金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

殿ヶ谷戸庭園の秋

2010年11月27日 | うんちく・小ネタ

昨日(26日)午後ワイフと国分寺駅前の殿ヶ谷戸庭園で紅葉を見た。殿ヶ谷戸庭園は岩崎家により整備された回遊式庭園でササッと回れば20分もあれば見ることができる。入園料は150円だ。

公園入口から逆時計回りに回ると最初に「萩のトンネル」と呼ばれる通路があるが、萩の木はなかった。花の季節が終わったので切られたのだろうか?

Haginomichi

紅葉も美しいが赤い実もきれいだ。ただし木の名前は分からない。図鑑を見るとクロガネモチのような気もするが・・・・(植物リテラシーはゼロですね)

Kinomi

庭園のアクセントは池だ。ハケ(段丘崖)の水が流れこみ池となっている。

Ike

あずまやの手水鉢にカエデの葉が浮かんでいた。

Hachi

雪は降らないと思うが雪吊りをした松。ホワイトバランスをAUTOで撮ると紅葉の鮮やかさが物足りない。

Moe

ホワイトバランスを6000k(曇)にする赤が鮮やかになった。

6000k

殿ヶ谷戸庭園は中央線沿線では一番手軽に紅葉を楽しめるところだ。

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日本株、予想はポジティブになったが、世界デフレリスクは残る

2010年11月26日 | 株式

アイルランドや北朝鮮の問題があったものの、日経平均は1万円を割らずに頑張っている。日本株は今月に入ってかなり順調だ。ファイナンシャル・タイムズはその背景と今後の見通しについて業界筋の情報を紹介している。

最近の日本の株高は米連銀の金融緩和政策の影響と近時少し円安に振れていることによる。また日銀によるETFとREIT購入も市場の下支えだ。

また企業業績も好調だ。モルガンスタンレーMUFG証券は6割の会社が今年度の業績を引き上げ見直しを行っていると推定している。それにより一株当り利益は向こう2年間で各年15%から20%上昇する可能性がある。なお同証券は成長率はまだ株価に織り込まれていないと述べている。

同証券のチーフストラテジストKinmont氏は「市場はこのところの上昇の後、一休みをして、再び上昇に向かう。企業収益は予想よりも好調で上昇相場を助けたが、まだ完全に消化されていない」と述べている。

もっとも多くの投資家が日本株を避けていた理由~人口の高齢化、鈍い国内成長率、構造改革に対する政治的意思の欠如、持続的なデフレなど~はなんら解決していない。インベスコの日本株マネージャーRoberts氏は「日本株に対する未解決の嫌悪感がある」と述べる。

その一例は米連銀の第二弾目の金融緩和を予測して米国のS&P500は9月、10月とラリーを続けたが、日本株は11月に入って漸く上昇しはじめた。

Roberts氏は日本株は相対的に割安だと信じている投資家・ストラテジストの一人だ。モルガンスタンレーMUFG証券によると、TOPIXの季節調整後のPERは13.2倍でMSCI欧州の13.9倍、S&P500の20.2倍やアジア株(除く日本)の21.5倍よりも低い。

また野村證券は増配と自社株買いが市場をサポートすると述べる。野村證券によると今年度(3月期)配当は約3分の1増加し、自社株買いは58%増加すると予想している。

アナリスト達は上海株の不調などから投資マネーが日本に流れ込んでいることもプラス要因だと見ている。

モルガンスタンレーMUFGのKInmont氏は「実際のところエマージング市場に悪い状況は日本株には良い状況ということだ。世界は発展途上国をオーバーウエイトするために、先進国をアンダーウエイトしていないかどうか証明することはできないがその可能性を疑っている。特に発展途上国をオーバーウエイトするため、日本株をアンダーウエイトしている可能性が高い」と述べる。

だが既に述べたような日本株を取り巻く重荷が予測可能な将来に消滅する見込みはない。日本経済の分析に定評のあるピーター・タスカ氏はこれを「金融および知的資本の日本からの巨大な逃避」と呼ぶ。

その結果日本株の個別銘柄をカバーするアナリストが減少し、市場の非効率性が高まっている。逆の言い方をすると、個別銘柄に投資する投資家にとって「割安な株を見つけ出す」可能性があるということになる。(ご承知のように「効率的市場仮説」は高度に効率的な市場では、市場参加者は瞬時に情報を共有するので、個々の投資家は掘り出し物を見つけることはできないと述べる)

あすかコーポレートアドバイザリーの中神社長は過去10年間で、TOPIX全体では時価が3分の1以上減少したが、41%の会社の株はプラスのリターンを上げていると計算している。中神氏は株価が上昇した会社は「ユニークな競争力」と「独立心を持った経営」を持つ傾向があると述べている。同氏は特に中小型株の中に「隠れた宝石」があると述べている。

だが「日本株の主なリスクは世界のデフレだ」「もし世界がインフレになると日本は最良の投資対象の一つになるが、もしそうならずに世界がデフレにはまり込むと日本はデフレから抜け出すことは決してできないだろう」というタスカ氏の警告で記事は終わっている。

☆  ☆  ☆

日本株市場が非効率な市場だという分析が正しいとすると、日本株についてはパッシブ運用は非効率的な運用ということになる(少なくとも運用資産がそれ程多くない個人投資家にとって)。

日本株投資におけるパッシブ・アクティブ運用の比率を考える上で留意しておくべき点だろう。

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北朝鮮の軍事力は?(CNNのレポートから)

2010年11月25日 | 国際・政治

一昨日韓国の延坪島を突然砲撃して、世界を驚かせた北朝鮮だが、多くの専門家は事態が拡大する可能性は低いと見ている(もっとも菅首相は自民党の小野寺氏の質問に対して「状況によっては朝鮮戦争を勃発しかねない極めて重大な案件だと考えた」と答えているが)。

専門家が北朝鮮の武力行使がこれ以上エスカレートしないと見ている理由は、北朝鮮は本気で南北朝鮮が衝突すると勝ち目がないと判断しているからである。つまり米韓が本気で北朝鮮に報復攻撃を行わない範囲で計画的に挑発しているという訳だ。朝鮮日報によると北朝鮮側は入念に計画の上、曲射砲での砲撃を実行した(直射砲では山陰になる延坪島南部を射撃できなかった)。

ところで気になる北朝鮮の戦力。CNNレポートは次のように報じる。タイトルは「北朝鮮の通常兵器は古くて時代遅れだが、軽視するべきではない」

去る10月10日朝鮮労働党65周年の軍事パレードで、軍事アナリストの目を引いたのは、射程距離3千km-4千kmと予想される車搭載型の弾道ミサイルと新型ノドンミサイルだった。このミサイルとイランのShahabミサイルとデザインが似ており、両国の軍事的共同関係が推測される。

核兵器と弾道ミサイルは、老朽化した通常兵器をカバーし、交渉力の切り札となっているが、通常兵器についても軽視するべきではない(単にその規模が大きいだけにせよ)とCNNは警告する。

韓国のアナリストによると、北朝鮮は02年から08年にかけてなけなしの外貨をかき集めて65百万ドル相当の武器を中国、ロシア、東欧から購入した。一例として北朝鮮は中国からZM-87という対人レーザー兵器を買ったと思われるとCNNは報じている。

このZM-87は1995年の国連条約で禁止され、2000年以降生産されていないというから、中国は「不用品」(軍事的には威力はあるだろうが)を北朝鮮に売ったのかもしれない。

だが大部分の北朝鮮の武器は、中国やロシアの武器をモデルにした国産品だ。たとえば、ロシアのT-62戦車をモデルしたPokpoongという戦車を作っているが、米国の最新型戦車への対抗力はない。

北朝鮮軍の弱点は継続的なコンピュータ不足によるハイテク兵器の欠如である。

例えば韓国は弾道ミサイル迎撃可能なイージス艦を3隻建造している。イージス艦は一隻10億ドルである。北朝鮮は400隻以上の戦闘艦を持っていると推定されるが、質の面では韓国海軍に対抗できないだろう。

航空戦力においても北朝鮮の戦闘機は旧ソ連の老朽化したミグ戦闘機(一部新型のミグ29あり)で、韓国軍のF15戦闘機や米軍のF16戦闘機に太刀打ちすることはできない。また専門家の分析では、燃料不足と燃料不足からくる戦闘機パイロットの訓練不足(年間25時間の飛行訓練)という話。

陸軍も同じ状況で、兵隊の数は韓国の倍以上の100万人(予備兵は7百万人)だが、燃料と砲弾不足から訓練不足である。

以上のような状況から、北朝鮮が韓国に全面的な攻撃を仕掛けると予想する専門家はほとんどいない。なぜなら米韓軍に反撃され、その結果金政権の崩壊につながると予想されるからだ。

また実際的な問題として、韓国側は国境線からの道路に障害物を設置しているので田んぼが凍結する冬季以外は戦車による進攻は困難だろうと言われている。

☆  ☆  ☆

このように分析すると経済基盤が弱い北朝鮮が全面的な戦争を起こすのは無理な話。北朝鮮の軍事予算について米国防省はGDPの25%と推定している。GDPは278億ドルと推定されるから軍事費は70億ドル。韓国の軍事費は225億ドル。これでは戦争にならない。

従って北朝鮮は「本格的報復を受けない程度で挑発を繰り返す」のである。また米韓とも金政権が転覆し、北朝鮮が崩壊すると手に負えないので程ほどの反撃をする・・・

というのが当面の情勢だろうか?

だがこの危ういゲームの暗黙のルールを踏み外す可能性もゼロではない・・・ところがリスクだ。

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北朝鮮の韓国砲撃は内部崩壊の兆候か?

2010年11月24日 | 国際・政治

昨日の北朝鮮の延坪島砲撃の狙いについて、内外メディアは主に二つの可能性を指摘している。一つはウラン濃縮装置の公開と合わせて、北朝鮮の武力行使能力を誇示することで、米国との二国間協議に漕ぎ付け経済援助を引出そうとしているという可能性。もう一つは金正恩への権力継承のための体制固めの可能性。なお少数ながら現地部隊の暴発という見方もある。

ファイナンシャルタイムズは、The Center for a New American Securityのシニア・フェローRobert Kaplan氏のAttacks that maysignal a Pyongyang improsionという寄稿を紹介していた。Kaplan氏の説は「体制固め説」に近いと思われるが、注目するべきは北朝鮮の内部崩壊の兆候ではないか?と指摘している点だ。だがより注目するべきは、北朝鮮の崩壊が東アジアの相対的に安定していた安全保障環境が変化するだろうという指摘だ。

我々に必要なことは「原因の究明よりも具体的な対応策」なのだろう。釈尊に「毒矢の教え」という説話がある。それによると「毒矢を射られた人はその矢が誰により射られたものかを詮索するよりまず毒矢を抜いて処置をしなければならない」と釈尊は教えられた。我々はまず毒矢を避けることを考え、また万一毒矢に当たることを視野にいれその時の処置を考える必要がある。

さてKaplan氏の寄稿に話を戻すと、北朝鮮は核開発、春の韓国護衛艦の雷撃、今回の砲撃などを通じて、新しいリーダーとしての金正恩の信任固めを図っている。これは私の表現だが、北朝鮮は戦時体制という自転車に乗っている国だ。走り続けることでのみ政権を保ちうる。

ところがKaplan氏によると、若い金正恩の地位継承を進めているのが金正日の義弟のJang Song-taek張成沢と正日の妹のKim Kyong-huiである。今まで金正日一極体制だったが、北朝鮮史上初めて多極体制になりつつある。

そこで信任固めのため軍事的行動が目立っているが、Kaplan氏はこれを金政権がひどく困難な状態にある兆候ではないかと分析する。

金政権が崩壊するとどうなるか?北朝鮮の23百万人が難民となり、国際的に(実質的には米中韓で)保護されることになるだろう。Kaplan氏は概念的には金政権の交替は歓迎するべきことながら、イラクの先例から独裁政権でも無政府状態よりはましだということを思いおこすべきだと述べる。

最後にKaplan氏は金政権の崩壊は、中国の台頭とともに、アジアの不安定要因になり、日本からオーストラリアにいたる総ての国の軍事的負担を増すだろうし、米中関係の新たな試金石になると結んでいる。

☆   ☆   ☆

北朝鮮の崩壊は時間の問題と考えて真剣に対策を講じる必要があるのだろう。何とかなる・・・というのは希望的観測以外の何ものでもないだろうと改めて感じた次第である。

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砲撃映像を速やかに公開した韓国、日本への影響は?

2010年11月24日 | 社会・経済

昨日(11月23日)スポーツジムから戻り、テレビでサッカーの試合を見ていた時「北朝鮮が韓国の延坪島(ヨンピョンド)を砲撃」というテロップが流れた。その後前から予定していた映画(藤沢周平の「花のあと」)を見るため外出し、8時頃帰宅してテレビを観ると砲撃映像が流れていた。

従って正確に何時砲撃映像がメディアに流されたかは知らないが、韓国が北朝鮮の攻撃を速やかにリリースしたことは確かだ。

この姿勢は尖閣諸島における中国漁船の海上保安庁の巡視船に対する「攻撃」映像を国民の眼から隠し続ける菅政権と鮮やかな対比をなす。

記録映像を速やかに公開して世界の世論を味方につけるのが、武力行使に寄らない唯一の反撃なのだ。菅政権は対応を誤ったといわざるを得ない。

緊張が高まっている数日間は、野党側が仙石官房長官等に対する問責決議を足踏みするだろうが、少し落ち着いてくると、日本政府の対応の拙さが争点になることは間違いないだろう。

ところで菅首相は「北朝鮮の砲撃」をメディアを見た補佐官の連絡で知ったと話ていた。かなり重要な事件だから韓国政府から直接連絡があったのだろうと思っていたが、そうではなかったようだ。このあたりも安全保障上の問題だと思うが・・・・

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