
    財産目当ての殺害とされた
ーその他ジョン・ディクソン・カーの作品(短編)とミステリー作家史
    悪魔の銃
    薄闇の女神
    ハーレム・スカーレム
ーミステリー小説
    1920年代頃から米国・英国で「探偵小説」として販売し出す
        被害者が遺言書を作成しようとした矢先に殺害される
        犯行現場を警部等が証拠品等から容疑者を想定、検証していく
        トリック殺害から文明の機器が活躍していく
ー代表的な作家名
    クイーン・エラリー 「オランダ靴の謎」「ギリシャ棺の謎」「エジプト十字架の謎」
    クリスティー・アガサ 「アクロイド殺害事件」「フェアかアンフェアか」
    セイヤーズ・ドロシー 「誰の死体?」「大学祭の夜」「忙しい蜜月旅行」
    ドイル・サー・アーサー・コナン 「緋色の研究」「シャーロックホームズのライバル達」
    バークリー・アントニー「毒入りチョコレート事件」「ピカデリーの殺人」


武士は切腹、妻の自害する方法とは 『日本庭園の秘密』

2021-08-17 07:45:13 | ミステリー小説から見えるもの
恋愛関係のもつれと人の「欲」が2つの殺害事件へと繋がるのがこのミステリー小説である。この殺害事件の解決が実は最後の最後にことの熾りを作った「知能」犯人像が浮き上がる。それは癌の権威を盾に精神的苦痛を患者にすることで、人は精神的に脆弱な状態で癌「不治の病」だと言われるとどうなるのか、をこの小説では心理的な人間の行先行動までを読み、間接的な犯罪を実現する。 興味をそそるのは日本の伝統「武士の切腹」と「武士の妻の自害」の違いが事件の解決ヒントになる。
『日本庭園の秘密』エラリー・クイーン
「概要」流行作家カレン・リースのニューヨークの邸内に美しい日本庭園が造られた。だが、まもなく彼女はその庭をのぞむ一室で怪死を遂げる。窓には鉄格子、開かずの扉、事件現場に出入りした者は誰もいない……。この密室事件に、名探偵エラリイ・クイーンが超絶論理で挑む
「知的操作過程」いわゆる知能犯と言われる殺害事件の仕組まれた犯罪がこのミステリー小説である。 この小説では2人のリース姉妹と2人のマクルーア兄弟が互いに恋した人を傷つけ、才能を利用したのだ。姉妹の姉は作家で美人で有能、兄弟の兄は医学博士で癌の権威を持った有能者。その弟が姉妹の姉と結婚、一児を授かる。だが、弟の趣味である拳銃が姉の誤操作で暴発、弟を亡くす。すると姉はその死を悩み一人の子供(女の子)を兄弟の兄の養子にする。それを仕組んだ妹は姉の暴発を犯罪だと罵り、遂には姉の作品を自分の作品として売り出し、兄との婚約をするまでになる。
ー妹殺害事件は密室でその第一発見者が実は養子にしていた娘で他に犯人に繋がる証拠もなかった。さらにその姉が隠れていた場所で妹の事件の前に発見されたがそれが自殺と断定される。なぜ姉妹が殺害されたのか、その背景等繋がり捜査をクイーンが開始する。


女の変身に過去の深入りは禁物『さよなら、愛しいひと』

2021-08-05 07:54:39 | ミステリー小説から見えるもの
昔、不甲斐な男を愛した女が、その若さと美貌から富豪と結婚することになる。女はその不甲斐な男を警察に密告、刑務所に追いやった。だが、刑期を終え出所した男は、女を探そうと必死に動き出したことで、過去を消したいが為に殺害を企てる。女の過去を知る者、女の弱みを知っている周りの人物をも消していくと言うのがこのミステリー小説だ。折角富を得た生活を破壊したくないと言う動機が人を変えていく様だ。過去の恋愛に再び夢見て戻ることは禁物だ。
『さよなら、愛しい人』レイモンド・チャンドラー
「概要」刑務所から出所したばかりの大男のマロイは、八年前に別れた恋人ヴェルマを探して黒人街にやってきた。しかし女は見つからず激情に駆られたマロイは酒場で殺人を犯してしまう。現場に偶然居合わせた私立探偵フィリップ・マーロウは、行方をくらました大男を追って、ロサンジェルスの街を彷徨うが…。
ー別件の事件に巻き込まれる、それは奪われた翡翠のネックレスを強盗から金で買い戻すという場に立ち会いボディーガードとして雇われたことだったが、誘った男が殺害され誰かに殴られた後金も無くなっていた。だが、死体にはタバコケースが2つ見つかり、一つがロシアンタバコ(麻薬)だった。
ーマーロウは宝石泥棒集団等を操っている組織を捜査すると麻薬売買の中心人物に辿り着き気がつくと麻薬中毒患者として病院の独房に拿捕されていた。それは所轄警察以外の警官に連れられた事だった。そこで知ったのは警官も上司の命令で嫌な事も悪事もする、ましてや大金が積まれ、将来が保証されれば尚更だ。
ーマーロウはボディーガードとして雇って殺害された捜査から、ある富豪の夫人とあうと事件の意外性を知ることになる。「美しい女であることをやめ、100年前なら危険な女、20年前なら向こうみずな女、しかし今ではハリウッドの安物女優」 実はマロイが愛した女が、マロイを警察に売り、美貌を利用して富豪者と結婚、ウインザー公夫人となっていた。
ーマーロウ、私立探偵はとてもユニークな人物で冗談をよく使う。だが直訳からではそのユニークさが読み取れなく、多くが理解できない。 また、この小説は様々な事、モノ、人、場所の形容・飾り言葉(地場の比喩)が多く、さらに場所が転々と変えることで主旨がボケて読みづらい。


幸運な人は周りが運を与えてくれる『逃げる男』

2021-08-02 07:58:50 | ミステリー小説から見えるもの
@純粋で真面目な青年は、逃亡先の何処でも快く向かい入れら、知り合った女性と結婚話をするまでに発展する。人生で人を恨むことなく生きてきた人間は幸運が付き纏うのか、逃亡先での予感が鋭いのか危機一髪の脱出劇は見どころだ。 
人の運は面白い。それは「幸運」なのか「悪運」なのかは思う物差し次第だが、「最悪」と思うことが「もう運は上がるしかない」に繋がり、いい人生になるかもしれない。
『逃げる男』シドニー・シェルダン
ーたまたま死体遺棄の現場で殺人容疑者を見たばっかりに、独身で、真面目な美青年、ジョンは証人から逆に殺される前に逃げること「逃亡者」となる。
ーそれは、殺人容疑者、NYマフィアの超大ボスラベッロの裁判で、陪審員の数人を事故と見せかけ殺害し、陪審員に恐怖を与え「無罪」を勝ち取ったことで、証言者のジョンを捕え口封じに動き始めたからだ
ージョンはFBIの証人保護プログラムを受け逃亡するがたちまちマフィアに追い詰められ数回に及ぶ捕物に対しどれも危機一髪で逃れる。発見される理由は女が原因だと悟る、それは逃亡するその先々で美女との出会いがあり、デートなど外出するとたちまちマフィアに見つかり再び逃亡生活をするという繰り返しになったからだ。
ーNYでは他のNYマフィアからラベッロは一人の若造すら逃げられるのは統制力が劣っており交代することだと罵られ、必死にジョンを追い回す。
ージョンの逃亡が再び命を救うのか、他のマフィアが交代劇に導くのか・・・
ージョンの仕事は「セールス」でその才能が逃亡先でも活かされる「宝石店」「車販売」「ペットショップ」「サーカス」「船員」と・・・


スポーツから得る「男の強さ」とは『勇気の季節』

2021-07-28 07:45:25 | ミステリー小説から見えるもの
男子は誰もが「強い男」に成りたいと思う。だが強いと言う意味は喧嘩のためのボクシングそのものではなく「我慢強く、いざという時誰かを守る時の技」だと悟った事で人生哲学を学んだ。素晴らしい発見と学びはどんなスポーツでもあるし「忍耐強さと守るべきものを知る事」は人生の成長に大きく影響したとさえ思える。
『目標を達成するには、全力で取り組む以外に方法はない。そこに近道はない、自分に期待することではじめて物事は可能になる』マイケル・ジョーダン
『勇気の季節』ロバート・B・パーカー
「概要」15歳のテリーは母親と二人暮らし。同い年のガールフレンド、アビーとの仲は良好なものの、なかなか大人の関係に進展しないのが悩ましい。テリーがアビー以外で目下夢中なのは、黒人トレーナー、ジョージに教わるボクシングだ。まだ始めたばかりだけれど、ジョージのように強くなることを夢見てトレーニングに励んでいる。そんなある日、テリーと同じハイスクールに通うジェイソンという少年が浜辺で死体となって見つかった。学校はそれをステロイドの乱用からくる自殺だと説明した。だが、おとなしくてスポーツもしないジェイソンがそんなものを使っていたとは信じられない。テリーとアビー、そして仲間たちは学校と町にはびこる陰謀を探りはじめた…スペンサー・シリーズの巨匠が少年のまなざしを通じて熱く温かく描く、愛と友情、そして勇気の物語。
父親のいない同じ男の子同士(テリーとジェイソン)の友情が事件の解決していく。父親がいないことでテリーは「強い男」以上に多くの人生哲学をボクシングのトレーナー、ジョージから学んだ。 それは「我慢強く、腹を据えること」、それにボクシングは喧嘩に強くなるためではなく「いざと言うときの防衛、誰かを守る為」と知った事だと思う。


兄弟姉妹の絆「思いやり」が救う『13番目の物語』(上下巻)

2021-05-24 07:53:00 | ミステリー小説から見えるもの
家族の絆、特に双子兄弟姉妹には人様には理解できない異様な結びつきがある。考え方、生き様など感情が双方同時に理解できる能力があるのだろうか。この小説はその双子姉妹の絆が看取るまで生き続けた素晴らしさを物語る複雑な家族構成を持ったミステリアスな小説だ。現代は一人っ子が多く兄弟愛など未知の世界かもしれないがやはり兄弟姉妹は多い方が生きる上で心強い。
現代、一人っ子が多く一人で遊ぶが当たり前になっている、ネットの世界でも、そうなるとどうしても対人関係にぎこちなさが出て来る。「思いやり」を知らない世代が結果寂しさが募ることになる。「人を思う」のは当たり前のことだが徐々に社会ができない環境を作っていることが残念だ。
『13番目の物語』(上巻・下巻)
「概略」古書店で本に埋もれて働く目立たない自称伝記作家に、一通の手紙が届く。差出人は、謎に包まれた有名女流作家。手紙は、伝記作家を磁石のようにひきつけて離さなかった。なぜなら、すべてを語るという。手紙に導かれた先は、作家が孤独に住むヨークシャーの屋敷。そこで語られはじめたのは、驚くべき未完の物語だった…。
『上巻』
・古本屋で見つけた父の貴重な初版本「変化と絶望にまつわる十三の物語」著作者ヴァイダ・ウインター、それには最後の章十三の物語が空白となっていた。
・古本屋の娘マーガレット、伝記作家は有名女流作家(自称・ヴァイダ・ウインター)から呼び出しを受けて作家ウインターの自叙伝を作ることを約束される。老齢のウインターの過去、特に家族は複雑な過去がありウインター自身にも火傷が残る辛い過去が付き纏っていた
・昔から大きな屋敷にはウインター(アデライン)の母イザベルと兄のチャーリー、叔父ジョージと叔母マティルドが暮らしていたがイザベルは出産後に叔母を亡くし、叔父もそのショックで亡くなった。イザベルが年頃になると隣のマーチと結婚、双子の姉妹(アデラインとエメライン)を産んだ。だが、マーチが亡くなりイザベルが実家に戻ってチャーリーと三人で暮らし始める。イザベルは子供の世話に興味がなく姉妹は自由奔放の我儘な生活ぶりを繰り返し教養が全くなく育った。叔母マティルドが亡くなると屋敷の家政婦、庭師など多くが去り屋敷は埃まみれの幽霊屋敷化となる。
知恵遅れの双子の姉妹へ家庭教師へスターが送り込まれ教育が始まる。だが、アデラインだけはいつまでの反抗的で喜怒哀楽が無く、何かが妨げていると判断される。やがて医師と家庭教師は姉妹を別居させてしばらく様子を見ることにした。だが変調がなくある日へスターが医師の家に向かう途中で姉妹を見たと医師の家へ直行する。それは幽霊ではないか、医師と家庭教師との淫乱が噂され、その日からへスターは失踪してしまった。その後姉妹が一緒に暮らすことに戻った屋敷は埃だらけで異臭など荒れ放題となり、叔父チャーリーがいつの間にか消えていた
『下巻』
マーガレットは焼き尽くされた昔の屋敷を探索するとそこにはここで生まれたと言う一人の男性がいた。それはウインターに「本当のことを教えて」と予ねてから尋ねて居たと言う男性だった。ウインターの話によると双子、実は三人の子供が住んでおりその一人がエメラインの子で父親は園芸を手伝っていた青年だった。実は喧嘩の絶えないエメラインとアディラインにもう一人幻の少女がおり、ある日アディラインは嫉妬から赤ん坊を火事で始末しようとした所で喧嘩となりもう一人の幻の少女が赤ん坊を救い出し一人暮らしの女性に託した幸いエメラインは顔に火傷を多い助かったがアディラインは亡くなった。ところがもう一人の少女がアディラインとして生き抜くき小説家として大成、最後までエメラインを看取ることにしたのだった。幻の少女は極秘に女中と庭師に育てられて館に潜んでいたのだ。


お金で活かされるとお金で苦しめられる『終わりなき負債』

2021-05-22 07:50:31 | ミステリー小説から見えるもの
金は人を狂わせる。ましてや生活費がカツカツであれば尚更。間の欲を抑え切れない脆さ、弱さが異様な行動を起こさせるのだ。それにお金は家族を幸福になると勘違いし家族内が疎遠関係となる。やはり、人は貪欲に成ると恐ろしさも忘れ、何でもできると勘違いしてしまうのだ。また、お金は家族の絆にも変化が起こることは予期しておくことだ。
『万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵にたて。その時はじめて新たなる風は必ず吹く』松下幸之助 -
『終わりなき負債』C.S. フォレスター
「概略」生活に追われる銀行員マーブル氏はある日、海外での事業に成功した甥の訪問を受ける。彼の財産に惑わされ、甥の金を詐取したマーブル氏は、その金で自分の理想とする生活を築き上げようとする
マーブル家の家計は火の海で銀行の口座にはごく僅かしか現金がない、借金まみれの生活を強いられていた。そこに海外で成功した甥の大金の入った財布を見た瞬間、その大金を奪い、甥を殺害し庭に埋める。やがて、大家から借家の更新を迫られる。
・引っ越しをして庭から死体を発見されるのを恐れ、なんとか大金を稼ごうと、為替相場で稼ごうと友人を誘うとたまたま大儲けをする。すると他の投資会社から予想以上の報酬での誘いがあり、銀行をやめることにする。
・一瞬にして大金と新たな会社での報酬を手にしたマーブルは、借家を買取、豪華な買い物をし出した。だが、家からは仕事以外離れず閉じこもり、酒だけの泥酔生活となる。そして二人の子供にも贅沢をさせようとより良い学校に入学させ、息子にはオートバイを買い与えた。だが、妻は貧相な暮らしに慣れていたせいもあり贅沢品は疎か生活を一気に変える事もできずじまい、すると夫の態度にも次第に愛のない生活が始まる
・ある日、夫は家族に長期の休暇で贅沢なホテルで過ごそうと提案するが本人は家から離れないと言い張り家に篭る。すると、近所の金の亡者の女性が近寄り、肉体関係を持つようになる。そこに休暇の途中戻ってきた息子が見てはいけない二人の姿を見て逃げるように去る。勢いよくスピードを出したことで事故を起こし呆気なく亡くなってしまう。
仕事をクビにされた夫の二人だけの生活が始まり、侘しく会話もなく、やがて妻が病気で倒れると夫は看病を一人ですることを医者に主張する。すると妻は夫の恋仲の女性からの手紙で妻への愛情がないことを悟り自殺を図る。それは明らかに夫が殺害容疑者として十分な証拠が残されていた。

二股恋愛で間違った行動は危険『ケイトが恐る全て』

2021-04-20 07:42:57 | ミステリー小説から見えるもの
女性の二股恋愛に激怒した2人の男性がちょっと驚かせようとした行動が殺害に繋がった、いわゆる「軽はずみが原因で~」が発端の事件だ。イタズラ(悪ふざけ)にも度合い、程度ものがあるがあまり刺激の強い行動は一生恨まれ、憎まれることは間違いない。さて二股恋愛の記事にこんなものがあった「婚活・賢い女性はやっている二股にならない「恋の同時進行」のやり方だ。 正にこの映画ではこの「してはいけない二股」をしてしまったのだ。
1、体の関係を持たない 2、同じ交友関係者と共にならない 
記事の詳細はこのサイトへ https://ure.pia.co.jp/articles/-/144579
『肝胆相照らす』心のこもった交際をする事
『ケイトが恐れる全て』ピーター・スワンソン
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住居を交換し、半年間ボストンのアパートで暮らすことにする。だが新居に到着した翌日、隣室の女性の死体が発見される。女性の友人と名乗る男や向かいの棟の住人は、彼女とコービンは恋人同士だが周囲には秘密にしていたといい、コービンはケイトに女性との関係を否定する。
ケイトはイギリスにいたとき異常なほどの嫉妬深い男に監禁状態にされたまま、遂に男は自殺すると言う事件に遭遇、それがトラウマとなり、ボストンに移り住み新たな人生を展開し始める。だが、引っ越した当日に隣の部屋の女性が無惨な姿で発見され、またもや異常な事件に巻き込まれる。ケイトは身を案じてコービンの部屋を探索し、情報を収集、するとビーコンと隣の女性関係がうっすら見えてきた。だが、コービンは何も関係がないとその女性との関係を打ち消すような態度をとった。
ロンドン留学でコービンと友人ヘンリーは、ある日付き合っている女性が二股をかけていると打ち明けられ、その仕返しに墓地に呼んで驚かせようとした。だが勢い余って女性が頭を打ったことで亡くなってしまい、そのまま遺体を墓地に埋葬した。その後ヘンリーはコービンの忠告を無視し、あくまでコービンとは仲間であり共犯者として更なる殺害に及んだ。
・コービンとヘンリーはその後ボストンに戻り仕事を開始したが、ヘンリーの悪習は止むことがなく、遂にはコービンが殺人犯であるかのように装い周知を徹底した。するとコービンがロンドンへの赴任の当日、コービンが親しくしていた隣の女性が殺害された
コービンはヘンリーの更なる殺害を止めるため、また従兄ケイトへの被害を止めるためボストンに戻るとヘンリーは既にケイトの住む部屋に隠れ住んでいた。やがて最後に事件につながる


浮気を静観、監視続ける裏の企み『悪意の糸』

2021-03-22 07:59:27 | ミステリー小説から見えるもの
浮気相手とその関係者を殺害し、夫と愛人を犯人にしようとする、事件は最後の最後まで誰が犯人なのか、どんでん返しのミステリー小説だ。浮気を承知で夫を静観しながら慎重に工作、愛人の女性と夫に偽装工作で犯人にしようと自らは病弱を装い殺害を企てた妻だ。 信頼すればするほど逆境に陥るとその反発は激しく、厳しいものを加えてしまう。人間の恨み辛みは想像を絶することも最近の殺戮事件(人体切断隠蔽など)を聞くとゾッとする。
『他人を幸福にするのは、香水をふりかけるようなものだ。ふりかけるとき、自分にも数滴はかかる』ユダヤのことわざ
『悪意の糸』マーガレット・ミラー
医師シャーロットの診療所にやって来た若い女。ヴァイオレットと名乗るその女性は、夫ではない男の子どもを妊娠したという。彼女の“頼み”を一度は断ったシャーロットだが、混乱しきった様子が気に掛かり、その晩、ヴァイオレットの住まいへと足を向けると他に類を見ないミステリに巻き込まれる
シャーロットは妻のある弁護士の男性ルイスと付き合いをしておりヴァイオレットの件を相談すると疑問を解くため改めてヴァイオレットの住む貧相な家を訪れるとそこに閉じ込められた女性と死体を発見する。そこには今まで住んでいた男性二人の姿が見当たらず警察の捜査が始まる。すると女性の話によるとヴァイオレットが殺され事で逃げた男性二人(一人はヴァイオレットの夫)を捜査する。 実は逃げた男二人はシャーロットの愛人関係を知っており一度金を要求していた。
・担当警察官イースターはヴァイオレットの姉からヴァイオレットの妊娠はルイスとの関係と断定、追跡する。ルイスの妻は神経衰弱的な病を理由にシャーロットを専属医師としてルイスとシャーロットの関係を知りながら夫とシャーロットに復讐を企んでいた。

咄嗟の嘘、隠蔽行動が真実と化す『黄昏の彼女たち』サラ・ウオーターズ(上下)

2021-03-04 07:42:06 | ミステリー小説から見えるもの
暴力を振るう夫に対し灰皿スタンドで止めた事で夫は死亡する。不可抗力、正当防衛として届けることなく妻とその同性愛者は隠蔽することを選んでしまう事件後のストーリーは罪の意識が捜査、裁判により、2転3転、最後まで心理判断と結末が読めないサスペンス小説だ。事故の隠蔽、そして嘘の証言、その事が一生涯、その事件に関し後悔を背負い、夢の中でも現生の中でも激しい葛藤に苦しむことになる。人は咄嗟の判断で間違いを犯す、だが、自衛心から自己保護を優先、時間経過と共に間違いを正すのを躊躇するようになり、それが唯一の判断だったと悟ようになる
『愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである』サン=テグジュペリ
『黄昏の彼女たち』(上巻)
第一次世界大戦で父と兄弟を喪い、母とふたりで生きていくため屋敷の部屋を貸すことにしたフランシス。下宿人になったのは、快活なレナードとおとなしいリリアンのバーバー夫妻だった。ひとつ屋根の下で暮らすうち、フランシスとリリアンには互いを想う感情が芽生えていく。そんな彼女たちの関係は、ある人物に死をもたらし、何人もの運命を思わぬ形で変えるのだった。時代に翻弄される女性たちを流麗に描く、傑作文芸ミステリ最新作
・バーバー夫妻の仲がこじれるにつれ、フランシスはリリアンと親しくなり、何でも話せる仲になる。ある時からフランシスはリリアンを女性というより恋人と意識するようになる。昔フランシスは女の友人と同性愛的な関係になり家族中を巻き込む不安をもたらした。フランシスはどちらかというとねちっこい男勝りのある性格で男性を恋仲にする性格ではなかった。
・やがて二人の中はレナードの隙を見て触れ合うようになり「愛」を昂らせ、フランシスは二人で一緒になりたいが為にリリアンに離婚を勧めた。だが、リリアンは先の不安を感じて一歩踏み出すことができなかった。
『黄昏の彼女たち』(下巻)
リリアンの妊娠という衝撃的な告白は、同性愛の仲に変化をもたらすなか、ある夜ついに悲劇は起きる。暴力を振るう夫を止めようと咄嗟の行動が人の死という結果をもたらした。
・その後二人の判断と選択行動は事故の隠蔽工作だった。夫を家の道端に放置し、家中の証拠を何事もなかったかのように焼失させ、綺麗に清掃することだった。
・事件後、警察が何度か聞き取り調査で、リリアンの夫は浮気をしており、友人リチャードが殺人容疑者として浮上、それとレナードは直前に保険金高額な500ポンド、受取人を妻リリアン一人にしていた
・レナードの浮気からその相手は別の男性と婚約をしており、レナードを一度襲った事が判明、婚約者の男性はまだ19歳、だが不良少年でさまざまないざこざ事件を起こす悪だった。 その男性が容疑者として逮捕、裁判となるがどの証言も男性が不利な証拠しかなく誰ものが有罪と確信していた。
最終裁判、陪審員からの判決は「無罪」、リリアンとフランシスはさまざまな葛藤の末、肩の荷が降りたかのようだったが、逆に一生警察、裁判所に出した嘘を背負って生きて行くことになった。


貪欲な人間が最後に見るものは『チャンス』

2021-02-13 07:48:20 | ミステリー小説から見えるもの
信頼関係はたとえ家族でも裏切られることがある。それは裏で大金が絡んだ時。この小説はギャングの勢力拡大に貪欲になり、大金(裏金の上前を刎ねる)から殺害事件を起こす。やがて仲間が信頼できなくなり、裏切りから崩壊するサスペンス小説だ。 人は目の前に「大金」が見えると周囲が見えなくなり、手にしようと最後には排除(仲間割れ)するようになる。貪欲な世界は人間を変えてしまう。(しっぺ返し)
『二兎を追う者は一兎をも得ず』とは、欲を出して同時に二つのことをうまくやろうとすると、結局はどちらも失敗することのたとえ。(政府の賭け:国民の健康が大切か? 経済か?)
『チャンス』ロバート・パーカー
ボストンの暗黒街を牛耳るギャング・ジュリアスの娘婿、アンソニーがとつぜん失踪し、捜索依頼が私立探偵スペンサーのもとに持ち込まれた。原因はギャング間のトラブルだろうか?スペンサーはホークと協力し、アンソニーに病的なまでの賭博癖があることを突き止める。彼がギャングの金を持ち逃げしたと読んだスペンサーは、行方を求めて巨大娯楽都市ラス・ヴェガスへ飛ぶ―欲望の街にとらわれた愚かな男たちにスペンサーの拳が炸裂する。
・ギャングのボスの娘は、アンソニーがラスベガスで金儲けで何か企んでいると知ると、一人出かけるが、何者かに殺害される。 アンソニーは運び屋として他のギャングと接触しており、その一つのギャングの女と連れ立って泊まっていた。
・スペンサーはジュリアスから依頼されアンソニーを連れ戻す役割だったが、娘が殺され、アンソニーも何処かへ雲隠れする。スペンサーはアンソニーに連れの女をロスに身を隠すために送ろうとしがロスへの飛行機には搭乗しておらず、女も雲隠れしてしまった。
・ボストンに戻ったスペンサーは何者かに襲撃される。 それはロシア人からの攻撃で、ボストンに新たに勢力拡大を狙ったマーティー(ギャングの一人)からの差し金だった。マーティーは当初アンソニーに分け前の上前を刎ねることを企みアンソニーの妻(シャーリー)と密接を図っており、アンソニーはマーティーの妻(ビビ)と浮気を重ね、大金を持ち出し逃げる計画を仕組んでいた。 が一人の裏切りがお互いの信頼を複雑化させることとなる。
・スペンサーは周りの複雑な人間関係からシャーリーを殺害した人物を割り出し、ビビを助けるべく行動を起こす。



貪欲になると裏切りは必ずあう『フェアウエルの殺人』

2021-02-12 07:52:31 | ミステリー小説から見えるもの
「フェアウエルの殺人」では遺産相続及び偽装工作から殺害事件を起こすミステリー短編小説。殺害をあくまでも昔の恨みから仲間が企て噂を広め、偽装工作で遺産相続を一手にしようとする複雑な企みだ。
王様家業」では国家を乗っ取るために資金を外国から調達、軍部が指揮権を握ることだった。だが、その為に内部の双方が仲間割れし命を奪い合い、ついに「漁夫の利」を勝ち取ったものがいた、というストーリーだ。「欲」は「貪欲」になると必ず仲間を裏切る、そして最後にはまた裏切られることになる、のが定番だ。現実社会で信頼関係は人間社会で生きていくにはとても重要だ。どれだけ信頼し、信用されるかで大きく人生が変わる、特に経営者ともなればそれは如実に現れる。
『正しい友人というものは、あなたが間違っているときに味方してくれる者のこと。正しいときには誰だって味方をしてくれるのだから』マーク・トウェイン 
『フェアウエルの殺人』ダシール・ハメット
「フェアウエルの殺人」娘婿の欲望から、娘(妻)の父の財産相続を自分のものにする為、昔の仲間を呼び、父への恨みの殺害などという噂を立てる。やがて父が殺害されるが噂の仲間はその前日にこの街を去っていると言う事実から真犯人を追求する。実際は婿が父親を殺害するが、あくまでも仲間の殺害動機で事件を混乱させることが企みだった。(遺産相続殺害)
「黒ずくめの女」資産家親子(父と娘)の仲違いから娘が偽装誘拐事件を起こし、男の友人と二人で身代金を要求した。父の性格を知った上での脅迫には不順があり、金の受け渡しに返送した衣装の黒衣装が市中で購入、それを宅配していたことから事件が解明される。(偽装誘拐事件)
「うろつくシャム人」シンガポールで三人仲間と宝石を盗み出すが仲間の一人が重症となり置き去り、二人、のちに夫婦は米国に逃げ込み家と映画館を購入するほど宝石を持っていた。数年後、その置き去りにした男が再び面前に現れ、分前を要求すると取っ組みの争いとなり男は持っていた拳銃で夫の足を狙うが持っていた刃物でもう一人に刺される。やがて男は負傷したまま探偵事務所に駆け込むが死亡してしまう。拳銃で打たれた夫の妻から経緯が解明される。(強盗横領殺人事件)
「新保安官」米国の田舎に未だ無法地帯(西部劇のような時代に逆戻りした田舎)が存在し、密輸・入国をしていた2つのグループがいた。そこは2年間で60件を超す犯罪で蔓延しており、そこに土地開発をしようとした企業が安全対策の為に私立探偵を保安官補佐として雇った。赴任して直ぐに一人の他殺死体が発見、翌日には賭博師が殺害された。だが、証拠は何一つ掴めず解決しなかったが、グループ同士のいざこざが始まり双方で殺し合いとなり最後に残ったボスらが真犯人だと断定した。それは一人目の殺害後、賭博・バーでの主人が珍しく床と天井を清掃していたことなど証拠を掴んでいた。(治安安定・無保地帯の安全・殺害事件)
「放火罪及び・・」ある住宅が火災となり、住人の一人が焼死した。放火ではないかと疑いが出て捜査を開始すると、どうも焼死した人物の正体が不明で保険金先として浮き上がったい人物がいた。(偽装放火殺害事件・保険金詐欺)
「夜の銃声」昔放漫な性格から事業に対して周りの多くから憎まれていた男主人が肺疾患になり寝込んだ。ある日、その主人を狙った銃撃が響き、捜査を開始するが証拠たるものが全く見つからなかった。やがて2発の銃声が起きた時にはその主人を看護する女性が狙われた。その後またもや看護婦の女性が狙われたが犯人を逮捕する。それは寝込んでいた主人が寝言で昔妻を殺したことを看護婦が聞いたのではないかと焦った殺人事件だった。(偽装病人による殺害容疑)
「王様家業」元王族の一人息子が母親に牛耳られ放浪の旅に出る。するとベオグラードから資金送金の依頼が、それも大金の3百万ドル。危険を感じた母親は探偵に誰かに騙されているのか、悪に巻き込まれたのか調査してほしいと依頼を受けてベオグラード入りする。やがて政権が不安定となりクーデターが起きようとしていた。その影にその息子の大金が新国家建設のための資金として大統領の秘書と、軍部の大佐が計画を練っていた。ところが大統領が暗殺され、指導権を両者が奪い取ろうともがき始める。横目で見ていた公安大臣が両者を成敗し、夢だった国王に着くことになる。



新薬ワクチンで一儲けする輩『パンデミックを阻止せよ』

2020-12-30 09:49:00 | ミステリー小説から見えるもの
さまざまな原因で感染する病原菌は人間にとって難解を投げかける。特に今回のコロナ感染のように変異種でたちまち変化し、感染数を一気に拡大させる感染は金儲けどころの話では無くなる。この小説では儲けに目のない巨大化した中国系企業の貪欲さから中国政府、中国軍を巻き込み、試薬ワクチンの人体実験まで手を染めるドギツイ金権主義・社会をあらわしている。過去中国から発生した感染は果たして中国政府が研究していたもの(故意的に漏洩、もしくは人体・動物実験漏洩)なのか疑問であるが人類にとって「見えない武器」となり「見えないテロ」と言っても過言ではない。 過去の感染終息はやはり「ロックダウン」だが、ワクチンに効果があっても全世界の人々に行き渡ることは不可能である。結果的に多くの犠牲を出し収束する事になるかも知れない。 歴史的なパンデミック記事を参考に(2020年6月2日このブログで投稿記事・世界的な「パンデミック」はいかに克服したか)を参照してほしい。
『パンデミックを阻止せよ』クライブ・カッスラー
中国の寒村で、かつてのSARSよりも感染力が強い新型インフルエンザが発生した。世界規模の蔓延を恐れた中国政府はアメリカに協力を要請。両国は早急にワクチンの開発に取り組むも、研究の中心人物であるケイン博士が行方不明に。捜査を始めたNUMAのオースチンは中国系の暗黒組織に目を付ける。感染爆発まで72時間と告げられた彼は大胆な賭けに出る
・金儲けに目がない中国国籍の巨大企業三合会(3人の兄弟経営者)、但し事業はゆすりや殺人、売春、麻薬、高利貸し、資金洗浄を行っており中国政府を感染病で転覆させようと巨大な利益を生む感染対策特効薬のワクチン事業に手を出し始めた。 
・優秀な科学者を金でかき集め集中的に研究させる目的で米国の海洋研究所を狙った。それはそのワクチンの要素が深海にいるクラゲの毒物を流用することを発見した為で、中国の貧困の村で人体実験を含めた行い始めた。培養は成長の早い藻を使う。
・研究所で働いていた研究員はそのまま海洋に浮かんだ研究室で強大な元ロシアの潜水艦で牽引され太平洋の珊瑚礁沖に隠された。そこは昔捕鯨船で病人が出たが治療され治ったという記憶の場所で、原料となる特殊なクラゲ、フルー・メドウサーが生息している場所だった。
・三合会は他に知られることを恐れて関係者を次々に殺害していく。それを阻止するてめに海軍と協力したオースチンたちが深海に引きづられた研究所を見つけ世界的に感染が広まる前に解決していく。