佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダー育成73――あなたは買物難民を知っていますか?

2009-08-07 10:12:13 | リーダー育成
昨日の日経新聞夕刊で興味をひかれた記事がありました。「買物難民」という記事です。帯広畜産大学教授の杉田聡さんのインタビューが載っておりました。

買物難民とは、買物に困っている高齢者のこと。

「宮崎市郊外に住む70代の女性は電話口で涙ながらに訴えた。

『昔は家のそばで豆腐を買えたのに、今はスーパーで豆腐一つ買うのにバスやタクシーに乗らなければならんでしょ。情けなくてくやしくてたまらんとですよ』

病気がちで足腰の筋力も弱い高齢者にとって、買い物は重い負担になっているのだ」

最近、私も地方都市に住んでいる従妹と話をしたのですが、駅といってもたいした店はなく、結局買物は郊外の大型スーパーにいくそうです。だから、車がないとどうにもならない。

地方の中都市郊外に住んでいる高齢者で、車が使えない人は、買い物はかなりたいへんだそうです。

また、80歳過ぎて車を運転している人については、「危ないからもう運転しないようにしてほしい。けれども、車がないと不便だと言われると、きつく言えなくなる」そうです。

いっそ「法律で80才以上は車の運転を禁じてくれればいいのだが」とまで言っていましたね。

歳をとると地方都市では住みにくくなっているところがありそうですが、東京近郊でもそういうことはあるようです。

たとえば田園都市線のたまプラ-ザ駅より先にある小さな駅では、駅から歩いて何十分もあるところに家が建っていて、買い物にはかなり不便らしい。

また、そういうところでは坂道が結構ある場合が多く、そうなると買い物はもっとしんどくなるそうです。

そこで、定年を期に家を売却し、都心近くのマンションを求める夫婦がかなりいるとのことです。

その場合、求められるマンションは、駅から歩いて5分くらいで、駅のそばにスーパーがあること。加えて、道が平坦であるというのが条件なんだとか。

地方に話を戻すと、「大型店が進出して商店街が消滅したあと、今度は大型店が経営悪化で撤退。もう以前の商店街は戻らない」そうです。ライフラインとしての商店街は存在しえないと、杉田教授は述べています。

これではますます人が中央に集まってきそうです。どうしたらいいのでしょうか。

九州で著名なA-Zスーパーセンターでは、片道100円の送迎バス(阿久根店のみ)があり、電話予約すれば1人暮らしの高齢者や、移動手段を持たない住民も来店することが可能だそうです。

また帰宅時には、購入した製品を玄関先まで運んでくれるなど、体が弱いお年寄りには助かる配慮があるとも。

買物難民は、誰でも陥る可能性がある問題ですが、なかなかその歳にならないと気がつきにくい問題のようです。

ボランティアの送迎支援活動、スーパーでの個別対応、自治体での対策、さらには一極集中の国のあり方など、いろいろ考えさせられる問題だと思いました。みなさまはどうお考えになるでしょうか。


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