金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

時間と場所を有意義に使うWiMAXパソコン

2010年11月23日 | デジタル・インターネット

11月19日金曜日午後、JR有楽町駅前で行われた”WiMAX内蔵パソコン体験イベント”に参加した。これは「いつでもどこでもインターネットに接続できる高速ワイヤレス通信・WiMAXパソコンの快適さを体験しようというものだ。

ステージではインテルhttp://www.intel.com/jp/go/wimaxpc/

の宗像副社長とUQコミュニケーションズの野坂社長とフリーアナウンサーの久保純子さんによるトークショーが行われた。

1290147559304 

お仕事や育児に忙しい久保さんはパソコンを立ち上げ、インターネットに接続する時間ももったいないという。その点WiMAXパソコンは立ち上げると同時にインターネットに接続するから非常に素早く快適だ。

Kubo

久保さんが実際にパソコンを一旦シャットダウンし、また起動し(パソコンのフタを開くと自動的に起動する )インターネットに接続するところデモしてくれたが確かに早い。

トークセッションの後僕も会場のWiMAXパソコンで起動とインターネット接続を体験したが、立ち上がりが早い上、画面の切り替わりもスムーズでストレスがない。UQ WiMAXは、下り最大40Mbps、上り10Mbpsの高速通信だからだ。

写真は僕が使ったデモ機だ。デモ機を使ってWiMAXの接続エリアを調べてみた。WiMAXは

1290147712984_2  公衆無線LANのようにアクセスポイントを探す必要がなく、サービスエリア内であればどこからでも接続することができる。

僕の自宅(西東京市)はサービスエリアに入っていた。サービスエリアはこちらのサイトで調べることができる。http://setsuzoku.nifty.com/wimax/area.htm

東京の場合全域が接続エリアと思われる。

僕は体験イベントに参加した後、WiMAXパソコンが欲しくなりはじめている。WiMAXパソコンの使い方は幾つかあるが、一つは朝起きてさっとニュースや天気予報を見たい時だ。僕はブログで海外メディアの注目記事を取り上げているし、株式投資も行っている。海外市場で大きな動きが予想される時はストレスのないインターネット接続環境が欲しいと痛感する。

趣味の世界では山の仲間との登山計画作成に便利だろうと考えている。

山の計画を作る時、喫茶店などで集まって意見を交換するが、インターネットに接続するパソコンがあれば列車やバスの時刻を調べたり上で大変便利だ。今は携帯電話やスマートフォンを使っているが、画面の大きなパソコンの方が便利そうだ。また地図ソフトのカシミールを使うと、インターネットで2万5千分の1の地形図を呼び出すこともできる。

登山の後の反省会でもWiMAXは活用できそうだ。例えば沢山の写真の閲覧にグーグルのピカサと組み合わせて活用することができる。ピカサは一種のクラウドコンピューティングで、僕らが預けた写真をどこでも取り出せるサービスだ。これを使うとパソコンのハードディスクを軽くすることができるので、軽快な操作を楽しむことができる。

WiMAXパソコンとクラウドコンピューティングの組み合わせは色々応用ができそうだ。

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年金問題を「積み立て方式」で考えてみた

2010年11月22日 | 社会・経済

ブログの読者のnoutoriさんから「年金問題は『積み立て方式』で考えたら分かると思います」というご示唆を頂いたので、非常に単純化したモデルで考えてみた。

【前提条件】大学を22歳で卒業し38年間勤めて60歳で退職。標準報酬月額(平均給与)を30万円として、保険料と厚生年金(報酬比例部分)の年金額を比較検討する。なお厚生年金保険料率は持続的に引き上げられ、平成22年9月から16.085%になっているが、ここでは期間平均保険料率便宜上11%とした(昭和48年は7.6%)。

【計算結果】

この人の生涯支払保険料は¥7,524,000①である(30万円×38年×12×11%×1/2)。厚生年金保険料は労使折半であるから、労使の拠出総額は①の2倍の¥15,048,000である。

この人が貰うことのできる年金額は¥960,100円②である(これは年金額を計算するホームページで算出した)

この人が85歳前生きるとすれば、年金の総受取額は¥24,002,500③となる(物価スライドや遺族年金は考えない)。掛金と給付の関係(給付倍率)は③÷①で3.2倍となる。

厚生省は2004年に給付と負担の割合の見通しを発表している。それによると1955年生まれの人(当時55歳)の給付倍率が3.2倍なので、このモデルは非常に大雑把な前提ながらある程度のリアリティはあるのではないか?と思われる。

【運用利回りを考えてみる】

以上の計算は掛金の運用利回りを考えない単純計算の話。

次に上記モデルで労使掛金つまり厚生年金保険料による積立複利終価(この人の38年間の掛金の元利合計)を計算してみた。

38年間の運用利回りを1%とすると、元利合計は¥18,297,307。2%とすると¥22,511,093となる。

また年金の支給総額③についても支払期間中の運用益を考慮した年金原価ベースで見ると運用利回り1%で、¥21,144,432。2%で¥18,744,471となる。

つまりこの非常に単純なモデルから見ると、運用利回り1%では年金原資1,830万円に対し、給付に必要な年金原価は2,114万円なので積み立て不足。2%とすると原資が2,251万円で、必要な年金原価が1,874万円なので年金は無事支払われることになる。ブレークイーブンとなる運用利回りは1.45%である。

今の10年国債の利回りが1%強で、20年国債の利回りが1.9%なので、年金資産を2%程度で運用することは非現実的な話ではない。

【大きな問題は高齢者の高い年金給付】

では我々の年金は収支バランスしているのか?というとそうは簡単にはいかない。なぜかというと、既に年金給付を受けている人については、掛金に較べて給付額が非常に大きいので、高い資産運用を行わないと年金原資が枯渇するのである。

例えば1935年生まれの人は、670万円の掛金で5,500万円の年金が貰え、1945年生まれの人は1,100万円の掛金で5,100万円の年金が貰える。給付倍率は各々8.3倍、4.6倍である。

そこで先程のモデルを使って高い給付倍率を維持するには、どれ位の運用利回りが必要か試算してみた。給付倍率を8倍としてその部分の給付をバランスさせるのに必要な利回りを計算すると、4.2%となる

厚生労働省は年金資産の運用利回り目標を4%に設定しているが、その数理的根拠はこの当たりにあるのではないだろうか?

一国の年金基金のような巨大ファンドとなると、市場平均並の運用利回りを確保するのが精一杯なところだ。つまりこの低金利の中2%程度の運用が妥当なところだろう。

2%で運用するとなれば、給付倍率を3.8倍に下げる必要がある。もし給付倍率を維持するとすれば、どこかから給付原資を持ってくる必要があるが、厚生労働省はそれを4%で運用するというフィクションで誤魔化しているのである。

【死差というもう一つのリスク】

最後に数理計算上の予想寿命と実際の寿命の差「死差」の影響を考えてみよう。

仮に一番最初のモデルで、死差が2年出た(計算よりも2年長生きした)とすると、年金債務は原価ベースで約130万円不足する。仮に1千万人の人に130万円の不足がでると合計13兆円の不足となる。消費税5%引き上げが吹き飛ぶ数字だ。

年金制度が持つ一つのリスクだろう。

確かに単純モデルで年金問題を見ると見えてくるものがありますね。

コメント (2)
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ジャパンシンドローム打破私論(1)

2010年11月22日 | 社会・経済

ここでいうジャパンシンドロームは今週のエコノミスト誌が指摘している高齢化と人口減少が日本の経済と社会の活力を奪うという現象を指す。

エコノミスト誌は生産人口の減少対策として、「出産後の女性の職場復帰の促進」「定年退職者の就業インセンティブの向上」「外国人労働者や移民の受入拡大」などを上げていた。

この内「外国人労働者」の受入問題について、ちょっと考えてみよう。たまたま今日(11月22日)の日経新聞朝刊に「専門職外国人 日本を素通り」という記事が出ていた。記事によると「専門性が高い『技術』などの分野で日本で働くための在留資格を得た人数は、07年は2万2792人と02年の2倍強まで膨らんだ後、08年から減少に転じ、09年は1万人を割り込み、今年も同じ傾向」ということだ。

高等教育を終了した人口に占める外国人の比率は、英国では16%、米国では13%だが、日本では0.7%と著しく見劣りする。

英米の学生の専門性のレベルが低く、日本の学生のレベルが高いとは思われない。ではその差は何から来るのだろうか?

一番考えられることは「自国の人材だけなく外国の優秀な人材を集めることで、より高度な知的財産を構築することができる」という理念を英米等外国人の受入に積極的な国が持っていることではないだろうか?

少し前人気が高かったエコノミスト誌の記事にWhy is America so rich?という記事があった。リーマンショック以降停滞感の目立つ米国だが、少し長い目で見ると経済規模が大きな先進国の中では豊かさが目立つ国であることは間違いない。

その記事が米国の優位性の原因としてあげていたのが「コモンローの社会であること」「積極的に移民を受け入れてきたこと」「第二次大戦時や冷戦時にユダヤ人等優秀な頭脳の海外亡命の受け皿になったこと」の3点である。

自国に優秀な人材がいても、海外から優秀な人材を受け入れる必要があるのか?

それは農業で使われる種子の例で考えると分かりやすいかもしれない。種まきの時、一般に農家は前年の収穫物から自家採取した種を使うのではなく、品種改良(育種)された種を使う。この時収穫量が多く環境変化に強い作物を作る種が「一代雑種」と呼ばれるものだ。

これは「雑種強勢」(植物は一般に遺伝的に遠い品種を掛け合わせる方がよりよい品種が発言するという性質を持つ)と呼ばれる植物の特性を利用したものだ。

「雑種強勢」の理論を研究開発やビジネスの世界にそのまま持ち込んでよいかどうかは分からない(私は科学的論拠を知らない)。だが直感的にいうと、多様な価値観や人生経験を持つ仲間とのコラボレーションが新たな価値を創造するという意見は説得性があるように見える。

外国人労働者の受入については技術的な議論の前に「社会と経済を活性化するには、外国人の多様な価値観を受け入れて知的財産の積み上げを図ろう」というコンセンサスの形成が必要だと思われる。

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紅葉の昭和記念公園を自転車で往復

2010年11月21日 | サイクリング

11月21日日曜日。午前中は晴という予報なので、クロスバイクで昭和記念公園を往復することにした。朝8時30分に西東京市の自宅を出発。青梅街道をまっすぐ西に走る。このコースを走る都度思うことだが、西に向かう往路は上り傾斜を感じる。玉川上水が西から東に流れているからだ。だが最近読んだ「徳川家の江戸歴散歩」(徳川宗英著 文春文庫)によると、玉川浄水は取水口のある羽村から四谷木戸まで全長43kmの標高差は92mしかない。百メートル当たり21cmの勾配なので走行には影響はないと思うのだが・・・。気のせいだろうか。

約50分で昭和記念公園到着。入り口は開園を待つ人が並んでいた。しかし公園は広いので中に入ると混雑感は全くなかった。

池の手前のイチョウがきれいだ。ここに自転車を止めて写真を取る人が多かった。

Ichou

Ichou2

池の前のメタセコイヤの紅葉もきれいだ。

Metasequoia

一昨日(金曜日)は飲み過ぎて昨日はゴロゴロしていたので、今日は少し体を動かすことにして、公園内を自転車で走り回ろうと思っていた。ところが自転車を楽しむ家族連が多く中々スピードを出すことができない。そこで今日は紅葉見物に切り替えて、日本庭園でぶらぶらした。

日本庭園の入り口に野良猫がいた。子供たちが触っても全く動じない。カメラを向けても目も開けない。落ち着き払った猫である。

Cat

日本庭園の池にはイロハモミジ(おそらく)が鮮やかに影を落としている。

Ike

Ike2

写真に撮ると目で見る程の鮮やかな赤は再現できない。カメラのせいだろうか?それとも人間は目で紅葉を見る時、「紅葉は赤い」という先入観があるので、紅葉は鮮やかに見えるのだろうか?

赤いというとドウダンツツジも綺麗だ。

Doudanntutuji

11月下旬の昭和記念公園の紅葉は素晴らしい。

日本庭園の芝生の上を歩いていると、一枚の落ち葉で紅葉のグラデーションを体現している葉があった。

Kaichou

落ち葉も美しい。落ち葉を並べ替えたら印象的な写真にもっと綺麗な写真が撮ることができるかもしれないが、取り敢えず「ありのまま」を撮ることにした。

Ochiba

10時半に公園を出発し自宅に戻る。途中「平成新道」の川越道緑地民家園で江戸時代の農家(「小林家住宅)を見学する(無料)。

Kominka

庭掃除をしていたオジサンに「どうして川越道というのですか?」と質問したが「分かりません」といのこと。

11時半帰宅。公園内の走行を含めて35kmのサイクリングだった。サイクリングとしては物足りないが、紅葉見物としては最高の半日だった。

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高齢化というジャパン症候群(エコノミスト誌の記事から)

2010年11月21日 | 社会・経済

最近ブログで政治問題を少し取り上げたら、幾つかコメントを頂き、勉強になるところがありました。まずお礼を一言申し上げます。そのコメントの中にHikoさんから「エコノミスト誌が日本特集を組みますので注目しています」というご連絡がありましたが、この記事はそれに関連しています。Hikoさん、どうもありがとうございました。

さて記事の主旨は「日本はバブル崩壊以後デフレに襲われているが、デフレも日本経済を絞め殺しつつある『高齢化』というより大きな問題による一つの兆候に過ぎないかもしれない」と警告を発していることだ。解説を加えながら、記事の概要をまとめると次のとおりだ。

高齢化の問題を抱えているのは日本だけではない。欧州の一部でも高齢化は進んでいるし、フランスやギリシアでは退職年齢の引き上げという適応策に対する抗議デモが起きている。

東アジアの儒教国・韓国、中国、台湾も日本と同様に「人口ボーナス」(原文はdemographic dividend)を享受した。つまり少子化策により子供が少なく、また高齢者も少なかったので、貯蓄を生産活動に再投資することで、高度成長が可能だった。東アジア諸国は一足先に高度成長を終え、労働人口が減り始めた日本が経済・社会的な影響にどのように対応するか注目するだろう。

だが多くの日本人は高齢化の問題を軽くあしらっている。高齢者は豊富な貯蓄をベースに快適な生活を続けているというのがその理由の一部だ。過去20年間で65歳以上の高齢者は2倍になったが、日本の医療システムは引き続き、先進諸国の中で一番安くかつ最良である。過去20年間、日本は高い国債依存度や期待外れな経済成長等他に悩むことがあった。

しかし日本が高齢化の問題に真剣に取り組まないと、経済的な慢性病は歪んだ人口構成により更に悪化し、次の3つの理由から解決困難になるだろうとエコノミスト誌は警告する。

難問は生産年齢(15-64歳)が、ピーク時の1995年の87百万人から2050年までには、約52百万人に減少すると見込まれることだ。これは第二次世界大戦終了時のレベルに近い。労働生産性が人口減少を相殺する速度で伸びない限り、GDPの縮小は避けられないだろう。

GDPの縮小自体は、一人当たり生産量が上昇する限り、大きな悩みではないだろう。問題は日本の生活水準が他の先進国に較べて、下落し、日本人が貧しくなったと感じていることだ。そして日本人が自信を弱めている。さらに日本は先進国の中で一番政府負債が大きい(GNP対比で)から、経済が収縮すると債務負担がますます苦しくなる。

第二の問題は退職者が増えるので、現役世代の社会保障負担が拡大することだ。10年前は現役4人で1人の退職者を支えていたが、向こう10年の間に現役2人で退職者1人を支えることになるだろう。もし現役世代がこの負担を担えなくなると、社会保障のデフォルト(支払不能)をせざるを得なくなるだろう。

第三に高齢化と人口減少により需要は恐らく弱くなるだろう。この結果恐らく日本企業のリスク選好度は低下し、投資意欲も減少するだろう。成長市場では企業は過大投資のリスクを取る余裕がある。何故なら過剰設備は最終的には拡大する需要により吸収されるからだ。だが人口が減少する中では、論理は反対になる。

企業が東氏を抑制するので、特に若い人の失業率が高まり、日本の停滞感を深めるだろう。

これらのハードルを克服する手段はある。たとえば、現在では62%の働く女性は第一子誕生後仕事を辞めている。職場における彼女等に対する差別が減少すれば、彼女等は働き続ける意欲を持つだろう。退職者はもし働いている間も年金の請求ができるのであれば(現在は所得がある場合、厚生年金の一部または全部が支給停止となる)、職場に戻る可能性がある。移民を増やすことで、日本は従業員の高齢化で失うリスクがある革新性を維持することができるだろう。

これらのことは総て文化的なタブー~特に日本の階級社会的な会社のタブー~を克服することを意味する。それはまた未だ管首相が発揮していない強い政治的リーダーシップを求める。

エコノミスト誌は最後に日本が人口動態問題に迅速に取り組めば、忌むべき警告ではなく、いかに高齢化に対処するかというモデルとなるチャンスがあると結んでいる。

☆   ☆   ☆

エコノミスト誌がいうように、まず雇用を増やしながら、人口の減少に歯止めをかけないと悪循環から脱却できないだろう。国内販売が伸びる見通しが立たないので、企業は設備投資と新規採用を手控える。一方新卒者は寄らば大樹の陰と大手中堅企業に内定を求めるので、大卒者の内定率は1996年以降最悪の57.6%に低下している。

この前NHKのクローズアップ現代を見ていると、中国で新卒者を採用する日本企業の面接風景が映っていた。中国人の大卒女子の英語が流暢なのに感心した。一方日本の学生が就職活動に追われて、勉学の時間が減っている。また採用面接に備えて、優等生的というか金太郎飴的答弁の練習に追われている。

どうすればこのマイナスの循環から抜け出すことができるのだろうか?

コメント (1)
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