血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

トゥザグローリー

2010-04-27 17:31:08 | 07年生
トゥザグローリー(キングカメハメハ×トゥザヴィクトリー-サンデーサイレンス)牡・07生

主:7 結:5 土:4 弱:5 影:2 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:3
合計:37点 クラス:3B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 トゥザグローリーの血統を強力にリードしているのは、Nureyev4×3である。このNureyevは途中Nearcticが断絶するものの、Northern Dancer5・5×4とクロスさせ、ほぼ系列ぐるみのクロスを形成。やや近親度が強くなっているものの有効に作用している(父方7代目Northern Dancerは世代ズレと判定しクロスとカウントしていない)。

 このNorthern Dancerは、Almahmoud・Native Dancerとクロスさせたうえに、Nureyevの影響やNasrullahの影響をうけスピード型へと能力をシフトさせていると考えられる。

 また、結合力自体は主導たるNureyevが3代目からクロスする為に悪くは無いものの、近親度の強さを考慮すると平均的だと言えるだろう。反面、土台構造は強固だと言え、Pharos(=Fairway)が18ヶ、Gainsboroughが15ヶと世代が新しい配合の中ではかなりのレベルを確保している。

 惜しむらくはスタミナの核の欠如で、距離延長は本質的に不利なタイプだが、生かされたスピード勢力はNureyevへと効率よく補給されているのは見て取ることができ、日本向きのスピード配合だと言えるだろう。

 また、前述の世代の問題や、極端では無いものの、影響度バランスの悪さ(8-2-4-11)や近親度の高さから調整には難しさを伴うタイプだと考えられる。

 全体としてみると、決して悪い血統では無いものの、母トゥザヴィクトリーの血統的優秀性(1A)やその戦績を背景にした良血期待に応えるには、やや物足りなさは残るか。

パルラメンターレ

2010-04-27 15:13:21 | 07年生
パルラメンターレ(Empire Maker×Knight Prospector-Native Prospector)牡・07生

主:7 結:6 土:2 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:5 ST:3
合計:35点 クラス:3B 芝:6~9F ダ:5~9F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:ダート 重馬場適性:○

 パルラメンタールの主導はMr.Prospector4×3。他に前面でクロスする血統も無く、Mr.Prospectorは単一クロスであるものの、Nasrullah・Native Dancerと影響の強い血統を内包している為、見た目よりも強力に血統をリードしている。

 さらに、血統全体で米系が強く、主導たるMr.Prospectorがそれらを纏める為にかなり有効に働いている。惜しむらくは、血統を構成する血の質が低いことと、上質のスタミナの核を欠く事だが、ことスピード面に関しては、快速馬として名を馳せたMr.Prospectorを良く再現している。

 また、自身の土台構造を形成しているのも、米系統であるBull Dog(=Sir Gallahad・Marguerite de Valois)であるのも非常に目を引く点である(しかし、全体で14ヶとやや物足りないのが惜しまれる)。

 従って、ダート短距離というカテゴリーでは、見るべき点が多い血統構成であり、系列クロスが少ない為に、よりいっそうダート向きだと言えるだろう。脆さも同居する血統であるものの、動向には注目してみたい。

ヴィクトワールピサ(皐月賞)

2010-04-27 14:07:07 | 2010年GⅠ勝ち馬
ヴィクトワールピサ(ネオユニヴァース×ホワイトウォーターアフェア-Machiavellian)牡・07生

主:7 結:6 土:2 弱:5 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:4
合計:38点 クラス:1A 芝:8~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 ヴィクトワールピサは血統の前面で、Halo3×4を形成した配合馬。このHaloは系列クロスを形成する、Almahmoud5×6・6を内包し極めて強力とは言い難いものの、血統全体をリードし主導としての機能をはたしている。

 また、主導たるHaloが3代目からクロスしているため、近親度の強さを考慮しても結合面に対する評価は悪くは無い。しかしながら土台構造はBlandford・Gainsboroughが形成するものの、やや散漫で惜しまれる点である。

 更に、大きな弱点や欠陥は無い配合で、影響度バランスも(8-3-9-3)と安定感のある配合だと言えるが、やはり近親度の強さが気にはなる点であり、突然の不調や故障には通常以上の配慮を要するタイプだと言える。

 しかしながら、生かされたスピード・スタミナ勢力は中々に強靭で、HaloへとAlmahmoud・Nasrullahをはじめ、Fair Trial・Tetratemaがスピードを、Crepello・Hyperionがスタミナを補給している。ややスタミナ勢力に比較してスピード勢力が強い為、距離延長といった点では不安が残るものの、ペース次第では12Fを克服することは可能。

 日本向きの中距離馬といった趣がある配合だと言え、決して成長力の高い配合だとは言い難いものの、血統構成自体は優秀でクラシックでの活躍を期待したい配合馬。