“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

賃上げの必要性 

2016年02月03日 09時46分05秒 | 臼蔵の呟き

原油安は、中国経済の減速、イランの輸出再開、アメリカの産出量増加などが関係しておきました。原油は、どのような経路をたどったとしても、有限であり、いつの日にか枯渇します。そのための代替エネルギーの開発は、産油国を含めて政治経済的な課題です。その1つが、再生可能エネルギーの開発です。太陽光、風力、海流、水力、バイオマス、地熱などが具体的に検討され、実用化されています。ドイツなどは再生可能エネルギーはエネルギーの三割を占めるまでになっていると報じられています。再生可能エネルギーの価格、安定性などが問題だといわれ、原子力発電の必要性の根拠のように使われています。エネルギーは現在も、未来も、人間、あらゆる国に必要なものです。そのエネルギーを長期的に、安定した供給ができるかは、安いかどうかだけで論じる課題ではありません。

賃金は、この社会の構成比で一番多い労働者の収入を規定するものです。原油安が企業経営にメリットがあるとしても、賃金は、労働者の労働対価として決められなければなりません。基本的には原油安とは何ら関連はありません。日本社会が経済的に長期低迷、デフレ状態になっているのは、多くの労働者、国民が低賃金、低年金で国内消費が減退し、将来に対する不安感が存在するからです。時代が変わり、国内企業が国内生産、大量輸出する時代は終了しました。

したがって、国内で製造業を中心とした雇用が大きな比率で存在し続けることはあり得ません。その意味で、産業構造が大きく変化しました。従来型景気刺激策は通用しません。

<東京新聞社説>原油安 恩恵は賃上げに生かせ

 原油安が進んでいる。金融市場を動揺させる一因だが、日本経済にとってはプラス面が大きい。賃上げで大企業に遅れた中小企業にも恩恵は広く及び、この好機を賃金の底上げにつなげてほしい。

 原油価格は今年に入って一段と下がり、一バレル=三〇ドル前後と二年前の三分の一、十二年ぶりの安値圏となった。原因は、ひとことで言えば需給の緩みである。

 需要面では、中国など新興国経済の減速で需要が鈍った。逆に供給面は、石油輸出国機構(OPEC)で減産調整が進まないうえに、経済制裁を解除されたイランが原油輸出を再開した。

 シェール革命で原油生産が急増した米国は、エネルギー安保の観点から禁止してきた輸出を四十年ぶりに解禁した。世界の原油在庫は過去最高の水準に達し、値崩れが止まらないのである。

 この影響で産油国の投資資金、いわゆるオイルマネーが世界の株式市場から引き揚げられ、中国経済の減速などと共振して世界同時株安や、外為市場、商品市況の動揺を招いている。

 とはいえ原油や天然ガスの大半を輸入に頼る日本経済にとってはプラス面の方が大きい。貿易統計から試算すれば、年間約十兆円もの富の流出が抑えられ、その恩恵は広く家計や企業収益に及んでいるはずだ。

 わかりやすいのは家計の恩恵で、ガソリン代が都心でも一リットル=一〇〇円割れとなったり、大手航空会社の燃油サーチャージが引き下げられた。原油安を反映する電気代やガス代も値下げとなる。

 より注目すべきは企業収益への影響だ。大企業・製造業に比べて業績が振るわなかった中小企業・非製造業にとって、原油など燃料費の大幅下落は利益押し上げの効果が期待できる。これまでは円安が恩恵となる大企業と、円安による輸入原材料の高騰に苦しむ中小企業とで業績格差が開き、それが賃上げにも如実に表れてきた。

 日銀は十二月の金融経済月報で、先行きの企業収益について原油安に支えられ明確な改善傾向を続けると分析、賃上げの環境は整うはずだとみている。世界の在庫から原油安は当分続くとみられる。経営者は、これまで賃上げに抑制的だった分、業績が改善したら速やかに賃金に反映させるべきだ。

 政府・日銀にも注文がある。一段の円安が進めば、原油安の恩恵は減殺されてしまう。大企業寄りの円安政策を修正すべきである。


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