すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

次は、スプーンの二刀流!

2011-06-29 | 素老日誌

●6月 29日(水)より

●ドン・ガバチョ!

鼻のチューブも抜いてもらって、一週間。

朝晩は出された食事を母は全部食べることができている。
(口を開けなくても、
歯の隙間から注射器で注入すると母は飲み込むのだ)

私が行くときは、
母が口を開けるとスプーンと注射器で食べ物を口に入れる。
つまり、
「口を開けなくては、食べ物が入ってこない」のだ。

お品よくわずかに口を開けていたのだが、
最近は、品などどこへやら・・・

歯を見せて開くようになってきた。

スプーンもティースプーンからカレースプーンに。

ガ~バ~ッ!と。

私は、その様にある言葉を思いだした。

「ドン・ガバチョ!」

本人も気に入ったのか、
それを掛け声にすると、
口を大きく開け直すなんてこともする。

ただし、どれも超―スローモーション!

 

注射器からも卒業?

今日は、嚥下のリハビリの先生が見にきてくださった。

右手のスプーンで誘うと
母はガ~バ~ッと口を開ける。
スプーンを傾けながら、すっと左手の注射器で注入。
モグモグモグ・ゴックン!

「うふふ、うまくなったでしょ」。

と言わんばかりに先生を見ると、ニッコリと・・・。

「それができるのなら、もう一ついい方法があります」。

右手のスプーンで誘われ
ガ~バ~ッと開きかけた口を左手のスプーンでさらに開き、
大きなスプーンをすかさず舌の上まで持っていき、
左スプーンを抜く。
母が口を閉じて、
口やあごの力を緩めた瞬間に
すーっと右手のスプーンを抜く。

大きくモグモグモグモグモグモグ・ゴックン!

お見事~~!

先生、ニッコリと・・・。

「はい、やってみてください」。

今度は、
スプーンの二刀流ですかー。

 

母も、今日はスプーンだけで7割も食べることができた。

がんばったなあー!

ということは・・・・

注射器からも卒業できる?

 

「胃ろう」を覚悟していたのに

こんな日が来るなんて・・・。

本当にありがいたことです。

 

 

 


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「介護の備え」は、自分磨き

2011-06-24 | 本の紹介

●2011.06.24.より

 

今日は、本の紹介です。

 「わが家流でいい!『ほがらか介護』」(羽成幸子著・鳳書院)

 6月の縁側の日に参加できない方が、
わざわざ届けてくださいました。

 字も大きくて、面白くってすぐ読んでしまいました。

 

 いま介護している方、
介護してもらっている方、
近所や親戚の人を手伝おうと思っている方、
まだ他人事だけど気になっている方・・・。

 

 お勧めです!

 余裕のあるときに読んでおくといいのではないでしょうか?
渦中にはまってしまうと読めないものです。

 

私の気に入ったフレーズを少し紹介しますと・・・。

 

 

・介護上手な人は、介護と同時進行で自分を生きている人。
・介護を楽しくするためには、介護者が心豊かになること。
・介護は自立の学校
・自分でできることが増えると、生きる気力が湧いてくる。
・ご先祖様を味方につける
・「できることがあったら何でも言ってね」より「これならできるけど、手伝おうか?」
・聞きっぱなしがいい

 

などなど・・・・

 

著者・羽成さんの趣味は、お稽古事。
61歳までに70個のお稽古事をされたとか。

 

そんな彼女の優しいユーモアとセンスに思わず、拍手!

 

 介護が人を豊かにしてくれる
「自分磨き」が介護の備えになる

 

という

意外であり当然のメッセージでした。

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栄養は、口からだけでOK になった !?

2011-06-21 | 素老日誌

●2011.06.21.より

昨日、母は、
朝、昼、晩と出されたペースト食を全部食べることができました。

つまり、必要な栄養を口からだけで取れた、
ということです。

それで、鼻からチューブで入れていた栄養は、
今日から中断。

いざというときのためか
まだチューブは鼻からぶら下げたままですが・・・^_^;

注射器とスプーンと口の開き具合が、

「あらま自然なこと!」

そんなことも増えてきました。

 

こういう食べ方もあるんですねえ。

なんというのでしょうか・・・

面白くって、笑えてくるんですよ。

お母さんの目も今日は笑ってました。

「あんたの笑う顔見たら、私も笑えてくるわ」

思わず笑っていた母の顔、声が蘇ってくるようです。

なんだか、いい感じ!

ありがとうございますm(__)m

 

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ずぶ濡れが気持ちいいんだよな~!

2011-06-18 | ほっとひといき

●6月18日(土)より

 今週は、
教室のお母さん一人ひとりとティータイムをしています。

何か困ったことがあったときに話すのとはまた違う、
いい時間なんです。

楽しいこと、嬉しいこと、
お母さんの趣味の話まで聞かせてもらえて、
楽しい!

1人1時間ずつ、何人続いても全然平気!

ただね、
今は、病院と家に限られてしまうってところで、
私は、つまってくるんだなあ。

それで、犬の散歩で遠出をしたら・・・

ザーーー!

急に大降りの雨。

ひえ~!

と木の下で雨宿り・・・。

農道の端には、紫陽花。

ベンチまで置いてくださって。

どなたの仕業か・・・・素敵。

なーんて写真撮ってる間にどんどん降ってくる。

もういいっか!

とズブ濡れで帰りました。

そういや、

子どもの頃もよくこんなことしてたなあ~。

この季節、気持ちいいんだもの。

 

ずっと安心してこんなことができますように。

 

 

 


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食事に注射器がバッチリ!

2011-06-15 | 素老日誌

素老日誌 6月15 日(水) より

今日いただいた「柏葉あじさい」。

葉っぱの形が、ほんと「かしわ」もどきです。

形も天にすっと伸びるようで、
もえぎ色がにじんだ白が
とっても爽やかで涼しげです。

 

13日(月)から母の食事が変わりました。

ゼリーから、ペースト食へステップアップ!

口の開け加減はさほど変わっていないのですが、
新しい方法が増えました。

な、なんと「注射器」登場!

嚥下(えんげ)のリハビリの先生が、
嚥下機能を促すためにも
開けにくい母の口にある程度の量を入れる方法を考えてくださいました。

幸か不幸か、
母の歯の治療をできなかったために
母の前歯に一本分隙間がある。

そこに、注射器の管を突っ込むと
ちょうど舌に当たり、
母は、チュウチュウと吸い始め、
ぐっとピストンを押し込むと「モグモグ・ゴックン」

こりゃ、すごい!

ただし、
食べ物を認識して口を開ける練習も今まで通り必要。

それで足りない量の食事を鼻からチューブで入れる。

と、まあ、こんな具合です。

「あせらずに根気よく」という時期で、
私が昼食担当させてもらっていますが・・・。

時間がかかる、かかる!(1時間が限界でーす!)

今はどういう働きを刺激する必要があるか?
そのためにどこをどのように刺激するか?
と・・・

ほっぺの筋肉を緩めたり、
ほっぺを引っ張った隙間からタイミングよく舌の上に乗せたり、
口の力が緩むのを待って口に傾けたり、
注射器を使ったり・・・

それを母の様子を見ながらするのですが・・・・

むずかしい~~~~!!(できるものなら、だれか代わって~!)

今は毎日嚥下のリハビリの先生が、見に来てくださいます。

自分がやった方が早いでしょうに・・・・
ニコニコと見守ってくださってます。(仏さんのようです)

「在宅」になったときの練習として指導してくださっているのでしょう。

ありがたいことです。はい、ほんとに。

母も・・・
目をパチクリしたり、
「うーん、うーん」言ってます・・・^_^;

しゃーないわー!
そのうち慣れるから、ごめんな!

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言葉が出た!

2011-06-09 | 素老日誌

素老日誌 6月9 日(木)より

 今、母は鼻からチューブで栄養を入れている。

点滴も抜いてしまう認知症の患者には、
本来は難しい方法だ。

しかし、両手が動かなくなったのが幸いして、
認知症の母でも何の問題もない。

ただ、この方法は医療行為であり、
施設では受け入れてもらえない。

すると、暮らす場所が「家だけ」ということになる。

今後のことを考えると、
「胃ろう(胃に穴をあけて栄養を入れる方法)は、やむをえないと思っていた。

しかし、

ここのところ少しずつではあるが、
母がよくなってきているし、
やっと体力がつきつつあるようにみえる。

今手術をするのは、どうだろう?

そんな私の意見を担当医にも伝えた。

すると・・・

「そばで見てみえる家族さんが一番よくわかると思います。
そうですね。もう少し様子を見ましょう」

と言ってくださった。

お医者さんはちゃんとわかってくださるんだ。
言ってみるものだなあ。

慌てずにやっていける。

私がほっとしたのも母には伝わっていることだろう。

昨日は、
整体の先生が治療に来てくださったし、
今日はどうかな?
と楽しみに行く。

 

「おはようー!」   (まっ昼間なんだけど・・・・(^_^;))

と私が言うと・・・

「お・は・よー」。

なんと、母が答えたではないか!

「おかあさん、すごい!うれしいわあ!」
「う・れ・しー」と母。

入ってきた看護婦さんに大喜びで言うと、

「看護婦にも『ありがとう』って
言ってくれたと言って
感激しとったよ」

えー、そうなんだ!

母が「認知症」を受け入れ始めた頃、
母は言ったものだ。

母:人にお世話になってもお礼を言ってないのと違うかと思って、心配なんやわ。
娘:ありがとうって思ったときに言うとったら、後は忘れても大丈夫よ。

それ以来、母は「ありがとう」を惜しみなく言うようになっていた。

「ありがとう」。

思っていても言えないのは、さぞかし辛かったことだろう。
そして、やっと言えた喜びは・・・。

当たり前と思っていることのありがたさを
母は、まだまだ教えてくれる。

 

 

 

 

 

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「あーん」とする日も遠くない。

2011-06-07 | 素老日誌

6月 7日( 火 )より

母の表情が随分柔らかくなってきました。

嚥下のリハビリを再開したのが、3日(金)。


「食べ物を認識しない」という意味がわかりました。

つまり・・・

目は食べ物を見ているのに
口を開けることができないのです。

あくびをするのも
ぐっと唇を閉じてするのです。

じゃあ、筋肉の問題かというと、
それだけでもないようです。

口の中を綺麗にするのに、
喉仏のすぐ近くをガーゼでこすっても
むせもしないのです。

ただ、冷たいものには反応しやすい。

もぐもぐするのを忘れるので、
氷水で冷やしたスプーンを舌に当てると、
ちゃんと思い出して、すぐ飲み込むんですよ。

なるほど・・・こういうこともあるんだ・・・

リハビリの先生から方法を教えていただいて、
昼食時にゼリーを食べるのを
私が手伝いに行っています。

20分でゼリー1/2個をやっと食べることができていたのですが、
今日は、20分でゼリー1個食べきることができました。

ほんとに少しずつですが、
全体的にも母は日に日によくなってきています。

母がゼリーを見ているのを確認して
ゼリーをすくって口にスプーンを持っていく。

口を開けることができないからと
無理にこじ開けようものなら、
あごに力が入ってしまうだけ。

スプーンを唇に当てたまま待っていると、
不意にふわぁっと力が抜けて
わずかに口を開く瞬間があるのです。

その時にスプーンを傾けると
チューと上手に吸い込みます。

この絶妙な間合いがうまくいくと
楽しいし、気持ちがいい!

「お母さん、上手、上手!」
と手をたたいてしまいます。

ゴクッ!
すごい音と共に飲み込む。

これまた、拍手ものです。

ゼリー1個を食べきり、
母は、うとうと・・・うとうと・・・

そうだよなあ。

「ひとくち」に全力を挙げているのです。
懸命に生きようとしているのです。

無理強いせず、母に合わせていれば、
少しずつだけど、
「あーん」と口を開ける日も遠くない。

こうして見ていると、心からそう思えてきます。

 

 

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「預かってもらっている」は、やめた方がいい!

2011-06-05 | 縁側の日

2011年6月2日(木)より

先月の縁側の日にちょうど私の母の様態が悪くなり、
縁側の日は中止させてもらいました。

今月は、予定通り第一木曜日にできました。

今日は、
久々に参加する人、
初めて参加してくださる方もあり、8人。

施設を見学し探している話、
施設で熱が出たときの対応について、
年金減額で在宅介護に戻そうと準備している話、
施設で様態が悪くなったときの
医者、施設、救急医療の利用の仕方など、
またまた盛りだくさんでした。

私の心に残った言葉からひとつご紹介いたします。

『預かってもらっている』という姿勢は、やめた方がいい」。

施設に入ると、
家族はほっとして感謝感謝!
の気持ちになるでしょう。

でも、その一方で

「見てもらっているのだから・・・」
と言いたいこと、
聞きたいことを我慢してしまうという傾向もあるようです。

でも、本当は伝えることで施設も勉強してもらえるだろうし、
それでよりよい関係を作っていくこともできるのです。

もちろん伝え方は、よく考えて・・・

それでも、うまくいかないとしたら、
それは施設側にも問題があるのだろう、
という話が出ました。

又、規約なども読んで、
緊急時にどうなるかなどを知っておくのも大事なこと。

利用者の家族が勉強をして、
賢くならないといけないんですね。

まあ、「何もかも知る」ということはできませんので、
何かあったときに聞くところを作っておく、
というのが賢明かも!

縁側の日での出逢いは、
そういうネットワークつくりもしているんだなあ、
とつくづく感じました。

ありがたいことです。


来月は、7月7日(木)10:30~12:00

看護大学の伊藤薫先生をお招きして、
「タッピング」を教えていただきます。

皆さん、ほっと一息つきましょう。

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