すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

バスに乗り継ぎ、一人で帰ってきた!

2009-02-28 | 素老日誌

2月13 日( 金 )より

●「美容院から一人で帰る」に挑戦!

10時過ぎ。

娘:頑張ってな!
母:はい、がんばるわ。ありがとう!

母を一人美容院の前で降ろし、
私は家に帰った。

直腸脱になる前は、
母を美容院まで送ると、
その後は、母一人で好きなところに行き、
バスかタクシーで一人で帰ってきていた。

しかし、直腸脱になって以来、
全く一人で外出できなくなった。

一人で外出するのは、9ヶ月ぶりのこと。

今日は、「母一人で帰る」に挑戦なのだ。

バスなら乗り換えなければならない。
タクシーであれば、道案内をしなければいけない。
これは、かなりの冒険なのだ。

母のかばんには、
事故や迷ったときのため、
連絡先を書いて入れてある。

何かあったら、きっとどなたかが助けてくださる。
連絡を下さるに違いない。
事故にあったとしたら、母の運命だ。

そう私は思った。
子どもを初めてのお遣いに出す心境に似ている。

お世話になるどなたかに向かって・・・

「お世話になります。
どうぞよろしくお願いいたします」。

私は、無事を祈った。

●「大丈夫!」と思える確信は?

「冒険」とは言え、
「大丈夫」と思えるだけの確信も私にはあった。

1.体力は大丈夫?

ここのところ、
週に3日ほど、母は私と一緒に散歩をしている。

直腸脱になる前は、散歩にも全く行かなかった。

むしろあの頃より、体力はあると言えるだろう。

2.道順は、大丈夫?

直腸脱になる前
美容院までの道中、
「ここは、~やな」と必ず確かめる場所が二箇所。

さて、母は、そこで反応するだろうか? 
それを覚えてないのであれば、
迎えに行った方がいいかもしれない。

さて、当日母は、見事にクリアーした。

3.お金の支払いは大丈夫?

近所のサークルKへの買い物で実験・練習済み。

大丈夫だった。

この三つがあったから、
私は母を冒険の旅に出すことができたのである。

果たして母は、無事帰ってこれるだろうか?

●記憶装置の摩訶不思議よ

4時半ごろ・・・。

母は、ちゃんと帰ってきた!

一人で帰ってきた!

ぶらぶら歩いて!

ということは、バスに乗れたんだ!

 

娘:お母さん、どこ行ってきたん?

母:???・・・あれ・・・?

娘:何に乗って帰ってきたん?

母:???・・・あれ・・・? 

 

今日の6時間半は、どこにしまわれているのか?

ああ、記憶装置の摩訶不思議よ。


何にせよ、今日は、母の記念日だ。

おめでとう!

 

 

 


 

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ケアマネージャーさんと頭の体操!

2009-02-26 | 縁側の日

縁側の日
 月に一度
 中道和弘さんをお招きして開いています。
 認知症に関心のある人、
 どなたでもどうぞ!

2009年2月5日(木)より

この日の参加者は、8人。
家族に認知症の方がいる方、
ケアマネージャーを仕事としている方、
さらに、
参加者の家族担当のケアマネージャーがお二人も。
ヘルパーをしている方の新しい参加もありました。

偶然にも顔見知りの方があり、
「え~!」という驚きもありました。

今日は一体どんな場になるのだろう?
いつもに増して、ドキドキと始まりました。

●カッコつけられない「頭の体操」

今日は、認知症の方がおられません。

それならば!
とニヤニヤ中道さんが出してきたものは・・・!?

かな拾い、数字入れ、式つくりなど・・・
頭の体操になるものばかり5種類!

 「えー、わからん~!」
「私、小学校からやり直した方がいいわ」
「あれ、これなんとしてもわからん!」
「なあ、答え合わせして」
「もいう一回一緒にやってもらえる?」
「あれー、あと一つ見つからん!」
など・・・ワイワイ・ガヤガヤ。

カッコつけたくても、つけられません~!
恥ずかしくても、あきらめざるをえません。

ケアマネージャーさんにも
弱みもあり、頭も回りにくくなっている。
私と同じじゃーん!(あら、ごめんなさい!)
一人の人間の素の面が見えて、
私は大いにほっとしました。

「ケアマネージャーさん」には、、
私の悩みを聞いていただいたり、
母のケアプランの相談に乗っていただいたり、
アドバイスをいただくばかり。

いつの間にか、「頼れる人」であるのが、当たり前になりがち。

その関係が、この場で取っ払われる様な気がしました。

わからないときは、「わからない」。
おかしいことは、「おかしい」
とお互いに言える。

そんな関係でいたいもの。

それは、
こういう型をはずしたつきあいから生まれたり・・・
介護もさらにスムーズになるのでは・・・?

なんて、私は思ってしまいました。

●「迷惑」から「知ってもらうチャンス」

「おじいちゃんがあちこち出かけて、
自転車を間違えて帰ってくるので、
謝るのに疲れてきました」
という話がありました。

そこで、皆さんから出てきたのは・・・

・おじいちゃんのことを叱らないで、
 一緒に謝まりにいくなんて、
 なんといいお嫁さんなんだろう。

・長い年月、よくやってきたねえ。

・外に出るって、すごく刺激がある。
 家にばっかりこもっていたら、
 きっともっと認知症は進んでいたのではないかしら。

・謝るときに、
 事情を説明して鍵をかけてもらうように
 頼んでもいいよね。

・スーパーなどで、自転車がなくなったら、
 うちかも知れないから連絡をくれるよう、
 連絡先を事前に知らせておいてはどうだろう。

・おじいちゃんに自転車を間違われた人は、
 きっとこれから、鍵をかけてくれるよ。
 だから、そのうち鍵をかける人が増えて、
 件数が減っていくんじゃないかなあ。

・今後、おじいちゃんと似た症状の方が現れるかもしれない。
 これを機に地域の人に知ってもらっていたら、
 次の人・家族の人は楽になるかもしれないよ。
・地域の人に事情を話して、
 認知症のことを知ってもって、
 協力してくれる人を増やすチャンスだよ。

・たくさんの人と知り会うチャンスとも言える。

などなど・・・

いろんな人がいると、
いろんな意見がいただけるものです。

ありがとうございます。

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「~しなさい!」に異常を感じたら・・・

2009-02-11 | つぶやき

●自分の姿に無意識・イライラ?

相手が自分の子であれ、
教室の生徒であれ、
「~しなさい!」と言うことはよくある。
「~しなさい!」と言わないと心がけてはいてもだ。

しかし、
異常に「~しなさい!」と言うときがあるものだ。

そういう時、私の場合・・・

私自身に
「しなくちゃいけないこと」があるとき。
その「しなくちゃいけないこと」に
手をつけられずにいるとき。

まるで自分のような姿に
無意識にイライラするのか・・・
自分に言うべきことを目の前の相手にぶつけている。

人に何かを「させよう」とする。

なんとエネルギーのいることか!
疲れることか・・・

● 自己チェックで、省エネ!

ところが、
自分のやるべきことに一生懸命になると、
「やるべきこと」が進んでいくことで
私の気分がよくなる!

ふと気づけば、子どももやるようになっていた。
なーんてこともよくあるのだ。

結局こっちの方が、
 省エネ!
 時間の節約!
 社会貢献度大!

だれかに「~しなさい!」と言い始めたら、
「自分がやるべきこと」は、なかった?
と問いかけてみよう。
そして、
自分がどうしたら取りかかれるだろう?
と考えてみよう。

自己チェック能力が麻痺する前に。

コメント (2)
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