佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

守りに弱いリーダー

2010-07-12 09:25:35 | リーダーの人間行動学
選挙の結果が出ましたね。このブログでも前に書いたように、民主と自民とで合わせて95、残りの26を小政党が分配するが、多くの党が議席を減らし、そのぶんがみんなの党にいく、と見ておりました。

結果はそのとおりで、自民が51、民主が44。みんなの党が躍進。

民主がここまで落ちることを予想したマスコミはあまりなかったようですが、しかし終盤戦での民主のあまりの評判の悪さからすれば、それほど大きなサプライズとはいえないでしょう。

私としては、やっぱりね、という感じでした。

金の使い途も考えず、しかも節約も考えず、ただ「いまのままじゃ金が足りないんだ」と泣きつかれても、すぐにウンとは言えません。不採算企業に金を貸す銀行だって、おこづかいを上げてくれと言う子供の親だってそうでしょう。

ちゃんと手順を追えということです。

財務省の役人に、「とにかくたいへんだ、なんとかしないと」とたきつけられたのでしょうけれど、それがわからない総理大臣では政治感覚というか、社会の一般常識を疑います。

総理の選挙前からの行動を見ると、とてもおもしろい。

まず、総理になってからすぐ選挙に入ったこと。よけいなことを国会で質問されるのを嫌がるように、すぐ選挙戦に突入した。

まあ、妥当な選択でしょう。勝勢なんですから、何事も無事でいけばいいんです。

同じように、選挙に突入してからも、本来ならひたすら「がんばります」と言っていればよかったはずなんです。

(当初は)支持率が高かったのだから、あえて変化が起きるようなことはせず、流れに乗るだけで何もしなくてよかったのです。

これが戦いの定石です。勝勢の時は手を変える必要はないのです。手を変えていくのは劣性の時だけ。

ところが、なぜかこの人は消費税のことをもちだしてしまった。あまり、まわりに相談をした節もありません。自分だけで決めてしまったようです。

それからその方法ですが、自民党の消費税論議に乗った、つまり抱きつき戦術と言われる戦術をとったこと。

おそらく、自分ではそれが弱点だと思っていたのでしょう。そこを野党に突っ込まれるのが、恐くてたまらなかったのでしょう。

この人は、批判する力、攻撃力は非常にある。ただ、なまじ自分が攻撃力が強いものだから、人からここを攻撃されたら困る、というのがよく見えるのでしょう。

それで、自民党に突っこまれないような、予防線を張るような唐突な増税論議をしてしまった。

過剰な予防をしてしまった、ということでしょう。自民党の影におびえたんです。守りの経験のなさを露呈した。

やはりこの人は、与党を追求する攻撃オンリーの野党党首の方が向いているということでしょうね。



初っ端で、総理大臣としての能力のなさを露呈してしまいました。これから、どうされるのでしょうか

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