2018年の8月に譲渡したシャム風のむたさん♂
里親さんから昨年の暮れにお電話をいただきました。

まだ4歳半のむたさんの調子がよくないことから受診したところ
悪性リンパ腫で、すでに余命宣告をされてしまったとのこと。
かかりつけの獣医さん以外にもう1軒訪ねて
診ていただいたそうですが結果は同じ。
電話の向こうでかなり取り乱して、泣いていました。
若いむたさんですから進行が早く、抗がん剤などを使っても
助かる見込みが少ないと言われ、
嫌がることはしたくないので、静かに看取りますとお話しされていました。
こちらのお宅は、犬も猫もたくさんいる大家族です。

みんなで賑やかに明るい生活を送っていました。

わたしとは2006年に黒猫を譲渡して縁ができました。
その黒猫じゅんちゃんはすでにこの世にはいません。
どの子にも、たくさんの愛情をかけて育ててくださっています。
余命宣告は、本当に悲しいものですが
短いながらもむたさんはたくさんの仲間と、
毎日、楽しんで暮らしていたと思います。

それからほどなくして
むたさんがお空に還っていったご連絡をいただきました。
12月18日のことです。
朝起きたときには、もう逝ってしまった後で
看取ることができなかったことを悔やんでいました。
大切にされた猫も犬も、逝くときって選んでいるような気がします。
そのまま誰もいないところで、
すーっと向こう側に行く子もいれば
飼い主さんの腕の中でその灯を消す子もいます。
きっと見せたくなかったんだろうなって思います。
こんなに泣き虫な里親さんの前だと、後ろ髪ひかれまくっちゃいます。
でもね
きっときっと、何度もありがとうって言っていたと思いますよ。
帰る場所はまた同じです。

少し休んだら、また戻ってきてくれると思います。
みんなが待ってる場所、あったかくて楽しかった場所
むたさんの居場所は、ここですから。

スタッフさんたちも、むたさんのこと覚えてましたよ。
むたさんを保護して助けてくれたTさんも
みんなむたさんのこと可愛い子だったね、いい子だったねって
誉めていましたよ。

むたさん、今はゆっくり休んでね
そして、きっとまた帰っておいで。