“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

選挙結果と自民党のおごり

2012年12月22日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
総選挙後、わずか5日しかたたない時点で、自民党党首安倍氏の発言です。彼らは、投票日当日、開票結果をうけて、自民党が大勝したわけではない。民主党に対する批判、評価の結果としての自民党が議席過半数実現であった。自民党への風が吹いたわけではない。などなどを言葉として語っていました。その言葉は、自民党幹部の多くの実感ではなかったかと思います。ところが、投票後、1週間も経たない時点で、彼らは国民が望みもしない、原子力発電所再稼動、新設の原子力発電所建設を容認する考え方を示しました。

民主党政権がなぜ崩壊し、あれほど大きな批判さらされたかをまったく理解していない。教訓として学べない自民党とはどういう政党なのでしょうか。民主党政権が批判され、崩壊した理由の最大は、国民の要求、要望と異なる政治経済運営を行ったことです。「原子発電所を稼動させないで欲しい。再生可能エネルギーを開発し、原子力依存を止めてほしい。TPP交渉参加を止めてほしい。沖縄米軍基地を撤去して欲しい。オスプレイ配備反対。消費税率引き上げを止めてほしい。」などなどが国民の過半数を超える願い、要求でした。これらの要求にことごとく、応えず、反対の政策を実行した野田政権、民主党を総選挙によって断罪したのが12.16総選挙結果でした。

彼らが勘違いして、自らの主張が認められて結果として過半数の議席を得たと考えるのであれば、民主党政権、野田と同じ運命をたどるだけであることを立証する必要があります。12.16以前と以後は国会における議席数配分、政権が変わるだけで、それ以外の日本の構造、政治経済の問題は何1つとして変っていません。また、民意とかけ離れた議席配分が矛盾を更に拡大するのではないかとの恐れです。

彼らは、得票総数、支持率ともに長期低落傾向を改善できていません。そのことは自民党型政治、大手企業依存、アメリカべったりの言いなり政治経済が国民からは支持されていないことを証明しています。選挙後最初の挨拶が経団連本部、海外訪問がアメリカ政権であることを見れば、自民党は選挙結果、民主党政権の崩壊理由をまったく理解しようとしていないことを示しています。自公連立政権が理解し、国民の声を無視できない環境を作り出すことが課題であると思います。

<選挙結果と自民党判断の格差>

 自民党の安倍晋三総裁は21日、山口県庁で記者会見し、野田政権が決めた「原子力発電所の新設・増設は行わない」との方針について「もう一度、見直しをしていきたい。新設についてどう考えていくかはこれから検討していきたい」と述べ、転換する可能性を示唆した。野田政権が建設を認めない方針を示した中国電力上関原発への対応に関する質問に答えた。
 自民党内には脱原発に慎重な声が多い。先の衆院選の政権公約では原発について「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」との目標を盛り込んだ一方、全ての原発について「再稼働の可否を3年以内の結論を目指す」との方針も打ち出した。

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日本の家電産業衰退

2012年12月22日 07時56分40秒 | 臼蔵の呟き
桜美林大学教授で藤田実さんが、「電機産業の衰退」に関する分析をしています。その分析が、日本の大手企業に共通するような要因をいくつか挙げています。興味深い分析です。

最大の問題は、株式時価総額の拡大、選択と集中とうアメリカ的経営方式を無批判に導入したことであるとしています。その理由は、株価を押し上げるために、目先の利益にこだわり、利益目標の達成を最終戦で追及する。その結果、不採算部門の売却、工場閉鎖を行うからです。株価は、電機企業がリストラを発表するたびに上がりました。これは、IBMが不採算部門を売却して、優れた企業経営方式と評価されたことに影響されているとしています。選択と集中で、得意部門に集中した結果、その得意部門の集中投資が、海外企業とのコスト競争にさらされ、収益が悪化した場合、経営の屋台骨が揺らぐ自体に見舞われました。これが、シャープです。収益の柱を育てる、他部門で収益が確保できるようになっていれば、簡単に経営危機にはならなかったと分析しています。

第二に、不採算部門の切捨てにより、技術者が配置転換、退職を余儀なくされました。この技術者が海外への技術流出、日本企業の技術開発の停滞にいたったことが衰退の要因となっています。自企業で働く人、技術者を大切しないことが結果として、企業の存続を危うくしたと分析しています。

第三は、家電製品、エレクトロニクス製品がモジュール化することで、簡単に製造できるようになったこと。そのことで競争が激化したことです。日本企業はノートパソコン、液晶テレビなどで生産台数占有率は激減し、2.2%(ノートパソコン)3.0%(液晶テレビ)になっています。

景気の低迷は、個人消費の低下、収入の減少、大手企業のリストラ合理化など労働者、国民の権利、生活を無視した利益優先主義の結果です。しかし、そのことが大手企業の経営自身を破壊したことを教訓にすべきです。

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