空間設計堂blog(ブログ)

新潟県上越市大潟区の建築設計事務所のブログです。

建基法改正。とうとう私も困ったことに。確認下りて、いちおう最終章

2007-10-30 11:50:07 | 建築関係
やっと確認がおりました。6月20日に建築基準法が改正されてから当事務所の業務では初です。
いわゆる高床式の3階建木造住宅だったのですが、確認が下りるまで紆余曲折がありました。

以前からもブログネタでところどころ紹介していましたが
とにかく今回の改正は見切り発車的な要素が多いため
なにをすれば良いかが読めなく、大変苦しみました。
改正に関する新しい情報がはいる度にそれに合わせて図面に手を加えたり、修正したりといった具合で
先の見えない作業がしばらく続いた感じでした。

構造計算が必要な物件だったため、構造設計者さんと協働で事を進めたのですが
構造関係の書類が改正により多くなり、その作業量は以前の2~3倍くらいになっていると思います。
構造設計者さん1人では手が回らないため
構造関係で必要な図面などを意匠の私が指示を頂きながら作成しないといけないような状況でした。
(でも結局は工期スケジュールは遅れに遅れ冬前に基礎のみ、春に工事再開という段取りになってしまいました...)

今回の住宅は改正前なら3週間程で確認されていた規模のものです。
それが一度は受付てもらえず(理由は以前のブログ記事 ‘建基法改正。とうとう私も困ったことに。’をご参照ください。)
約3週間程かけて設計を改めたあと
受付してもらってから確認できない旨の連絡が来るまで1ヶ月かかり
追加書類(多くは構造関係の表現の仕方によるもの)を揃えて、昨日付けで確認が下りるまで3週間と
いろいろ合計すると約2ヶ月半程かかってしまいました。

でも、まだこれ位で確認がおりただけ良かったかもしれません。私がこの業務を請け負った工務店さんでは他に同じような木造3階建住宅の工事のみに携わるそうなのですが、そちらは我々より先に受付してもらっているのにも関わらず、まだ下りてこないそうです。

以前に比べ2倍も3倍も時間が掛かっているのにも関わらず、今回の設計業務ではそれに見合った報酬は頂けません。
すでに工務店さんは施主さんと契約済みで、改正による業務の追加分は見込まれていなかったのです。(工事スケジュールも遅れて、お施主さんにも迷惑がかかっていることから強く追加も言えないようです。)
その辺の事情はわかっていたし、今後も長いお付き合いをさせて頂く工務店さんなので
正直、こちらは死活問題なのですが、今回は高い授業料を払ったつもりで我慢です。

今回の改正の混乱では私も大損していますが、社会全体にも経済活動を停滞させ、業務を辞めたりする審査機関があったり、つぶれる設計事務所が出てきたりといろいろな波紋をよんでいます。→kenplatzのニュース参照
このような状況を早く収束させるよう、賢いお上には頑張ってもらいたいところです。
コメント
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