金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ETF、良い投資方法だが流動性が問題

2007年02月16日 | 株式

今日の日経金融新聞の囲み欄(複眼独眼)にETF(上場型投信)が「株式投信へ偏重した個人の投資リスクを分散させるにはETFは格好の受け皿商品ではないだろうか?」ということが書いてあった。限られた紙面なので言葉足らずになることは割り引いて読まないといけないが、それにしても金融専門紙とは思えないお粗末な意見である。

つまりストレートに読むと「ETFは株式投信のリスクを分散させる」ということになるが、事実はETF自体株式市場全体または特定のセクター等に連動しているのでまさに株式市場のリスクそのものということになる。

この筆者は恐らくETFは「個別株式銘柄の価格変動リスクを分散投資で排除することができる」と言いたかったのだろう。少し専門的な言い方をすると、ETFはアンシステマティックリスク(個別銘柄リスク)を排除しながらシステマティックリスク(市場リスク)を取る商品であるということになる。

ところでETFが良いか株式投信が良い?という議論もずさんである。ETFはパッシブ商品だが、株式投信にはパッシブとアクティブがある。アクティブ型投信とETFを比較してもこれはパッシブ運用が良いのかアクティブ運用が良いのか?という話になり、小さい紙面で説明できるものではない。

ただパッシブ投信とETFとどちらが良いか?ということであれば簡単に議論できる。それは信託報酬や販売会社の販売手数料を比較すれば良いからだ。私が投資していた大和投信のトピックスコア30の信託報酬は0.231%、一般の投信に比べて報酬は安いと思う。

因みに言えば過去1年程度運用したところでは、トピックス全銘柄型のETFよりコア30の方がパフォーマンスが良かった。これは小型株と大型株の運用パフォーマンスの差である。近時小型株がアナリストのカバレッジから外れる傾向があり、小型株が余り買われないので小型株のパフォーマンスが上がらないという気がする。

以上の観点からETFのトピックスコア30は私が推奨する投資商品なのだが、欠点は流動性が低いということだ。つまり売りたい時に理論的な価格で売りたい株数を捌けないリスクが感じられるということだ。そこを理解した上で投資するならこれは現時点で最も合理的な個人向け商品である。

それにしてもこんなテレビ番組「あるある大事典」なみにお粗末な新聞を高い金を取って販売してよいものなのだろうか?

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