すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

Nordic Harp meetingの余韻に浸りつつ

2022-10-25 | 北欧民族音楽
「無事、帰って来ました~!」

この2階がメイン会場でした。

予定より一日遅れの月曜日に
Nordic Harp Meeting(NHM)から、
無事帰ってまいりました。

帰路は、かなり
スリリング

NHMを一足先に一人出て、
バスを乗り換え、ヘルシンキ空港到着。

「ここまで来たら一便乗るだけ」
と、ひといきランチ。

そこに入ったのが、
トロムソ直行便キャンセルの知らせ。
見つかった代替え便は、
明朝
しかも、
ヘルシンキ→コペンハーゲン→ベルゲン→トロムソ
3便乗り継ぎと来た。

幸い仕事の代わりも見つかり、
ホテル(サウナつき!)で一泊。

次は
明朝、コペンハーゲン到着寸前のこと。

ベルゲン行きの情報がない」と言われ、
乗り換えセンターに行くと、
遅延の為ベルゲン行きが、
またもキャンセル
オスロ経由に変更だと。
それもオスロでの乗り継ぎ時間は超短い!

こうして「無事」トロムソに着いたときは、
かなり満足していました。

だって、以前の私なら、間違いなく
心臓はバクバク!
ちゃんと乗れたか、どうか・・・?

でも、
落ち着いておれたんです。

慣れもあるでしょうが、
ある程度英語が聞き取れた。
だから、
わからないことは聞けたんです。

やったなあ、ハルコ!

こんな私を見せてくれたハプニング。
いやあ、感謝、感謝です。

● NHMのよさが、見えてきた

さてさて、肝心のNHM。

以前の私の頭の混乱状態を話すと、
「わかる、わかる」と自分の体験を話してくれたり、
「ほら、今もぐちゃぐちゃ」
と一緒に笑えたり。

トロムソでは一緒に弾くハーパーがいない分、
一音でも他人と響き合うと嬉しくてたまらない。

また、これまで参加した二回に増して、
NHMのよさがよく見えてきました。


毎年、主催国が回る。
(今年はフィンランド、来年はエストニア)
 その国の人に任され、自主的運営がされている。
 
中心はいるので相談に乗ってもらえるし、
 手伝ってくれる人もいる。

・主催国が変わるので、
 いろいろな地元の人が参加できる。

強制が一切なく
 参加者側も 講師側も 自主的、自由に関われる。 

家族で参加できるので、子供の成長も見え、
 次第に皆が家族のようになっている。
 15回目の今年は、
 子どもが、大人と一緒に弾いたり、
 ワークショップに参加していました。

・「Altspel(みんなで弾く)」は、
 
楽譜からでなく、耳から
 メロディー、伴奏を学ぶ大事な機会。

・北欧の古き音楽が 
 国をまたいで 自然と伝えられる


カンテレ、マンドリン、ニッケルハルパなどの
参加もある。
「ハープ(琴)」をキーワードに 
 「日本の琴」も登場

今年は、日本人の参加が、3人でした。  

その繋がりが奇跡的。

今夏、
トリタニタツシさんの出演をきっかけに
私はカウスチネン音楽祭に行きました。
そこで出逢ったのが
ひろみさん。

彼女はNHMに興味を持ち、
NHMにコンタクトを取り、
NHMで
琴のワークショップをすることになりました。

さらに、ひろみさんが、
ハープを弾く
美琴さんをINSTAで見つけ、
フィンランドに留学中の美琴さんも
NHMに参加。

美琴さんは、
3年前にNHMに参加した
hatao & namiの大ファン。
(奈未さんは、私のハープの先生)
彼らのコンサートに感動し、
アイリッシュ、北欧音楽にはまり、
ハープも始めたというのです。

私が初めてNHMを知ったのは
上原奈未さんからです。
まさに「めぐる縁」とはこのことです。

NHM3日目土曜日の夜のコンサートで、
日本人3人で
「赤とんぼ」を演奏しました。

カウスチンネンから帰ってから、
私とひろみさんで準備していたんです。

そこで、「美琴さんもぜひ!」と
今回初めて弾いたお琴で共演決定。
それも、コンサートの前日のこと。(すご!)


ハープは会場でレンタル、Camac Janet

 琴を自由に弾く参加者

ひろみさんの琴のワークショップも衝撃的。

参加者全員が弾けるようにとひろみさんは、
お琴を4台を持参。

彼らは、熱心に基本の弾き方を教わった後、
なんとも自由に弾くんです

私は
お琴を弾くのが、実は今回が初めて
日本人であり、
お琴をすぐそばで、
聞いたこともあるにも関わらず、です。

琴は、高貴な楽器と思いこんでいて、
「弾かせて」とは言えなかったんですねえ

彼らの自由さ、楽しむ様子が羨ましくて、
もう一回弾かせてもらいました。

日本のハープ・琴
なんて、いい響きなんでしょう。



気づかずにいる壁」
低くなっていくといいなあ。

Tim Rohrmann さん(ドイツから参加)の
ハープの音色に包まれつつ(CD)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳が蓋をして、一山超えたみたい!

2022-10-17 | 日本とノルウェー
9月の私の誕生日に、
感謝を込めて招いた友人がいます。


9月の私の定番ケーキ、リップスケーキ

相方さんの友人で、
私が初めてノルウェーを訪れて以来、
11年間ずっと
私を彼女たちの輪に入れてくれました。

私は英語の時期でさえ、
ろくに喋れなかったのに、
「ハルコ、好きだわ。
 一緒にいて心地いいもの」と。

この感性に
どれだけ支えられてきたことでしょう。

この誕生日に言われた言葉は、

「私たちの言葉、ノルウェー語を
 こんなに喋れるようになって。
 なんて素敵なの。
 ありがとう、ハルコ!」

彼女たちからこんな風に言われたのは、
初めてです。

聞く一方だった私が、
結構喋れたからか、と思います。

でも、自分でも、
一山超えたような気がしていたんですよね。

「脳」が楽になってきたんです。

今日は、私の脳に起こっていたことを
お話したいと思います。

年齢、性格、語学経験、環境によって、
それぞれ違うと思うので、
あくまでも「私の」お話です。

私は5年前、50才半ばで
ノルウェーに引っ越し、
英語だけでやっていくつもりで、
ゆっくり英語の力をつけて行こう。
そう思っていたのに、
ノルウェー語を始めることになりました。

私の英語の力はと言うと・・・

当時英検2級を合格したものの、
聞き取りは実質0点。
とれた点は「まぐれ」です。

相手の喋るのが聞き取れない、
日常会話の言葉やフレーズもろくに知らない。

すると、会話になりにくい。

「定着」とは、
全く言えませんでした。
(ちなみに相方さんとは話せた。
 これが不思議なところです)

こんな私が、ノルウェー語を始めると
脳の混乱状態が起こりました。
これは、全く想定外。

ノルウェー語を話そうとすると、
英語が出てくる。
英語を話そうとすると、
ノルウェー語が出てくる。

これは、何語?どっち? 
今、話そうとしてたのは、何語?どっち? 

この混乱期が、長かった・・・!

そのうち、英語を話そうにも
ノルウェー語しか出なくなりました。

そのノルウェー語とて、絞り出している状態。

私は
「英語」をあきらめ、
ノルウェー語に絞る
ことにしました。

いつか、きっと英語も話せる時がくる、
と信じて。

今年、日本にいた3か月は、
相方さんと電話で喋る以外、全て日本語。

「なんて、楽なんやぁ。
 もうこのまま日本にいたいーー!」。

それでも、ノルウェーに戻ると、
自分の変化に気づきました。

ノルウェー語が自然に出てくる。
ノルウェー語がゆっくり聞こえてくる。

さらに、もう一つ。
英語まで
前より聞き取れるようになっている???

そこで、8月から、
英語のアプリを使い始めてみました。

以前のように混乱することは、
ほぼありません。(わおー!)

あの苦痛と不安と頭痛の時期を
抜けたようです。
(よくぞ、ここまで続けてきた!)

ノルウェー語が定着したということでしょうか。

私の英語力が定着していたら、
あの混乱はなかったでしょう。

定着していない脳は不安定。
着実な方法を取るため、
脳は自動的に、
一つを選択し、
もう一方に蓋をしたのだろう、
と私は思っています。

脳とは、本人の気持ちとは別に、
余裕ある状態が好きなのかもしれませんね。
(脳の専門家に聞いてみたいなぁ)

お蔭で、心の声、体の声に加えて、
「脳の声」にも耳を傾けるようになりました。

「諦めも肝心。時は自ずとやってくる」。
「休みは、大事なカンフル剤」

今週末は、3年ぶりの
Nordic Harp Meetingです。

フィンランドのトゥルクーまで一人旅。
会話は英語。

どんな自分に出逢えるのでしょう。
久々の大冒険に、ドキドキドキ。


山はうっすら薄化粧。冬到来前の静けさ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今どきのiPhoneって、こんなにカメラがいいの!?

2022-10-13 | ノルウェーから
私は、iPadミニをずっと愛用しているのですが、
どうも危なくなってきました。

そこで、あの小っこい(皆さんが使っている普通のサイズです)
iPhoneも使うことにしました。

年々目は悪くなってくるし、
打ち間違いは増えるに決まっているし、
いややわあ、使いたくないわあ。
だけど、皆使っているんやもん。 
がんばろか・・・。

凝ったことせんから、安くていいのよ。
でも、カメラだけはいいのがほしい。

曖昧なことを言うだけで、
探そうともしない私を
フォローしてくれるのは、相方さん。

安くていいのがあった!と見せられて、
「カメラ、ほんとにええん?」
と聞きつつ、即決定。(疑い深い割に、単純)

ところが、届いてみたら、
本当にカメラが素晴らしい!(相方さんに感謝!)

なんと、あきらめていた
オーロラまで撮れるではないですか!
技なし、普通にシャッター切るだけで、
しかも、肉眼に近い!

もっと早く買えばよかった。(現金野郎。問題は別やけど)


そうです。
トロムソでは秋と同時にオーロラが戻ってきています。

満天に広がるオーロラを一度皆さんに見てほしい、
といつも思います。

でも、常に現れるわけでなし、
予測すらしがたい。

だから、「見に来てください」
と容易く言えない私です。

今回、iPhoneが嬉しくて、写真をアップしますね。
うちの庭で10分間ほどで撮ったものです。
勢いがある時は、変化も早いのです。
確かにワイドに美しく撮れていますが、ほんの一部です。

オーロラをアップし始めたらキリがないので、
「今回限定」と思っていてくださいませ。

遅まきながらiPhoneデビュー記念!







コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぼた餅いっぱい、リフレッシュの旅!

2022-10-04 | 日本とノルウェー

Harstad 図書館もホテルに隣接、子どもの部の一角

先週末は、
思い付き・一泊の旅に行ってきました。

この二か月、相方さんは、
仕事は忙しい、
風邪はすっきりせず咳が止まらない。
足まで痛め、
山歩きどころか、
外出も控え気味。

そこへ、今週末は秋晴れ!
と天気予報。

こりゃ、チャンス!

「計画を立てない、
   運転しない、
  ご飯を作らない。
  とにかくリフレッシュ!」

翌朝8時発の船で3時間、
Harstad(ハシュタ)に到着。



地元人お勧めのカフェでランチ。

丘の上までゆっくり散策。
これが意外に楽しい。
歩けたことが、何より嬉しい!


丘の上から Harsrtadの街を見下ろす

15時半、ホテルにチェックイン。

まったりと、無料のお茶とケーキを頂いて、
「4時から6時、夕日が沈む前で最高だよ!」
というサウナへ。

なんと、海に突出したガラス張り。
しかも、私たちだけで貸し切り状態。
(普通、こんな時間に来んわなあ)。

宿泊は、「kveldmat(夜食で軽食)つき」。
「ご馳走も要らないから、いいよね」
と行ってみると、
ビュッフェ形式で十分な量!

今日一日、ありがたやあ。
もうこれで帰ってもいいわ~。
※Clarion hotell Harstad。
 私たちの宿泊費は、二人で1100kr。

ところが、さらに翌日、
私にはとても興味深い現場に
出逢わせてもらえました。

ホテルに隣接するkulturhuset(文化会館)では、
月に一回のイベント
「家族の日曜日」
今日は、30分のバイオリン演奏だという。

奏者の
Cristian Chenさんが何者かも知らず、
ただ、
小さな子どもたちにどうアプローチするのか、
興味が湧き参加してみました。

参加者は、親子を含め、40~50人。

「子どものカフェ」としてパンや飲み物が提供されるので、
子どもたちはパクパク。

マットが敷かれているので、赤ちゃんもOK。
子どもたちはゴロゴロ、キャッキャッ
転がって遊んでいます。

「始まりますよ」という言葉がけすらなく、
Cristianさんが登場。

彼女も無言。

しかし、自ずと静まりました。

ケースからバイオリンを出しながら、
流れるようにバイオリンのパーツを見せ、
爪弾きから、
そっと忍び込むように奏で始める。

表情は真剣そのもの。

子どもの気配をうかがい、
演奏法を変える。

彼女は、
即興を織り混ぜながら弾いているようです。

子どもたちに徐々に近づき、
一人一人に、
すぐそばで音色を届ける。

クラッシックとも言い切れない旋律で、
子どもの気を引く小細工は一切なし。

子どもの魂と交流しながら弾いている
とでもいいましょうか。

最後は、
遊びに行っている男の子の席に座って
音を閉じる。



演奏後、子どもたちは、
くったくなく彼女に質問するんですねえ。
「何歳?」なんて。

彼女も子どもたちと
楽しくお喋りしていました。

演奏中、
子どもたちは、食べるし、
立ち歩きもしますが、
誰も咎めません。

でも、子どもたちは、
決して大きな声で喋らないし、
音も立てませんでした。

聞いているのです。

帰ってから、
Cristian Chenさんのことを調べて、びっくり。

5歳でバイオリンを始め、
8歳から様々なオーケストラとソロで弾いてきて、
受賞も多い。

現在はオスロのオペラのコンサートマスター。

「ANIMA(ラテン語で魂)」と題して
学校など巡回もしているとのこと。

「子どもを大事にする」って、
どういうことでしょう。

いいお土産になりました。

「計画しない」。

そのお蔭で、
ぼた餅いっぱいのリフレッシュの旅でした。

10月ですね。
皆さん、
機嫌よう過ごしましょうね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする