3日、火曜日。朝からギャラリーに出かけて作品の搬入と設営に忙殺される。
起きぬけにまず、昨年使った額の中身を取り出し、前夜やっと裏打ちが完了した「無鉄砲百合之図」と差し替える。うむ、こんなものか、と少しも愛着のない作品なので実におおまかにマットで位置決め。よし、と最後にこれも適当に落款を押して一丁あがり。百合に罪はないのに、と少し心が痛む。
先に額に入れておいた「夏野菜」と美空ひばりこと「川の流れのように」(というタイトルにした岩間の流れの図)にもぺたぺたと落款を押してビニールテープでしばり紙袋に放り込む。よしとコーヒーを一口流し込んで駅までダッシュ。気が重い。
会場は(場所は秘密だけれど…)駅の改札口からほんの数秒。つまりは西口と東口をつなぐ「自由通路」のわきに作られた市営の「プチギャラリー」だから立地は最高だ。もちろん入場無料だし、昨年は6日間の会期合計で900人ほどのお客さんが入った。使用料金は1日5,000円。市のサイトから予約状況を確認すると、土日の数日は空きがあるものの、さすがに平日は年内いっぱい埋まっている。
10時。搬入日だから当番を含めて出品者はほぼ集まった。さて、と腕まくりして天井や壁のレールにとめ具をはめこむ。師匠の描いたレイアウトは番号が飛び飛びでかなりおおまかである。まあ、とりあえず下に置いてみて調整しましょう。と少しもあわてない。師匠たるものこれくらいおうように構えないとやっていけないのだ。
花と花の絵が並ぶとアレだから、ここには縦位置の風景を置いて、うーん、とうなりながらも展示位置が決る。作品を吊り下げるワイヤーで高さを調節して、最後にスポットライトの位置を直す。12時オープンの数分前に設置完了。なるべくすべての作品をスポットの明かりで見てもらいたいから、この微調整に時間がかかったのだけれど、問題作の「無鉄砲百合之図」にはわざと光が届かないように角度を修正。ここ、光がないよぉと指摘され、だってなるべく見てほしくないんだもん、と情けない弁明に汗をかく。
次回のレイアウトの参考にと会場のレイアウトを図に起こして、出品作を数えると51点。全部で3つの教室の生徒作品と師匠の合同出展だが、昨年より出品者が減ったために、一人あたりのノルマが増えたのだ。それでも師匠の作品は大小あわせて19点。ほぼ40%になる。そうか、だから作品バリエーションも豊かに見えるのだ。師匠たるものこれくらい気を遣わないとやっていけないのだ。
昨年はともかく初出品だったからこわいもの知らず状態。今回は、1年分くらいはうまくなっていないといかんのに、という色気があったからだろうか、ああ、思いが筆に伝わらなかったのだ。描いている時は楽しいのだけれどなあと、長い吐息を大きくひとつ。8日の日曜が最終日で搬出日だから、その時にまた全員集まって駅前の飲み屋で慰労会の予定だ。悪酔いしないようにね。
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