鱒釣堀競技 ”者” Stanの備忘録。

夏は渓流、冬は鱒釣堀大会。
鱒族中心に季節が過ぎてゆく、
私の独り言&備忘録。
タイトルは、トラエキ復活まで。

カムチャツカ釣行記 6/9

2015-03-14 19:43:05 | 鱒釣り
● 8月14日
昨日の雨は未明にやんだ模様。いつもと同じ、湿度の高い朝。
朝食後、まだ湿っているテントを袋に押し込み、本日は、半島を東西に横切るプロトニコヴァ水系に移動する。
途中、様子見を兼ね、主要道から近く、アクセスのよい漁獲施設のある場所から入川する。
水色はビストラヤ川水系よりも薄い濁りがあり、水深はひざ下程度。
木曽川上流部のような渓相で流れが速く、底石がぬめりに覆われ、やたらと滑る。
瀬から、ガリエツが1匹出た以外は沈黙。少し下流に移動すると、水深は股下程度になり、
流れも幾分安定し、狙いが絞りやすくなった。(対岸の緩流帯と倒木)
リアライズは重量のバリエーションが豊富で、動きのイメージは維持したまま(然程気にせずとも)
たとえ釣り場の様相が変わっても速やかに他のパラメータ(軌道とか、レンジとか)調整に専心できるのが心強い。 この水系に移っても、相変わらずガリエツは高反応だが、良型の比率が高まった気がする。
ミキージャは、相変わらず小型のみ。
小休止のあと、心地よい良い陽光に干され、完全に乾いたテントを回収し、移動。
 

ロシア料理といえば、、、”ボルシチ”!!私はてっきりロシアでは、日本の味噌汁と同じく、
いつでも何処でも食べているものと思い込んでいたが、今回の一連の食事では見かけない。
流石に、ロシアに来てボルシチを食べずに帰るのは如何なものかと、
ジェイナさんに相談したところ、調理を快諾。食材を求め、アバチャの街へ買い出しに。
 
”街”といっても、ソビエト時代に建てられた団地が集結している、モノトーンな風景。
そこに食料品店、雑貨屋等が、団地の居抜きそのままに地味に営業している。
ただし、店内に入ると扱う品々は豊富で、そのギャップは意外だった。
キャベツ、パプリカ、ニンジン、トマト、サワークリーム、豚肉の塊等を買い込み、
残るはボルシチの赤い色の所以である、シリコバ(ビート?)を求めるが、
どの店で聞いても、ニエット。。。ない。 しかし、ジェイナさんは諦めない。なぜなら、
これがないと”ボルシチ(ボルシー)”ではなく、”シー”という別の食べ物になるそうだ。
ほぼ総ての店をまわり、諦め気味に最後の店で見つけたシリコバを、私たちは大喜びで購入。
川に戻る道中、ジェイナさんがカーオーディオで音楽を再生する。彼の友人、Павел Хорошутин
という人のロシアンブルース? 恋に敗れたオトコは~森に行くのさ~ (ロシアではそうするらしい。)
などなど、熱く唱えている。なかでも、Федька бизнесмен (フェチカ ビジネスマン)という、
ビジネスマンを揶揄する曲のサビの部分が心地よく、頭から離れなくなった。  結構、イイかも。。。

そんな熱唱音楽に包まれながら、車は先ほどのプロトニコヴァ川の更に下流へ向かう。
幾つかの支流を飲みこんで展開した結果、風景は一変。広い空間が広がる気持ちの良い河原。
ここを昼のベースとする。河口までは流程にして60kmくらいあるのだが、空にはカモメが舞っている。
天気も好転し、最高のロケーション。ここにテーブルを拡げ、ジェイナさんはボルシチの準備に取り掛かる。 
私は釣り上がり、Small Pondさんは釣り下った。
前述通りの川の仕様ゆえ、川幅は広く、水深もあり、流れが太い。そこで、
今回持参した最重量級リアライズ25g登場。今回のタックルでは仕様+αの重さではあるが、
うまく決まるとアップクロスの対岸着水地点とその周辺。
さらに手前を横切る太い流れでのターンの二面展開で反応を引き出せた。

なかでも圧巻は、分流した流れが再び交わる中洲下にできた大きな反転流。着水点ギリギリではあるが、
少し立ちこんでフルキャストすることにより、何とか釣りになる。
少し上手に着水させ、そのポイントに送り込むと、明らかに流れが変わるのが知覚され、
しかも川底は魚で覆い尽くされているのではないかと思うほど、
再現性のある激しいバイトが続く。掛けてからは途中の太い流れを横切らせることもあり、
重い走りと、スピードが強烈に竿を引き絞る。結果的に、ミキージャは出ず、ガリエツの巣窟だったのだが、
充足感に満たされて引き揚げることにした。
ベースに戻ると、ジェイナさんがボルシチ調理の山場をむかえていた。




肉を香辛料を一緒に丸ごと鍋で湯がいて風味を出し、千切りしたキャベツを加える。
別のフライパンでタマネギ、パプリカ、ニンジン、トマト、そしてシリコバを炒める。
充分火が通ったあと、鍋に投入。 その瞬間、鍋全体が一気に鮮やかな紅色に染まり、食欲が刺激される。
あとはしばし煮みに入り、小休止。
気がつくと、草むらで小動物が争っているようで、キキキキキキと慌ただしい。
そのうち勢い余って1匹が私達の目の前に転げ出てきて、呆けたように静止した。
ジェイナさん曰く、”ノルカ”と、ささやく。(ミンク?)。
驚かさぬよう胸ポケットからゆっくりカメラを取り出し、そーっと撮影。


Small pondさんも引き返してきて、待ちに待ったボルシチ昼食! 
紅色の皿に、真っ白なスメタナ(サワークリーム)を加えて一口。 言葉が、出ない!
歯応えのある黒パンとの相性ばっちり。その他は、何も要らない。大満足。
食後、ジェイナさん曰く、「もう、野外でボルシチは作らない。」と、結構な手間であったことを打ち明けた。 

食後、私は釣り下り、Small Pondさんは釣り上がった。
私的には充分満たされた後のクールダウン程度の気持ちでノンビリとしたものだったが、
ダウンから岸沿い下流にスプーンを流し込むと、ミキージャがヒット。
どうもアップやクロスではガリエツは反応するものの、ミキージャには何らかの理由で追いきらない理由があり、ダウンからの巻き上げには反応することが漠然と見えはじめた。
その検証をするにあたり、、、。でも、今日はもう充分。 贅沢に釣り過ぎた。
その後ベースに戻り夕方まで、しばしの時間を釣り以外でウダウダ過ごす。

ようやく日が傾きだした午後7時前。ベース近くでSmall Pondさんは粘りの釣りを続けていた。
ライズが増え、魚に動きが出はじめたのは確か。アタリも一気に増えてきたとのこと。
手前の流れは速いが、巻き返しに、ダウンにキャスト~表層を引く。
すると、待望の大型ミキージャ(ニジマス)がHIT! なんと、MIU3.5g明太子色で。。。
勿論、ヒレはピンピン魚体も綺麗。非の打ちどころのない50だった。
少々複雑な心境ではあるが、カムチャツカの釣りに、新たな視野が広がった。
この一匹を潮時として、快適だったベースを撤収。本日と明日の宿である、アバチャホットスプリングへ。
いわゆる、温泉(プール)を核としたリゾート施設であり、清潔感のあるログ風の内装が、
これまでの野外活動から移動してきた私たちにとっては、少々戸惑う佇まいだった。
 
目一杯釣りを愉しんだ私たちが、宿に着くころには1Fの食堂には誰も居らず、通常の晩飯にはありつけない。
仕方なく併設されているカフェへ行くと、まだ営業中。 ウズベキスタン軽食とのことだったが、
サラダ、パン(レピョーシュカ)、餃子(ワレニキ?ペリメニ?)、
途中で買った魚の干物(コーリュシュカ:キュウリウオの類、卵が絶品!!)、
そしてペットボトルから注がれる自家製ビール(視覚的には、アレだが。。。)で乾杯!!
という、シンプルな夕食だった。
食後は、プールに行くかという話も出たが、、、。
流石に数日のテント泊では取りきれない疲れもあり、部屋に入って、
山賊髭のベアグリルス風サバイバル番組とか、ロシアの潜水艦特集とか、、、。
(結構見応えある)ロシア版ディスカバリーチャンネルもどきを
ベッドに寝転がり眺めているうち、いつしか眠りに落ちていた。。。



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