血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

スーパークリーク×マルシゲターナ

2010-09-22 11:42:51 | 仮想配合
(スーパークリーク×マルシゲターナ-ターナボス)-・-生

主:7 結:7 土:2 弱:3 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:5
合計:35点 クラス:3B 芝:9~15F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (7)

 主導は、Hornbeam4×5の系列クロス及び、Dante(=Sayajirao)4×6の連合勢力。両者の影響はほぼ均衡している為、一見かなり不明瞭に見えるが、6~7代目において豊富に存在する、Nearco~Pharos(=Fairway)・Nogara等のクロスにより非常に強固な連動体制を構築している。更にこの両者は父母であるナイスデイを圧倒的に強調している。従って、この両者を連合勢力と判断した。ただし、全体的に見た場合やや良いといった程度の評価で、極めて強力にといかなかったのは惜しまれる点である。

○ 結合   (7)

 主導たる、Hornbeam・Dante(=Sayajirao)と6代目までに存在するクロスである、NasrullahはHornbeamに含まれ、NearcoによってDante(=Sayajirao)と直接結合している。BrantomeはBlandfordによってHornbeamと、Dante(=Sayajirao)とはCanterbury Pilgrimを通じ結合を完了している。また7代目以降のクロスも非常に連動性が高い。ひとたび、Hornbeamもしくは、Dante(=Sayajirao)が目覚めた場合、上記のクロス馬達も自動的に連動する体制が整っている。父スーパークリークも結合力が非常に強固な配合であったが、この配合は父とも形態が異なるものの、非常に優秀だと言える。

○ 土台   (2)

 父の土台構造を形成していたSt.Simonが、この配合では10代目以降に後退したため、自身の土台構造は、Pharos(=Fairway)が15ヶで形成している。この状態はかなり貧弱だと言え、サポートもGainsboroughが9ヶとかなり寂しい状況となっている。

○ 弱点   (3)

 父方ノーアテンション内、Flaming Pageに弱点を(実際には9代目にPhalarisが存在する為ほぼノーカウント)、Sly Pola内に欠陥を生じている。ただし非常に影響が少ない部分である為、その欠陥も若干軽微だと考えられる。また、母方Denturius内は8代目までにクロスが存在しないが、9代目においてHamptonをクロスさせている。同様にBubbles内も9代目にSt.Simonを配し、主導と直接結合している為、大きな欠陥と判断していない。ある意味においては絶妙なバランスだと言え、言葉を変えれば幸運だと言えるだろうか。

○ 影響   (2)

 影響度バランスは、(1-17-4-5)と圧倒的に父方ナイスデイを強調している。非常にバランスが悪いのは異論を挟む余地は無いが、強調されたナイスデイ内は主導勢力が含まれ、生かし方も非常に良いのは幸運だと言えるだろうか。

○ 質[近]  (2)

 父スーパークリーク、母マルシゲターナ共に決して血の質が高いとは言い難い。ただし、3代目までに並ぶ血統の中にはBlakeney・インターメゾ等底力に通じるような質の高い血も含まれている。ややアンバランスだが、決して悪くもない。

○ 質[遠]  (4)

 主導たる、Hornbeam・Dante(=Sayajirao)は非常に血の質が高く、血統を構成する背骨にあたるクロスは優秀だと言える。また、Bahram等生かされた血の質も全体的に見ると高いレベルにあると考えられる。総合的に見ると優秀な部類に入るだろうか。

○ スピード (3)

 Grey Sovereign内及び、Princely Gift内Nasrullahを中核にスピードを補給した配合。父スーパークリークのスピード源となったGrand Paradeの欠落は惜しまれるが、父の配合時に眠っていたTetratemaが生かされている。その7~8代目において4連あるTetratemaが決め手を補給し、引き出しに成功すれば決め手するどい差し脚を発揮できるだろう(Tetratemaはその父The Tetrarchを通じ確実に補給されている)。

○ スタミナ (5)

 主導たるHornbeam、Dante(=Sayajirao)が中核となる配合。本来Nasrullahが生きたHornbeamは、若干スピードよりにシフトしていると考えられるが当馬の場合、NasrullahへとBrantomeがスタミナを補給している為、本来のスタミナとして機能していると考えられる。また、Blue Peterが更にスタミナを補給し、7代目以降においても、Son-in-Law・Bay Ronald等スタミナ優位。母のスタミナ源であった、Djebel~Tourbillonが欠落したのは惜しまれるが、全体的には優秀な部類に入るだろう。


 総合的に見ると、バランスの悪さは否めない配合形態だと考えられる。いくつか存在する弱点・欠陥は安定感や距離延長の適性にマイナスの修整を示すだろうし、土台構造の散漫さ、影響度バランスの悪さなど、決して超一流の血統構成ではない。
 しかしながら、血の流れなどには見るべき点もある内容で、仕上がった際の破壊力といったものは十分感じられる内容となっている。決して連戦連勝といったタイプではないが、面白い内容となっているのではないだろうか。また、父の持つスタミナ要素を完全ではないものの上手く生かした血統で、時代の流れに逆らうかのうようなステイヤータイプの血統構成となっている。こういったスタミナ優位の血統を遺せる日本競馬であって欲しいと願う。


コメントを投稿