佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダーは意志決定における目的を明確にすべき

2009-11-05 10:10:53 | リーダーの人間行動学
お気づきの方もおられるかもしれませんが、タイトルを少し変えました。「リーダー育成研究室」から「リーダーの人間行動学」へと。

リーダーの定義ですが、私の場合、ドラッカーさんの「リーダーとはついてくる人がいる人のこと」という定義をそのまま借用しています。

「ついてくる人」とは、別段情緒的な意味があるわけではなく、命令される人、あるいは指示される人、という意味です。

ですから、部下が一人でもリーダーです。家族ならふつうはお父さんがリーダーですが、家族でパソコンを買うときはパソコンに詳しい息子さんがリーダーになることもあるでしょう。

とにかく、意見に従う人がいればリーダーです。それが私の定義。

一般にリーダー、とくにリーダー育成というと、次世代のリーダー、若手社員を優秀な中堅幹部社員に育成する、といったイメージが強いのかもしれません。

私はそういう人たちのために書くつもりはない。そうではなく、いまリーダーである人、たとえfollowerが少人数であろうと、いまリーダーシップの問題で悩んだり考えたりしている人のために書きたいと思っています。

もちろん、そういう立場にない人でも読んでいただければ、嬉しく思います。

ともかく、視点はいまリーダーをやっている人へのヒント、というつもりでやっています。そして、人間行動に焦点を当てていきます。これまでもそうしてきましたが、それを一層明確に意識しようということです。そこでブログのタイトルも「佐藤直曉の『リーダーの人間行動学』がよかろうということで変更しました。

ところで、なぜ人間行動を選んだかとうことですが、リーダーというのはいろいろなマネジメントスキルが要求されます。しかも地位によってその内容が異なります。一般論でいえば、トップなら戦略的なことがよく理解できていないといけないし、係長くらいですと、現場の人間の士気、といった問題が大きいでしょう。

しかし、人間を観る能力というのは、どんなリーダーでも必要であり、また考え方はリーダーのタイプにあまり影響されないだろう、と私は考えています。

ですから、そういう意味で普遍性の高い人間に関するテーマを選んで書いていきたいと思っています。もちろん、時には世間で話題になっている事柄を扱うこともありますが。

さて、今日は立場によって、いろいろな意見が生じることについて簡単に触れましょう。

私はここ10年来、太陽光発電の発展を予測し、また応援しています。

ところで、今朝は日経ビジネスオンラインで、こんな記事を見ました。

石井彰氏のコラム:
【最終回】太陽光発電の「不都合な真実」
人口の絶対的限界は存在するのか?

「太陽光発電に、植物が営々と数十億年かかって自然淘汰で洗練させてきた光合成によるエネルギー資源、即ち薪炭などを画期的に上回るような存在になることを期待するのは、所詮無理があるだろう。」

全部の記事を読んでいないので、断片的な判断になるかもしれませんが、たしかに現状の太陽光発電のコストは非常に高くついております。私は大幅な品質向上を予測しておりますが、それでも石油に追いつくのはたいへんかもしれません。

石井さんの場合は、特に環境問題からの視点で述べておられるようです。それで、そういった結論になるのでしょう。たしかにそうかもしれません。

一方、私の場合は、国家安全保障の観点から述べています。原子力は廃棄処理も含めて危険で、それを含めたコストが高くつきすぎると考えています。これは環境問題も含まれるかもしれません。しかし、太陽光発電については、環境問題という視点は当初はあまりありませんでした。

いま、世の中は比較的平和ですので、環境問題がとりあげられやすい状態です。それはいいことです。しかし、たとえば気候変動などが原因で世界が食糧不足になれば、地域紛争が激化する可能性があります。

そうなれば、石油資源や希少資源の奪い合いが起きるはずです。そういうときのために、エネルギーと食糧の確保は十分用意なされていなければいけないと、私は考えています。

ですから、私の場合は、中東のような不安定な国に依存するエネルギー事情で本当に大丈夫なのか、ということが根本的にあります。環境問題はそのあとくらいの位置づけです。

そういう立場で太陽光発電の普及を考えているので、石井さんとは意見が食い違ってもしかたないといえます。

何を言いたかったかといいますと、要するに、どんな立場に立つかで、ものの考え方は違ってくるということです。その立場をいかに明確にするかが、物事を進めていくうえで決定的に重要になることです。

何のために行うのかをクリアにしていないと、いろいろな意見に惑わされてしまうかもしれません。リーダーが意志決定をするさいには、その目的や立場を明確にしておかなければなりません。


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