堺北民主商工会

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唖然

2007年03月23日 10時54分07秒 | 世間の話
 国の運営の基盤は税金収入である。経済活動が発展するに伴い、様々な種類の税金が作られている。政権を担う国の支配者は国民に重い税金を課し、支配を維持する。奴隷制社会、封建制社会から現代の資本主義社会に至るまで税金制度も随分、進化してきた。
 その結果、今日では税における「応能負担の原則」が社会的常識とされている。つまり、能力(主に財力)に応じて税金を負担すると言う原則。
 ところが今、この原則が1990年代から崩され始めた。
 個人所得税の最高税率70%→37%に。
 法人税の税率    40%→30%に。
 そして、国民の大きな反対を押し切って、消費税の創設(平成元年)。呶々のつまりは消費税の税率アップ(3%→5%)。
 平成になって、この18年間に高額所得者と大企業の減税財源に消費税がすっぽり、充てられた。因みに平成元年から平成17年までの消費税収入は175兆円、それに対し、法人税減税に160兆円を投入。
 又、消費税がいかに応能負担原則から外れ、逆進性の強い最悪の税金かは以下の事例でも良く解る。
 Aさんは年収500万円で1年間の生活費が420万円。
 Bさんは年収1億円で1年間の生活費が1200万円とする。
すると
 Aさんの年収に占める生活費は84%。
 Bさんの年収に占める生活費は12%。
実に、BさんはAさんの7分の1の負担割合(減)で余裕をもって、安心して生活を続けられる。
 Aさんは消費税を含め、公的税金などを支払ったら、殆ど貯蓄は0に。一方、Bさんは悠に、5000万円は手元に残る。
 また、応能負担の原則からすると
 Aさんが毎晩、楽しみにしている晩酌にビール1本、飲むとしたら
 Bさんに応能負担をしてもらうには毎晩、ビールを20本。
 Aさんが愛煙家で1日、タバコを1箱、喫煙するとして、同じように
 Bさんは20箱のタバコを吸うてもらわないと困る。
 Aさんが大の映画ファンで毎日、1本映画を観るとして、
 Bさんには毎日、20本の映画を鑑賞してもらう事になる。
 以上の例からも応能負担が形骸化され始めて、逆さまの矛盾した現象が現出している。
 しかるに、国会での議論や選挙の度に消費税率アップの話題が引き合いに出されるのが諸外国(特にEU)の例がある。…「諸外国では20%以上の消費税率が実施されている」と。
 しかし、これら諸外国の多くは、税金(所得税)の課税最低限度額が高く、食料品など、通常の日用品には消費税を課税していない(課税されていても低税率)。更に、何よりも日本と違うのは、福祉・教育・医療制度が、これらの国々では優れていると言う事だ。
 それなのに安倍内閣は、今夏7月の参議院選挙までは「消費税」についてダンマリを続け、選挙後に庶民大増税に繋がる「消費税のアップ」を実行しようとしている。
 唖然とするとしか言いようがない!

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