鱒釣堀競技 ”者” Stanの備忘録。

夏は渓流、冬は鱒釣堀大会。
鱒族中心に季節が過ぎてゆく、
私の独り言&備忘録。
タイトルは、トラエキ復活まで。

カムチャツカ釣行記 7/9

2015-03-15 08:13:20 | 鱒釣り
● 8月15日
この日の朝も、空は白んでもなかなか太陽は顔を見せない。
でも、朝の食堂へ行き、「ドゥーブラヤウートラ!」と、ニコニコ給仕してくれる、
レストランのおばちゃんに接していると、あ~朝だなぁ。という気分が盛り上がる。
気持ちよく朝食の後、連泊ゆえに気楽な装備で出発。


暫く未舗装整地~荒地~未舗装整地~荒地を繰り返してカリムチナ川にはいる。
昨日より川幅は狭い。20m程度。両岸は熊の踏み跡で道が拓かれており、昨日までの開放的な川原とは一変。熊の気配が間近に感じられ、改めて熊への警戒は怠らないようにする。
昨日ほどの巣窟ではないものの、要所ではガリエツが相手をしてくれる。
特にリアライズ15gブルーピンクへの反応が、すこぶるよい。
立て続けにガリエツが反応した跡を幾度かトレースし、川の中央部をころがして過ぎ、
スプーンの向きが手前下流を逆引き状態になり、スプーンが浮き上がったとたん、ガツンとヒット。
今までとは一寸毛色の違う喰い方と、その後の走り方。「違う。」つまり、良型のミキージャが
ヒットしたことを確信。あとは、どうバラさずに手前によせるか。だ。
慎重に、慎重に、しかし主導権は渡さず、手前に寄せる。なかなかのサイズ。
カムチャツカ入りして数日。連日の大物で、少々尺度が狂い始めていることを自覚しており、
今回ばかりはメジャーで測る。52.5cm。思ったよりも小ぶりだったが、、、。
鰭、体型、体色。そして体高。全てが完璧な個体だった。
 

記録にとどめるべくカメラを出すと、よりによってメインカメラはバッテリー切れ。
予備として持っていた携帯カメラのみで記録を試みるが、フォーカスが遅く、そうこうしていると、
肝心なところで暴れてしまい、岸際に横たえた宝石が、段々泥まみれに。。。
悪戦苦闘して何とか写真に収めるも、推して知る程度の解像度と、泥まみれの魚体。
久しぶりに高揚感を感じる魚に出会いながら、準備が反故になってしまった。
商業写真ならば、生け簀にキープして仕切り直すところだが、まぁよし。
弱らないうちにリリースして、気分よく小休憩とする。
そのあと、車でもう少し上流に移動。
川に近づいては、離れ。どのようにして、何のためにこの道が拓かれたのか、全く意図不明な、
いつ川に交わるかも分からない荒地を進み、ようやく入川点に辿り着く。
その場所では、明らかに人間の所業ではない、鮮やかなオレンジ色の鮭の肉と骨が、
そこかしこに散らばっていた。どうやら熊の朝食直後だったようで、辺り一帯が生臭い。
それらをよく観察すると、全身が残っていながら、鼻から頭にかけて食いちぎられている個体がある。
もっともおいしい部分(日本でいう、氷頭)のみ食べたのだろうとのこと。熊さん、やりたい放題の様子。
川の様子は先ほどと大差なく、特筆する魚が出ることもなく徐々に釣り上がる。
少し上流部のチャラ瀬下に雰囲気満点の場所を発見するも、、、。
なんとガイドであるジェイナさんが先行して釣りはじめる。。。 ま、いいか(笑)と。
(どうやら、宿の料理人のおばさんに、魚を所望されて張り切っていた模様。。。)
私は釣り下って車に戻り、ヨーグルトとコーヒーで一息。
その後、Small Pondさんはその場所に入って、良型ミキージャを連発!!とのこと。
ま、、、、、いいか(笑)

その後、下流に釣り場を移動。水深と水押しが強くなり、立ちこむことは不可能。
それでも、宿のおばさんへのお土産用袋は、順調に膨れていった。
休憩のためベースに戻ると、緑のラダニーヴァが停まっており、見知らぬおじいさんがジェイナさんと
テーブルで談笑中。ジェイナさんも初対面のようだが、釣り場の情報を含め、色々尋ねているもよう。
下流にもっといいところがあるゾとのこと。そのまま、昼食をとりながら話は続く。
昼食には、美味しいと聞いていたグレイリングのさしみ(ただし、塩味のみ。)
白身に少し赤みがかった部分が混じり、見た目と食感は鯛にそっくり。大変美味しいものだった。
ラダニーヴァおじいさんに勧めると、きっぱり 「ニエット」と、答えたが。(笑)

食後も同じ場所で釣りを続ける。これまで、日中は中層以下の流れに馴染ませる流し方を
心掛けていたのだが、どうも今は魚は上のほうでも十分反応しているようだ。
表層でパラパラ動くMIU8gが、相当な反応を引き出す。
非常に明確なアタリがコツコツ続き、程なくグイーンと気持ちよく入り込むアタリ。
元々遠投性能に優れているMIUだが、適度な風が背後から吹き、着水点をひと伸ばししてくれる。
ゆえに、表層を引くのみであれば、8gも十分釣りが成立し、むしろ、前述の暴れる動きに加え、
10g台に比べて小さなシルエットが魚に訴えかけるようだ。
また、顕著にゼブラ柄に反応があり、オールドタックルの時代から存在するゼブラは、
魚の捕食にスイッチを入れる、記号化されたアピール力を備えているようだ。


本日の宿に持ち帰る魚も十分確保し、意気揚々と引き上げる。
食堂のおばさんの喜ぶ顔を見たかったのだが、今日も閉店後の帰着。
夕食は例によって、隣接のカフェ。ジェイナさんがシャシーク(肉の串焼き)を予約してあったようで、
既に炭火で焼く肉の芳香が漂う。火力の調整は、炭に水をかけるという方法で、じっくり焼く。
ジェイナさんがニコニコしながら、残り少なくなったウオッカのボトルを抱えて戻ってきた。
この夕餉も今日限り。皆でそそぎ分け、乾杯!
息を吐いて、吸う段に、グラスを傾け、胃まで一気に注ぎ込む。そしてゆっくり息を吐き出す。。。
温かい幸せな笑顔が、自然にこぼれだす。
ちなみに、呑み終えたボトルは倒す。これがマナーとのことだ。
私にとってのロシア人とウオッカ。ソビエト連邦の時代から頑なに持ち続けてきたイメージが、この旅で大きく変わった。
やはり、人は、ヒト。国や人種、信条は違えど、根源は呆気ないほど同じである。

食後は、そのまま爆睡モードに入る気持ち満々だったのだが、ジェイナさんがソワソワ。
プールに行こう!と云う。そう、ここは温泉リゾートなのだ。プールは夜中も解放され、
むしろ夕方よりも沢山の人々が、一杯気分も手伝って陽気に遊んでいる。
ここで、前回競泳で負けた私は、ジェイナさんに再戦を挑んだ。種目:「息こらえ」で。。。   
地味な再戦中、Small Pondさんがイタズラの虫を抑えきれず、
私の頭を押さえて沈める暴挙があったにせよ、今回も完敗。。。
そんなこんな、いい大人のコドモのような遊びの時間を終え、
睡魔と愉しい疲労感たっぷりにベッドに入ったのは1時過ぎ。

いよいよ明日は釣行最終日。

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