“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

日本経済の低迷と脅しの成長論

2012年12月02日 08時00分00秒 | 臼蔵の呟き

土湯温泉の風景

同上

自民党型政治は、経済低迷は大手企業の活性化、利益機会を保障しない限り難しいと常に言っています。そのためには自由貿易が必要である。自由貿易は全ての商品、製品、資源を自由に輸出入させなければ成り立たない。したがって、一次産業が打撃を受けても仕方がない。その農業が打撃を受けないためには大規模化すべき(過去自民党が行ったが失敗した)。効率化をすべきである。その努力を怠っている農業、漁業、林業を守ることは出来ない。これが市場主義万能論者の(へ)理屈です。昨日も東京大学伊藤元重教授がこのようなことをTPP参加すべきとの論拠として述べていました。彼らが自由貿易正当性を主張するために展開する理屈はこのような、一見、理論的な装いを持って展開されています。

法政大学教授で田中優子さんがいます。田中優子教授は、江戸文化、時代の研究者です。江戸時代は日本が鎖国しており、その日本が独自の文化圏を形成し、立派に経済発展も成し遂げていたと述べています。外国と戦争して勝つかどうか、封建時代から資本主義社会への転換が出来るかどうかではなく、何千万人もの人間、日本人が鎖国した国家で生きることが出来たかどうかです。紛れもなく、日本人は日本(狭い国土)で生活し、食料を確保し、働き、生き抜いてきました。封建制度の下で士農工商という身分制度があり、大名を頂点とした武士階級が支配した社会でした。その善し悪しを論じているわけではありません。自給自足の社会、経済圏が成り立っていました。

新自由主義、経済のグローバル化を「是」とする政治家、経済学者(代表的人物:竹中平蔵、伊藤元重、小泉、安倍、野田)、多くは自民党政治家、自民党型政治(民主党、みんな党、維新の会)の信奉者です。彼らに共通するのは弱肉強食、自分は優秀であり、一生懸命働いたのだから他者よりも収入が多くても当たり前と考えています。彼らの多くは弱者切捨て、低所得者は怠け者、苦労しないから仕方がない。自分たちが資産を増やし、富を1人締めしても正当であると信じている人種です。生活保護の切捨て、失業者保護などは無用であり、財政危機に当たって切り捨てるべきと考えています。その延長線でお笑い芸人家族の生活保護受給を攻撃しました。その攻撃に民主党政権がのり、受給者の制限を行おうとしています。年金などは不要であると考えています。当たり前です。彼らは高給取りであり、十分な貯蓄と資産を持っており、年金をもらわなくても十分生活できるからです。

しかし、このような政治経済が続けば何が起きるか考えたら分かるはずです。低所得者、失業者があふれる社会。60歳以上の退職者が年金を削減され、医療費、社会保険料を徴収され続け、どうやって生きてゆくのでしょうか。そのような年収250万円以下の低所得者が大半の社会で、社会保険料を支払うことが出来るはずがありません。非正規労働者が大半で、収入が不安定化した社会は犯罪率の増加、地域のスラム化が進み、社会的な不安定さがまして、安心してすむことが出来ない社会になります。かつてアメリカが黒人差別によってスラム街を生み出し、犯罪事件の激増、治安の不安定化で生活できないような地域を出現させました。このような日本を作り出して、彼らが支配して生延びることができるのでしょうか。

日本国憲法は死文化し、強者生存社会、極端な格差拡大、犯罪激増社会、大量失業者社会、義務教育制度の崩壊、スラム化した地域社会、限界集落ばかりの地方自治体に突き進んでよいのでしょうか。

経済成長がなければ、雇用は守れないなどは偽りです。実際に、大手企業の多くは海外進出をしており、海外で立地国の市民を雇用して生産活動を行っています。その点では日本人の雇用はすでに失われています。資源ないことは、製品を製造し、輸出する産業には問題ですが、自給自足型社会にとっては大きな問題とはなりません。問題は、産業の構造(食料、エネルギーを外国に依存するようないびつな社会)であり、中小零細企業が健全に活動できる社会、状態を作り出すことです。高額の収入が得られなくても、安心できる社会保障を実現し、義務教育の維持、地域社会が豊かに発展できる経済、政治の実現こそが課題です。再生可能エネルギーの開発、比率を高める、食糧自給率を高めるなどはその最低限の基礎的条件です。
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