佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

料理人の言葉から学ぶ

2009-11-09 09:18:56 | リーダーの人間行動学
先日ちょっと触れたヤマダ電機の池袋出店について、記事がありましたので、少し触れましょう。

「家電量販店最大手ヤマダ電機は、東京・池袋の三越跡地に約7000坪の売り場面積を誇る「日本総本店」を出店した。オープン当日は約1万5000人が列をなした。ビックカメラが牛耳る池袋家電市場でシェア奪取に燃えるヤマダ電機。熾烈な戦いが始まっている。

ヤマダ電機の都市型店舗LABIはこれで16店目だ。都市部、とりわけ東京都23区内への出店は、同社がここ数年採っている成長戦略の1つだ。すでに郊外家電市場は制覇しており、同社にとって都市部は唯一残っている未攻略地なのだ。

TITLE:池袋家電戦争は第2ラウンドへ ヤマダ電機の抱える2つの死角 | Close Up | ダイヤモンド・オンライン
DATE:2009/11/09 08:41
URL:http://diamond.jp/series/closeup/09_11_14_001/

始まったばかりですので、迎え撃つビッグカメラらのお店もたいへんな盛り上がりようで、池袋周辺の市場は新たな参入によって大いに刺激になっているようです。

家電店は割合どこでも人が集まっているのかもしれません。

しかし、そんなに市場があるのかとも思います。インターネット販売も増加するでしょうし。どこかで、壁がやってくるのではないでしょうか。家電量販店が第二のそごうにならなければいいのですが。

さて、昨日はソロモンとか何とかいう番組をはじめて見ましたが、出ていたのが陳健一さんでした。

職人芸的な話、私大好きなんですよ。

このかたのお父さんは陳健民といって、戦後中国から日本に移住した、四川料理の神様と言われた人です。たぶん、宮廷料理の流れをくんでいた方ではないでしょうか。

戦後、中国共産党が中国を抑えるようになって、宮廷料理家がずいぶん日本に流れてきたようなのです。料理はなんといっても宮廷料理で磨かれるのです。それはフランス料理も同じこと。

ですから、いまはどうか知りませんが、1970年代で世界一中華料理がうまかったのは、日本だったという話を聞いたことがあります。

私はアメリカに留学する前、両親たちとともに赤坂四川飯店で食事をしたのですが、やはり相当おいしかったです。まだ、陳健民さんの時代だったと思います。

そうそう。向かいの席では、ジュディオングさんと家族らしき人たち10人くらいが丸テーブルを囲んでいました。

それ以後、いろいろなところで中華を食べていますが、中華の味はどんどん落ちているように思います。これは私個人の独断的感想なのであてにはなりませんが、私はそう確信しています。

二十年くらい前に食べたホテル系統の中華料理店などおいしかったのですが、数年前にいってみたら、かなり落ちていました。

また、別のお店でも数年ぶりにいったら、相当落ちていましたね。

よい料理人が少ないために、一部の有名店に集中してしまうのかもしれませんが、いったいどうしたことでしょう。

ひとつには、フランス料理風に、妙におしゃれで気取った料理が中華料理に蔓延していることが原因のように思いますが、いかがなものでしょう。あとはヘルシー志向で脂をあまり使わなくなったことが原因でしょうか。このあたり、専門家の意見を聞いてみたいところです。

ところが、この専門家というのも油断ならない。日本の専門家は雑誌社とかレストランとつるんで評論する者が多いようなので、あてにはできません。最後に頼りになるのは、やはり自分の舌です。

昨晩、陳健一さんは息子さんに、腕を見るために麻婆豆腐をつくらせていました。四川飯店でこれができないと話にならないのです。できばえは合格。それで、次は青椒牛肉絲(ピーマンと牛肉の細切りを炒めたもの)。これも定番です。

ところが、できたものを見ると、汁が出ている。これでダメを出された。陳健一さんが、やってみせると、片栗粉が適度なとろみで具を包んでいるため、汁が更ににじみ出てこないのです。味をそっくり包み込んでいるのです。

片栗粉の濃度はもちろんですが、火加減や中華鍋を振るさばき、料理の手早さなどといったレシピには表れないところで、味が全然違ってくるのでしょう。

こういう芸は見て覚えるしかない。

あとは、舌の感覚も大事です。中国料理というのは、やはり3種が混じっていないと、うまくつくれないように私は思います。陳健一さんも3種的なところがあるように思えます。

イタリアン料理というのは、飾り付けなんかはいかにも雑というか大ざっぱに見えますです。ところが、味はいい。細かいところにあまりこだわらず、手際よくつくる。男性的なイメージが強いですね。これがイタリア料理の味の秘密かもしれません。

フランス料理はいかにも6種的に思います。クロワッサンなんかは、妙にフワフワですからね。肺が弱いんだろうなんて思ってしまう。これ間違いかな。

ドイツの料理などは、いかにも重厚。あまりうまいと思ったことはありませんが、ソーセージはおいしいです。

最後に陳さんが「おいしいものをお客様にだすのがうれしい。自分が楽しんでいる。そういう気持ちが伝わる。それが一番大事なんだ」というようなことを言っておられました。

最後はこういうことなんでしょう。何事も。


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2 コメント

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Unknown (はんなり社長)
2009-11-09 17:18:18
>「・・・それが一番大事なんだ」
確かに!!
まさに「仏つくって魂入れず」の諺の如し。
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Unknown (佐藤直曉)
2009-11-09 17:23:15
はんなり社長様、コメントありがとうございます!

いつも、そういう気分で仕事をしたいものですよねえ。

はんなり社長さんはそんなことはないでしょうが、
私なんかは時々楽しくなくなっちゃって、
我ながら自己嫌悪に陥ります。
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