ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

4月14日環境省交渉②~やんばるの森を真の世界自然遺産に

2023年04月19日 | ジュゴンブログ
昨年11月交渉で「19年度版の自然及び文化資源の統合管理計画」の公表を求めました。
やんばる森にある米軍の北部訓練所内の希少種の実態を確認するうえで重要な資料だからです。
日米管理基準では日本政府に提出しなければならないもので、「14年度版」は公表しています。
伊波洋一議員をはじめ厳しい追及の結果、交渉後に「統合管理計画」は提出されました

今回の交渉では、
提出された「19年度版統合管理計画」を世界遺産センターに提出することを求めました
やんばるの森を真の世界自然遺産にするために必要な資料だからです。

環境省は当初「予定はない」などと躊躇しましたが、
世界自然遺産に申請する際に、
米軍からの文書「北部訓練場の自然環境保全に関する米軍との協力」が提出されていること、
14年度版統合管理計画」を使って世界自然遺産を申請していることなどを説明すると、
提出することを了解しました。

また、米軍の演習による自然環境への影響について調査すること。
世界遺産センターやIUCN(国際自然保護連合)に報告すること。

19年「北部訓練場の自然環境保全に関する米軍との協力」文書の全文公開について
外務省が反対している理由を明らかにすること。
 以上を再質問で追及することにしました。

 ジュゴンの保護者より 

4月14日政府交渉(環境省①)~大浦湾を海洋保護区に

2023年04月19日 | ジュゴンブログ
昨年12月、生物多様性条約COP15は昆明・モントリオール生物多様性世界枠組みを採択しました。

  (出所:Science Portal)
とりわけ
2030年までに生物多様性の損失をくい止め、回復傾向に向かわせるために、
保護区として確保すべき最低ラインである30%の陸域・内陸水域・海域を目標にする」
との重要な指標を明らかにしました。また、生物多様性の保持の観点から「重要な地域の損失をほぼゼロにする」を盛り込みました。
これを「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」と呼んでいます。

これをふまえて、3月31日に日本政府は「生物多様性国家戦略」を決定しました。

生物多様性条約政府間会議の取り組みに先駆けて市民社会では、
地球上の重要な海域147か所をHope Spotを認定し、保護活動を促進してきました。
名護市東海岸(辺野古大浦湾一帯)が2019年に日本で初めて認定されました。
2019年9月には沖縄県主催で「Hope Spotシンポジウム」が開催されました。
(参照)日本自然保護協会

このような重要な局面下で、
「絶滅危惧種を含む5334種の生物が確認されている大浦湾を海洋保護区の対象に」することを
環境省に求めました。

              (SDCCリーフレット)

今年2月、「生物多様性国家戦略」策定に向けたパブリックコメントに
私たちも意見を出しました。
生物多様性条約COP15をふまえて「生物多様性の観点から重要度の高い海域」を対象にすべきであると。
すでに「海洋生物多様性保全戦略」(環境省2011年3月)をふまえて決定された沿岸域270カ所があるからです。
その沿岸域に沖縄中部・北部(14802)、すなわち大浦湾などが挙げられています。

しかし、環境省は「利害関係者との調整をふまえて検討する。一律は現実的ではない」(「意見募集の結果について」p14 意見84へのコメント)と受け入れていません。

そこで、交渉では、
     ①「利害関係者との調整の判断基準」を明らかにすること
     ②「生物多様性を重視する」とのCOP15の決定をどのように受け止めているのか
     ③絶滅危惧種を含む5334種の生物が確認されている大浦湾をどのように評価しているのか

 と追及しましたが、
環境省はまともな回答ができませんでした。

 再質問で追及します。

 ジュゴンの保護者より