水墨画。スケッチを元に和紙に描くのだけれど、何とかできあがってしまうと、それまでの手順、描き方をすっかり忘れてしまっている。つまり行き当たりばったり方式だから、うまくできたところも「ヘタこいて」しまった箇所も再現しにくいのだ、と気づいた真夏の陽気の日曜日。
手順をデジカメで記録してみようと思い立つ。左上、まずはスケッチブックを見ながら、紙に木炭で「当たり」をとる。主題になる木々や背景の位置関係を意識してごく薄めに描く。写真があれば光の加減などを参考にしておおまかな下書きにする。
右上、光と影の関係を見ながら、一番面積の大きい主題の木を中心に、背景の中でも目につく木々との明るさ、位置を把握する。バランスに注意。
左下、手前の木の根っこと木漏れ日の面白さがいわば主題だから、墨をのせずに紙の白さを残す部分、つまり光が一番強い箇所を慎重によけながら濃淡をつける。本当はこの段階でもっと背景も描きこんで調子をととのえたほうがいい。
右下、ほぼ完成。離れた位置で全体を俯瞰して、背景の明るさの中に含まれる影などを描きこんで仕上げの筆をいれる。このほぼ完成段階で一度部屋を出て散歩しながら神経をほぐすといいのだ。1時間ほどして新鮮な目で見直すと、ぼろぼろとあらが目につくから、さらに細かな部分に手を入れる。
作品として保存しておく意味があると思ったら、紙の裏面に丈夫な「鳥の子紙」を貼って「裏打ち」するのだけれど、そのあとはもう描き込みはできないから、さらに1、2週間寝かす時間をとり、ああやはりダメだった、いやいや思ったよりはよかった、となるべく客観的に、第2の自分の目でしっかり見つめなおすのだ。
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