総選挙にのぞみ、直前に新党が沢山でき、かつ、離合集散が繰り返された結果の混乱が起きています。民主党安住幹事長代行が「13年12月にこの政党のいくつが残っているか分からない」と発言しました。その責任は民主党、自公民三党合意による消費税率引き上げから起きています。そのきっかけを作った民主党政権のモラル低下こそが断罪、批判されるべき選挙です。
新党だから分からないと、どの党に投票すべきかが分からないと多くの国民が感じている。表面的には事実かもしれません。しかし、多くの立候補者は前議員であり、民主党、自民党に所属していました。09年以降の民主党政治、経済運営で、消費税率値上げ法案に対して賛成、反対、原子力発電所再稼動に賛成、反対、TPP交渉に参加、賛成、反対、子育て支援に賛成、反対でその議員の政治姿勢、政治信条は判断できるようになっています。選挙対策としての新党つくりなどでごまかされないことが「有権者は「考えるコスト」をかけながら投票先を決めなければならない選挙になっている。」議会制民主主義における国民の努力義務でもあると思います。
また、マスコミは、このような新党乱立の分析、各党の政治姿勢、公約を選挙権行使に当たって、支援する役割を果たすべきです。政権与党に組して、あいまいさを嘆くのではなく。
小選挙区制度導入の目的である少数政党締め出し、2大政党制の幻想も09年政権交代で証明されました。このことも選挙民として理解し、選挙制度の変更に向けた要求もすべきです。結果として、その政権、政党による政治災害を受けるのは国民自身です。自民党、民主党、旧民主党議員が小選挙区制による恩恵を受けたわけです。その点で、彼らは小選挙区制容認政治家であるということが出来ると思います。
<東京新聞の調査結果>
5日に行った衆院選の情勢分析で、有権者の約5割が投票先を決めていないことが明らかになった。投票日まで10日あまりしかないのに、「第一党」は民主党でも自民党でもなく、投票先未決定層という異例の事態だ。12党の争いになったことに加え、各党が選択肢を示せないため、有権者が戸惑っているともいえる。勝敗の行方を握る未定者に対し、各党はどのような戦略で臨むのか。
◆タカ派色憂慮も
野田佳彦首相(民主党代表)は脱原発に消極的な自民党や日本維新の会を批判、脱原発の世論を味方につけようとしている。ただ、民主党の苦戦は政権交代後、迷走を重ねた結果、世論を二分する消費税増税法や関西電力大飯原発の再稼働を強行したことで国民の期待が失望に変わったためだ。
党幹部は「地道に訴え、無党派層の支持を得たい」と語るが、態度未定者を取り込むのは簡単ではない。
自民党は前回2009年の衆院選に比べて大幅に議席を伸ばす勢い。特に保守地盤の強い北信越や四国での好調ぶりが目立つ。しかし、未決定者が半数もいる中、決して多くの有権者から積極的な支持を得ているとはいえない。
それだけに、態度未定者の動向が読み切れないのは不安材料。幹部は「おごり、たかぶり、油断があればこの選挙は勝てない」と気を引き締める。
「国防軍」を明記する憲法改正や集団的自衛権の行使容認などタカ派的な外交・安全保障政策を強く押し出して保守層の取り込みに懸命だ。
だが、タカ派色を強めすぎれば、逃げる層も多いとの懸念も党内にくすぶる。
◆維新は伸び悩み
脱原発勢力が結集した日本未来の党。ただ現状では、有権者のほぼ半数を占める脱原発を求める世論と、支持が結び付いていないのが課題だ。
嘉田由紀子代表(滋賀県知事)は脱原発に加えて「すべての女性が社会参加するには子育て支援を充実させる必要がある」と強調。女性、子育て支援策にも力を入れていることをアピールし、女性を中心とする態度未決定者の目を向けさせたい考えだ。
日本維新の会は発祥の地の大阪府内を含めた近畿ブロックでは自民党と互角の勢い。その反面、他地域では伸び悩み、小選挙区での議席獲得で苦戦している。
石原慎太郎代表と橋下徹代表代行の「二枚看板」を前面に押し出す構えだが、タカ派的な主張が、態度未定者の心をつかめるかは未知数だ。
◆独自政策でPR
公明、共産、みんな、社民、新党大地、国民新党、新党日本、新党改革の8党も独自の政策を掲げ、態度未定者の支持獲得を目指す。
公明党は自民党や日本維新の会との選挙協力が順調、防災対策を売り込む。共産党は消費税増税反対、改憲阻止で存在感を示そうとしている。
社民党は原発立地県の福井、石川両県で初めて候補者を擁立し「元祖脱原発の政党」をアピールする。みんなの党は行政改革で独自色を出す。
今回の衆院選は、2005年の「郵政民営化」、09年の「政権選択」のような分かりやすい争点の戦いになっていない。
そして有権者も、かつての劇場型選挙の反省から「もう乗せられないぞ」と思っている。だから「民主党がだめだから自民党に」とか「民主だけでなく自民もだめだから第三極に」というような単純な発想ではいけないと感じ始めている。
例えば、原発ゼロは大きな争点だが、12党が乱立する中で、どの党も具体的な道筋を示し切れていない。政策の設計図である公約、マニフェストにも、まだ生煮えの部分が随所に残っている。
有権者は「考えるコスト」をかけながら投票先を決めなければならない選挙になっている。
このままの状態が続くと、投票率まで下がるのではないかと心配している。
そうならないためにも各政党は投票日の16日までに、政策の設計図をもう少し煮詰めた上で、論戦を盛り上げる努力をしてほしい。そして、有権者に選択肢を示して、関心を高める必要がある。
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新党だから分からないと、どの党に投票すべきかが分からないと多くの国民が感じている。表面的には事実かもしれません。しかし、多くの立候補者は前議員であり、民主党、自民党に所属していました。09年以降の民主党政治、経済運営で、消費税率値上げ法案に対して賛成、反対、原子力発電所再稼動に賛成、反対、TPP交渉に参加、賛成、反対、子育て支援に賛成、反対でその議員の政治姿勢、政治信条は判断できるようになっています。選挙対策としての新党つくりなどでごまかされないことが「有権者は「考えるコスト」をかけながら投票先を決めなければならない選挙になっている。」議会制民主主義における国民の努力義務でもあると思います。
また、マスコミは、このような新党乱立の分析、各党の政治姿勢、公約を選挙権行使に当たって、支援する役割を果たすべきです。政権与党に組して、あいまいさを嘆くのではなく。
小選挙区制度導入の目的である少数政党締め出し、2大政党制の幻想も09年政権交代で証明されました。このことも選挙民として理解し、選挙制度の変更に向けた要求もすべきです。結果として、その政権、政党による政治災害を受けるのは国民自身です。自民党、民主党、旧民主党議員が小選挙区制による恩恵を受けたわけです。その点で、彼らは小選挙区制容認政治家であるということが出来ると思います。
<東京新聞の調査結果>
5日に行った衆院選の情勢分析で、有権者の約5割が投票先を決めていないことが明らかになった。投票日まで10日あまりしかないのに、「第一党」は民主党でも自民党でもなく、投票先未決定層という異例の事態だ。12党の争いになったことに加え、各党が選択肢を示せないため、有権者が戸惑っているともいえる。勝敗の行方を握る未定者に対し、各党はどのような戦略で臨むのか。
◆タカ派色憂慮も
野田佳彦首相(民主党代表)は脱原発に消極的な自民党や日本維新の会を批判、脱原発の世論を味方につけようとしている。ただ、民主党の苦戦は政権交代後、迷走を重ねた結果、世論を二分する消費税増税法や関西電力大飯原発の再稼働を強行したことで国民の期待が失望に変わったためだ。
党幹部は「地道に訴え、無党派層の支持を得たい」と語るが、態度未定者を取り込むのは簡単ではない。
自民党は前回2009年の衆院選に比べて大幅に議席を伸ばす勢い。特に保守地盤の強い北信越や四国での好調ぶりが目立つ。しかし、未決定者が半数もいる中、決して多くの有権者から積極的な支持を得ているとはいえない。
それだけに、態度未定者の動向が読み切れないのは不安材料。幹部は「おごり、たかぶり、油断があればこの選挙は勝てない」と気を引き締める。
「国防軍」を明記する憲法改正や集団的自衛権の行使容認などタカ派的な外交・安全保障政策を強く押し出して保守層の取り込みに懸命だ。
だが、タカ派色を強めすぎれば、逃げる層も多いとの懸念も党内にくすぶる。
◆維新は伸び悩み
脱原発勢力が結集した日本未来の党。ただ現状では、有権者のほぼ半数を占める脱原発を求める世論と、支持が結び付いていないのが課題だ。
嘉田由紀子代表(滋賀県知事)は脱原発に加えて「すべての女性が社会参加するには子育て支援を充実させる必要がある」と強調。女性、子育て支援策にも力を入れていることをアピールし、女性を中心とする態度未決定者の目を向けさせたい考えだ。
日本維新の会は発祥の地の大阪府内を含めた近畿ブロックでは自民党と互角の勢い。その反面、他地域では伸び悩み、小選挙区での議席獲得で苦戦している。
石原慎太郎代表と橋下徹代表代行の「二枚看板」を前面に押し出す構えだが、タカ派的な主張が、態度未定者の心をつかめるかは未知数だ。
◆独自政策でPR
公明、共産、みんな、社民、新党大地、国民新党、新党日本、新党改革の8党も独自の政策を掲げ、態度未定者の支持獲得を目指す。
公明党は自民党や日本維新の会との選挙協力が順調、防災対策を売り込む。共産党は消費税増税反対、改憲阻止で存在感を示そうとしている。
社民党は原発立地県の福井、石川両県で初めて候補者を擁立し「元祖脱原発の政党」をアピールする。みんなの党は行政改革で独自色を出す。
今回の衆院選は、2005年の「郵政民営化」、09年の「政権選択」のような分かりやすい争点の戦いになっていない。
そして有権者も、かつての劇場型選挙の反省から「もう乗せられないぞ」と思っている。だから「民主党がだめだから自民党に」とか「民主だけでなく自民もだめだから第三極に」というような単純な発想ではいけないと感じ始めている。
例えば、原発ゼロは大きな争点だが、12党が乱立する中で、どの党も具体的な道筋を示し切れていない。政策の設計図である公約、マニフェストにも、まだ生煮えの部分が随所に残っている。
有権者は「考えるコスト」をかけながら投票先を決めなければならない選挙になっている。
このままの状態が続くと、投票率まで下がるのではないかと心配している。
そうならないためにも各政党は投票日の16日までに、政策の設計図をもう少し煮詰めた上で、論戦を盛り上げる努力をしてほしい。そして、有権者に選択肢を示して、関心を高める必要がある。
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