サイババが帰って来るよ

Count down to the Golden age

正義の味方のラーマやな【10】

2015-11-24 00:00:46 | 日記

ポニョ:さあて、あんたの好きなハヌマーンがいよいよ登場して来たぜよ。面白くなって来たな。

ヨシオ:ババはこのラーマヤーナの物語の一つの大きなテーマは、ハヌマーンに代表される帰依者としての正しい態度を世に示したいと考えて作られたんや。

ポニョ:そういやヒルビュースタジアムにシヴァ、仏陀、キリストを始め色々な巨大な像があるけれど、ハヌマーンが一番目立って大きいよな。

ヨシオ:ババは人々がハヌマーンから学ぶように意図されて、わざと一番大きい像を作られたんや。

ポニョ:神々の像を差し置いて一番大きな像を作られたんか?凄いよな。それだけババは帰依者の事を思っておられるって事やな。

ヨシオ:ハヌマーンの帰依の心って中途半端じゃないやろ。何であれだけ有名になったんだと思う?

ポニョ:それは今あんたが言ったように帰依の心が強かったからやろ。

ヨシオ:あのな、もうちょっと自分の頭を使って考えろや。その答えやったらいつまで経っても順繰り巡りになって前に進ま無いやないか。

ポニョ:これがおいらのベストアンサーでした。これ以上望まないで下さい。

ヨシオ:それじゃ別の質問をするけれど、前の記事で双子を生んだスミトラーがベランダで髪の毛を乾かしていた間に、大きなワシがやって来てカップごとこれはワシの物だと言って持ち去った話を覚えているやろ。その後そのカップはどこに行ったのでしょうか?

ポニョ:今までハヌマーンの話をしていたから、ハヌマーンがこれはワシのんやと言ってワシから奪い取って飲んだんやろ。

ヨシオ:アホ。あのコップに入っていた液体は子供を授かる為に女性が飲むやつやないか。もう忘れたんか。ハヌマーンが飲んでどうするんや。ハヌマーンが妊娠したらどうするんや?

ポニョ:ああそうやったな。という事はあの飲料はハヌマーンのお母さんがワシから奪い取って飲まれたのでハヌマーンのような素晴らしいラーマを慕う帰依者の鏡が生まれたって事なんやな。

ヨシオ:当たり!ピンポーンでした。というわけで今日はいよいよハヌマーン大活躍のお話です。

◇ハヌマーン、ランカー島に行く

スクグリーヴァは、シーターを探すために四方八方に兵士を向かわせました。ランカー島〔現在のスリーランカとされている〕でシーターを探す仕事には、強者〈つわもの〉(バラヴァーン Balavantha)にして賢〈かしこ〉き者(ディーマーンDheemantha)として名高い、ハヌマーンを 選びました。ハヌマーンは、ラーマの使者としてランカー島に行く資格をすべてそなえていました。力は強く、落ちつきがあり、優れた知恵に恵まれていました。一途に思いを定め、どんな ことをしてもシーターを見つけ出そうという強い決意を抱いていました。シーターの行方を探そうというハヌマーンの強い意志をとどめるものは何もありません。シーターが囚われの身になっ ていないかと、魔王ラーヴァナの寝室まで調べました。ランカーの人々の寝室に入ってもハヌマ ーンの心は少しも迷いません。女たちがあられもない姿で寝ているのを見ても、決してよこしま な思いは浮かばないのです。
あるとき、この上なく美しい娘が魔王ラーヴァナの寝室で眠っているのを見つけました。シー ターはたいへんな美女なのだからこの人がそうかもしれないと思ったのですが、そんなことを考 えた自分をすぐに恥じ入りました。邪悪なラーヴァナの寝室に入るなど、シーターが同意するはずがないののです。それからハヌマーンはランカー島のすみずみまでシーターを探したのですが、 どうしても見つかりません。ひどく気を落として海辺の木の上に登り、このまま海に飛びこんで死んでしまおうとも思いました。ラーマに命じられた仕事をはたせなかったと思うと、どうしよ うもなくこころが痛みました。するとにわかに、アーショカの樹の林をまだ探していなかったこ とに気がつきました。この見晴らしのきく場所から、その林が見えたのです。ハヌマーンは林に 飛んでいきました。
ハヌマーンが庭に入ろうとしたところ、魔王ラーヴァナの長男〔インドラジット〕にとらえら れてしまい、城に連れていかれました。ラーヴァナはこの国の王座に座っていました。悪の気をたぎらせて高いところに座っている姿を見て、ハヌマーンは思いました。 ――ラーマさまに帰依する者として、自分がこんな低いところに座っていては申し訳が立たぬ ――
ハヌマーンはするすると尻尾をのばし、その尻尾をバネのように巻きつけてその上に座り、ラ ーヴァナよりもうんと高くその身を持ち上げました。ラーヴァナよりも高い座に座ったことで、 ハヌマーンはしごくいい気分になりました。
こうして、魔王ラーヴァナとハヌマーンとの、激しいやりとりがはじまりました。 「この猿めが!汝〈ぬし〉はいったい何者だ?わしの庭をめちゃめちゃにしおって。誰の指図でこのランカーに来た?」 「王の中の王、偉大なるラーマさまよ。おまえの妹の鼻を切り落としたお方がおれさまをここにつかわしたのさ」
「汝〈ぬし〉はなぜわしにそう無礼な口をきく」 「おれさまはな、ラーマさまの召使いだ。おまえはけがれた奴だから、こんな言い方で充分なの さ」
魔王ラーヴァナは、ハヌマーンの力を見て、うすら寒く感じました。ただの猿にこれだけの力 と勇気があるならば、ラーマに従う者どもはさらにすぐれているに違いないと思ったのです。ラ ーヴァナは、ハヌマーンの尻尾を燃やして懲〈こ〉らしめることにしました。尻尾は猿にとって 大事なところだからです。家来どもが何尺もの布を運び、それをハヌマーンの尻尾に巻きつけ、 火をつけました。するとハヌマーンは、あちこちの建物を飛び回り、火のついた尻尾で次から次 へと屋敷に火をつけていきました。ランカー島にすさまじい被害を与えたあと、ハヌマーンは尻 尾の火を消すために海に飛びこみました。
ランカーが大火事になったのを見て、ハヌマーンは反省しました。これではシーターが炎に巻 き込まれるかもしれません。シーターの無事を見とどけるために、ハヌマーンはアーショカの樹 の林へと急ぎました。なにしろ一度も顔を見たことがないのですから、林にいるたくさんの女性 の中で、誰がラーマの妻なのかわかりません。やがて木の下に、細身の女性が目を伏せているのを見つけました。シーターかもしれません。それを確かめようとして、ハヌマーンはラーマの物語をうたいはじめました。それを聞くと、木の下にいた女性は、涙をはらはらと流しながら面〈お もて〉を上げたのです。

◇ハヌマーン、シーターと会う

そのときシーターは、ヴィビーシャナ〔魔王ラーヴァナの弟。のちにラーマの側につく〕の妻 サラマーSarama、とその二人の娘、アジャーターAjataとトゥリジャーターTrijataとともにいまし た。この三人の女性だけがランカー島でのシーターの友達なのだとハヌマーンは察しました。この人たちが慰め、はげましてくれたから、シーターはこれまで生きてこられたのです。ハヌマー ンは、木の下にいる女性がシーターかどうかを確かめるために、相手の目の前に指輪を放り投げました。その人は大いなる悦びとともに指輪を握りしめ、ハヌマーンに次々と質問を浴びせまし た。 「あなたはラーマさまの使者なのですか、それとも私をあざむくためにラーヴァナ殿がよこした 魔物なのかしら。ここの魔物はおかしな姿となって、奇態なふるまいをするようだから」
そこで自分がほんとうにラーマの使者なのだとわかってもらうために、ハヌマーンは自分の胸を引き裂いて、その胸の奥にまつられているラーマを見せました。ハヌマーンの胸の奥にしるされたラーマの姿を見て、シーターは気を失ってしまいました。そこでハヌマーンは、この女性こそはシーターその人であると確信したのです。
ラーマにシーターの居場所を知らせるために、ハヌマーンは一刻も無駄にせず、ただちに海を飛んで渡りました。猿どもがマドゥヴァナMadhuvana〔蜜の森〕で果物をむさぼっている間に、 ハヌマーンは食べることも寝ることも打ち捨て、急いでラーマにこの吉報を知らせようとしまし た。
ハヌマーンは言いました。 「ラーマさま。シーターさまは、ゆかしく徳の高い、まこと女性の鑑〈かがみ〉でございます。 いま姫は、矢でできた鳥かごに閉じこめられた鸚鵡〈おうむ〉のようなご苦労をされております。 多くの魔物どもが、姫を殺さんと取り巻き、刀を振り回しております。怖ろしい女どもを見て姫が震えておられるのを、それがしは見てまいりました」
ハヌマーンの言葉を聞くうちに、ラーマは感情がこみあげてきて、すぐにもランカー島に出向 いてラーヴァナと一戦まじえたいと思いました。ハヌマーンとスグリーヴァは、ラーマのはやる気持ちを抑え、ラーヴァナと戦うには、今しばらく準備の時が必要だと説きました。たくさんの すぐれた武人が集まって、魔王ラーヴァナを倒すために作戦を練りました。
ラーマとラーヴァナの戦いは、正義と悪、真理といつわりとの戦いです。それは、人間のここ ろの奥で永遠につづく戦いなのです。そこで、ラーマは愛(プレーマPrema)を象徴し、シータ ーは真の自己(アートマAtma)を象徴し、ラーヴァナは欲望(カーマKama)を象徴していて、 その三つがひとりの人のこころの中にあるのです。 「ラーマーヤナ」の目的と意味は、物質的な面だけにあるのではありません。内なる「ラーマー ヤナ」は、何よりも得がたきものです。全人類への教えに満ちているのです。
ラーマは敵を倒す作戦を立てるのに、きわめてすぐれた眼力と用心深さをあらわしました。 「ラーマーヤナ」は、いくさの戦略と洞察の教科書のようです。ラーマは組織の長として、誰に何の責任を与えるべきか、それはどう遂行されるべきかを、知りつくしていました。適切な人材を適切な役目につけることができたのです。魔王ラーヴァナとのいくさの間、ラーマはダルマの 原理を貫きました。相手の弱みにつけこむようなことはせず、敵の力を充分に示す機会を与えた のです。ラーマの示した模範は、いくさにおいても永遠に輝く星でありつづけます。
だから、ラーマの物語は、神聖な理想の甘い蜜であり、大いなる悦びです。ラーマを愛し、愛 によってラーマをさとりなさい。ラーマとひとつになるのです。真の解脱とは、それをいうのです。

世界のすべては、「外面的な生き方」(ブラヴリッティPravritti)と「内面的な生き方」(ニヴリッティNivritti)の織〈お〉りなす物語です。 肉体、土地(クシェートラKshetra)、物質は、「外面的な生き方」に、 アートマ、純粋意識、肉体に宿る者は、「内面的な生き方」にあたります。
神の化身(アヴァターラ)でさえも、人間の肉体をまとっているため、「外面的な生き方」の 制約を受けています。ラーマもその例外ではありません。全知にして全能ではあっても、人間の 肉体をしているために、まやかしの力にとらわれているかのようにふるまう必要があったのです。

◇ラーヴァナの首、落とされる

ラーマは、魔王ラーヴァナと戦う用意をしました。ラーヴァナはすでに、息子のインドラジット、弟のクムバカルナ他、味方の軍勢をことごとく失っていました。いまやラーヴァナは、まるでランカーの城跡のように、ただひとり残されていました。
ラーマとラーヴァナとの戦いは、七日七晩にわたってつづきました。インドラ神が、敵〈かたき〉のインドラジットが倒されたことを喜んで、ぜひいくさのためにラーマさまにお役立ていただきたいと、天界の馬車を送ってきました。最強の武器をそなえた戦闘用の馬車です。マターリ Mathaliの乗る天界の馬車が、光をきらめかせながら地上に降り立つさまは、目にもまばゆいほどでした。魔物による新手のからくりではないかと、猿〈ヴァーナラ〉の軍勢が思ったほどです。 馬車のふたつの車輪が地面に触れると、マターリMathaliが戦車から降り、両手を合わせてラーマに申し述べました。 「世界の主〈ぬし〉よ。この馬車を、インドラの神から献上いたします。それにインドラの神みずからが、魔王ラーヴァナを相手に戦うつもりでございます」
ラーマはいくさを戦う間、すぐれた現実感覚と用心深さを示していました。それでも、どうし てラーマは戦争という手段を選んだのか、どうして多くの死者を出さねばならなかったのかと問う人がいます。創造した者は、罰する資格があるのです。
実際には、神が罰したり守ったりするのではありません。みずからの徳がその人を守り、みずからの悪徳がその人を罰するのです。人は自分の行為の報いから逃〈のが〉れることはできませ ん。魔王ラーヴァナは、みずからの悪〈あ〉しき行為の報いを受けることになりました。罰はすぐにあらわれなくても、いつか必ずその人にあらわれます。ラーヴァナに、悪しき行為の報いの 時がせまっていました。
いっときは、お妃のマンドーダリーが、くどいほどにラーヴァナに言い聞かせようとしたものです。
「ラーヴァナさまは、悪事に溺れておられます。清らかでとうとい多くの婦人を、言葉につくせ ぬほど苦しめているではありませんか。ラーヴァナさまの犯している怖ろしい罪は、いずれご自身に還ってきます」
マンドラーリー妃はさらにこう言います。 「ラーヴァナさまも、きびしいカルマの法則からは逃れられませぬ。わたくしは王家の娘であり、 息子のインドラジッドは無敵の勇者であり、あなたさまはわたくしの主人ではあるけれど、ラー ヴァナさまとわたくしどものことを思うと、いつも不安でなりません。どうかお気をつけください。女は炎のようなもの。みだらな目、言葉、ふるまいで、女を辱〈はずかし〉めてはなりませ ん。それは大きな罪だからです」
ラーヴァナはマンドーダリーの言葉をまともに受け取とろうとしませんでした。それどころか、 嘲笑〈あざわらって〉っていました。
ラーマと魔王ラーヴァナとの戦いは、すさまじいものでした。ラーヴァナは蛇の矢(サルバー ストラSarpastra)を放ちました。あたり一面が、たくさんの蛇でおおわれました。ラーマが大鷲 の矢(ガルダーストラGarudastra)を放って反撃すると、蛇はみんなたちまち食べられてしまい ました。森を放浪しているただの人間に、限りない力があるのを見て、ラーヴァナは驚きました。 マンドーダリーの言葉を思い出します。妃はこう言っていました。 「ラーヴァナさまはシュリー・ラーマのお力をあまりに低く見ておいでです。ラーヴァナさま、 ラーマさまはただのお人ではございません。あのお方こそまさしく最高神ナーラーヤナの化身。 猿どもの力を得て海を渡る橋を架ける者など、いったいどこにおりましょう。ラーヴァナさまは、 みさおと徳の鑑〈かがみ〉であられるシーター姫を誘拐してしまわれたのです。まだ遅くはございません。どうかラーマさまをお訪ねください。シーター姫をお返しし、お情けをいただくのです」
しかしラーヴァナはこう言い返しました。
「たとえこの身は朽ちようとも、ラーマの情けなどいらぬわ!」 戦いの七日目、ラーマはインドラ神からもらった「首の矢(カンターストラKantastra)」を放
ち、魔王ラーヴァナの十の首を切り落としました。ここに大魔王は倒れ、息絶えたのです。



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