S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
現在ははてなで活動しています。

「知的障害」というもの

2005年01月15日 | たったひとつのたからもの
先日、娘の通う養護学校に用事があって行ったときのこと。
高等部の廊下に、書き初めがたくさん貼ってありました。
階段を上がって正面だったので、自然と目に入ってきたものです。

いろいろな言葉が書かれていました。
正月らしい言葉もありましたし、好きな言葉を書いたものもありました。
その中で、一段と印象に残ったものがありました。

非常に力強い文字で、

「あんまん」

と書いてありました。

理屈ではなく、ゾクゾクっとするほど「いいなあ」と思うのは、こういう時です。
この文字を書くときのこの方の脳裏はどんなものだったのか、のぞきたくなる。
近づきたくてたまらなくなるのだけれど、どこかきっぱりと、
「わからないヤツは入ってくるな」みたいな感じを持ってしまってみたりもします。
何か、こう、強烈な片思いのような気持ちになるのは、こんな時です。

さて、うちの知的障害児13歳♀は、今日はプラスチックのバットを背中に入れて、家の中を走り回っています。
走りながら、時々立ち止まり、決意に充ちた表情で、時々バットを背中から抜いて振り下ろしてみたりします。
振ったら、後ろに飛びます。
時々、クローゼットの扉を開けて、したり顔でうなづいてみたりしています。

要するに、彼女は「冒険」をしているのです。
黙々と、真剣な表情で。
彼女の視界には、息子がやっているドラクエの画面の中の世界が広がっています。

その様子は、おかしくてたまらないのですが、実に細かい部分も吸収しているのがよくわかる。
イメージを無限に広げられるという意味で、まさに「名優」です。

最新の画像もっと見る