国会の役割、調査委員会の意味がよく理解できる挨拶です。先週、今週と話題になっている事故調査委員会、委員長のあいさつ文です。
昨年の東日本大震災が起きてから間もなく1年になろうとしておりますが、その被害と影響は、日本社会に大きな影を落としており、多くの方々や地域が甚大な被害に苦しんでおります。
私どもの東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)は、事故から9カ月遅れでスタートしましたが、事務局体制を整えながら、調査活動に邁進しております。
私は、本委員会のキーワードは、3つであると考えています。それは、「国民」「未来」「世界」です。すなわち、本委員会の使命は、
第1に、「国民による事故調査」、
第2に、「未来に向けた提言」、
第3に、「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」であると考えています。
まず第1に、今回の原発事故は、福島県だけでなく、日本国全体そして日本国民全体の問題です。
本委員会は、原発事故で被害を受け、事故対応をされている福島の現地を訪問し、現場の方々の意見を伺うことから活動を始めました。今後もその原点に繰り返し戻りながら、活動していきたいと考えております。また、今回の原発事故は、私たち国民一人ひとりにとって、さまざまな影響や意味をもっています。それらの多様な視点も射程に入れて活動してまいります。
そして、国民の代表の国会による設置であることを原点に、「国民自身による調査」、「国民目線での事故調査」、「国民と共にある事故調査」という基本的な姿勢を忘れずに、真摯に調査を行っております。
第2に、本委員会は、「未来に向けた提言」をしていくことを、その使命と考えております。
今回の原発事故は、いかなる対応をとろうとも、今後数十年にわたって、日本そして世界に影響を与えていくでしょう。そのような現実を踏まえた上で、未来に向け、今後、2度とこのような原発事故が起こらないように、責任の所在を明らかにしつつ、真相究明を行うことが重要です。
そのために、本委員会は、国会に設置された事故調査委員会として、国政調査権の発動要請を含めた法律上の実効性ある調査権限を活かしながら、誠実に客観的真実の追求を行い、未来に向けた提言をしていきます。
第3に、「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」です。
今回の原発事故で、日本国民の行動には評価があったものの、原発事故処理をめぐっての日本国の信用は、世界において失墜したという評価もあります。その信頼を回復するには、独立性のある客観的な調査が、その当事者でない組織によって行われる必要があります。
私は、その意味において、本委員会は、世界の日本に対する信頼の基盤となるものであると考えております。今回の試みは日本では憲政史上初めてですが、諸外国では、アメリカのスリーマイル島原発事故のケメニー委員会などのよう に、重大事故に対しては、独立した第三者による事故調査委員会が設置されることが多くあります。
今回の原発事故の真相解明から得られる教訓を世界と共有することによって、このような原発事故の予防および対応に向けて、世界の英知を集約していくことが、日本そして本委員会が、世界から期待されている役割であると認識しています。
福島原発に関する事故調査は、私ども国会のもの、政府のものなど、さまざまな形で行われております。
私どもの委員会といたしましては、憲政史上初めて政府から独立した調査委員会として国会に設置されたことを重く受け止め、国政調査権の発動要請など与えられた手段を活かしながら、政府や民間の事故調査とは異なるアプローチで、国民の期待に応える調査を進めていきたいと考えております。
また本委員会には、私以外にも、多様な視点を持った9名の委員に御参加いただいています。この10名が一丸となって、真摯に調査を行っています。
真摯な調査を実現するためには、調査は公正かつ透明性に基づいたものでなければなりません。各委員は、調査にあたり、政府・行政、業界、政治からの独立性・中立性をもって行動することを前提として任命されております。そのような観点から、国際的にも注目度の高い当該問題に関して、私どもは、できる限りオープンに活動を行い、広く国民に向け、また海外に向けても、今後海外プレスやネットを通じて、積極的に発信していきます。
私どもの問題意識は、東京電力の問題もさることながら、原発事故後に政府や国が大きく失った信頼の問題や過去の関連政策などについても深く踏み込んでいこうというものです。そして新たなる立法活動の展開、加えて日本の次の世代や未来をも視野に入れております。
以上のような本委員会の意味・意義をご理解の上、引き続きご協力を宜しくお願い申し上げます。
昨年の東日本大震災が起きてから間もなく1年になろうとしておりますが、その被害と影響は、日本社会に大きな影を落としており、多くの方々や地域が甚大な被害に苦しんでおります。
私どもの東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)は、事故から9カ月遅れでスタートしましたが、事務局体制を整えながら、調査活動に邁進しております。
私は、本委員会のキーワードは、3つであると考えています。それは、「国民」「未来」「世界」です。すなわち、本委員会の使命は、
第1に、「国民による事故調査」、
第2に、「未来に向けた提言」、
第3に、「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」であると考えています。
まず第1に、今回の原発事故は、福島県だけでなく、日本国全体そして日本国民全体の問題です。
本委員会は、原発事故で被害を受け、事故対応をされている福島の現地を訪問し、現場の方々の意見を伺うことから活動を始めました。今後もその原点に繰り返し戻りながら、活動していきたいと考えております。また、今回の原発事故は、私たち国民一人ひとりにとって、さまざまな影響や意味をもっています。それらの多様な視点も射程に入れて活動してまいります。
そして、国民の代表の国会による設置であることを原点に、「国民自身による調査」、「国民目線での事故調査」、「国民と共にある事故調査」という基本的な姿勢を忘れずに、真摯に調査を行っております。
第2に、本委員会は、「未来に向けた提言」をしていくことを、その使命と考えております。
今回の原発事故は、いかなる対応をとろうとも、今後数十年にわたって、日本そして世界に影響を与えていくでしょう。そのような現実を踏まえた上で、未来に向け、今後、2度とこのような原発事故が起こらないように、責任の所在を明らかにしつつ、真相究明を行うことが重要です。
そのために、本委員会は、国会に設置された事故調査委員会として、国政調査権の発動要請を含めた法律上の実効性ある調査権限を活かしながら、誠実に客観的真実の追求を行い、未来に向けた提言をしていきます。
第3に、「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」です。
今回の原発事故で、日本国民の行動には評価があったものの、原発事故処理をめぐっての日本国の信用は、世界において失墜したという評価もあります。その信頼を回復するには、独立性のある客観的な調査が、その当事者でない組織によって行われる必要があります。
私は、その意味において、本委員会は、世界の日本に対する信頼の基盤となるものであると考えております。今回の試みは日本では憲政史上初めてですが、諸外国では、アメリカのスリーマイル島原発事故のケメニー委員会などのよう に、重大事故に対しては、独立した第三者による事故調査委員会が設置されることが多くあります。
今回の原発事故の真相解明から得られる教訓を世界と共有することによって、このような原発事故の予防および対応に向けて、世界の英知を集約していくことが、日本そして本委員会が、世界から期待されている役割であると認識しています。
福島原発に関する事故調査は、私ども国会のもの、政府のものなど、さまざまな形で行われております。
私どもの委員会といたしましては、憲政史上初めて政府から独立した調査委員会として国会に設置されたことを重く受け止め、国政調査権の発動要請など与えられた手段を活かしながら、政府や民間の事故調査とは異なるアプローチで、国民の期待に応える調査を進めていきたいと考えております。
また本委員会には、私以外にも、多様な視点を持った9名の委員に御参加いただいています。この10名が一丸となって、真摯に調査を行っています。
真摯な調査を実現するためには、調査は公正かつ透明性に基づいたものでなければなりません。各委員は、調査にあたり、政府・行政、業界、政治からの独立性・中立性をもって行動することを前提として任命されております。そのような観点から、国際的にも注目度の高い当該問題に関して、私どもは、できる限りオープンに活動を行い、広く国民に向け、また海外に向けても、今後海外プレスやネットを通じて、積極的に発信していきます。
私どもの問題意識は、東京電力の問題もさることながら、原発事故後に政府や国が大きく失った信頼の問題や過去の関連政策などについても深く踏み込んでいこうというものです。そして新たなる立法活動の展開、加えて日本の次の世代や未来をも視野に入れております。
以上のような本委員会の意味・意義をご理解の上、引き続きご協力を宜しくお願い申し上げます。
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