すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

縁側の日・新しいステージへ

2012-04-16 | 縁側の日

4月5日(木)より

この日、「縁側の日」の新しいスタイルが決まりました。

◆第2火曜日 10:00~ 
 これまで参加してくださった方のみ。

◆「自分たちの豊かな老後に向けて」
 原点は、まずは自分たちが元気でいられるように。

◆お楽しみをプランニング
 介護を終えた人も現役中の人も参加できるような
 夕食会や日帰り温泉ツアー、音楽会、リラックス法の実践など・・・
 臨機応変、プランしていきます。

●人にわかってもらえない家族

「縁側の日」を始めたのは、4年前。

中道さんから
「認知症に関心のある人の集まりをしないか?」
と声をかけていただきました。

その時は、
認知症とは言え、母もまだ元気で、
「母も一緒にできるペース」を条件に
頭の体操を兼ねたおしゃべり会
くらいの気持ちで始めました。

当初は、母も参加して頭の体操もしていたのですが、
参加者が増えるとともに変わってきました。

集まってきた人が抱えているものは、
そんなものではなかったのです。

家族が認知症になると、
「どうしてこれができやんの!」
「どうしてこれがわからんの!」
と混乱の毎日。

これまでできたことが不意にできなくなっていくのですから、
家族は理解できない。

そのために喧嘩し、
家族の者が自己嫌悪に陥り、
くたびれ果ててしまうのです。

家の中と家の外では違う顔ができる。

これも、認知症初期の症状ですから、
いくら話しても人に判ってもらえず、
苦しむ。

当時は、
今ほど「認知症」のことも知られていませんでしたから、
当然です。

自分の思いを話しながら、
まず家族が少しずつ自分を取り戻していくようでした。

そして、認知症の家族の様態を話し、
認知症のことを知り、
どう対応していったらいいか
各々のコツを得ていくことができたのではないでしょうか。

●進行の早さと社会資源のマッチング

認知症の進行は早い。
しかも、他の病気を併発しやすい。

私も母の「認知症」を受け入れた時、
今のような状態が訪れようとは
想像もしていませんでした。

皆さんもそうだったと思います。

しかし、症状は刻々と変化していったのです。

先月と今月で症状が違うということも度々です。

極端な例は、
やっと対策が見つかって帰っていったのに、
翌月の縁側の日には、
お葬式だった・・・ということもありました。

その進行と状態の変化の早さに対応していくには、
認知症の家族のことを
よく観察した上での判断が要ります。

皆さん、それができるようになっていったのだと思います。

自分たちだけでは看ることができない現状を知り、
どんな社会資源があり、
どのように使って行けばいいのか?

「縁側の日」は、
それを常に試行錯誤していく相談会のようになっていきました。

●「縁側の日」自体がネットワークに

気がつけば、「縁側の日」自体がネットワークになっていました。

それは、認知症の家族だけでなく、
中道さんの他にも参加者として、
ケアマネージャー、施設長、看護大学の先生など
いろいろなお仕事をしてらっしゃる方が
参加してくださっていたからです。

ですから、
愚痴を吐き出すだけの場でなく、
皆が明るくなって道が開ける場になっていたのだと思います。

そのうちに、
自分たちに合った社会資源を
自分で探すようにもなっていきました。

今では、皆さん、
施設や病院と
またその認知症の家族の方と
程よい距離で、うまくつきあっていらっしゃいます。


●共に歩んでこれたから、ここまで来れた。

すでに認知症の家族の方を
見送られた方もいらっしゃいます。

「認知症」の場合、
死別ではない「別れ」・・・
「過去のその人との別れ」
「入所時の別れ」 というものを
人によっては何度も経験するのではないでしょうか。

その傷みは、体験した者にしかわからないかも知れません。

そういう思いを共有できる人たちに出会えたのも
「縁側の日」があったからです。

また、私たちは同じような時期に出逢えたお陰で、
実際に介護しながら
共に歩んでくることができました。
 
●縁側の日の節目を実感

しかし・・・

これから新しい人が訪ねてこられたらどうだろう?
以前のように自分ごととして考えることができるだろうか?
その人たちをサポートすることができるのだろうか?

認知症の人、
その家族の人のサポートは必須です。

しかし、そうそう容易いことではありません。

「縁側の日は、一つの節目に来た」

そう私は実感していました。

折りしも、
三重短期大学で講師をしていらっしゃる中道さんが、
今春から木曜日の午前にゼミが入り、
第一木曜日はできなくなりました。

そこで、「縁側の日」を続けるか、
また、続けるとしたら、どのようなことを望むか?
と皆さんにお尋ねして検討しました。

そして、
「縁側の日」の新しいスタイルが決まったわけです。

認知症の家族が残してくれたご縁を大切にしたい。

それが皆さんの思いでした。

●一人一人が社会の光に 

最後に中道さんから、
思いがけない言葉がありました。

「わしも、講師ではなく、
一参加者にしてもらえると嬉しいんやけどなあ・・・。

学生をここに来させてもらったり、
あんたらに学校に話しに来てもらう
というのもできるといいんやけど」。

なるほど~

「縁側の日」の出会いを大切にしながら、
一人一人が、それぞれ社会でできることもきっとあることでしょう。

小さくても、それは「光」。

今度から、中道さんも一参加者です。

 

さてさて、どうなりますやら・・・
楽しみです。

というわけでございます。

皆さんに提供できることがあれば、
ブログでも紹介していきますね。

★★ 長文をお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m ★★

 


 

 

 


 

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